購入価格 ¥9,500(定価)
チューブレスレディのローハイトリムです。
三角形に尖った形状が特徴です。
公式曰く、23mm幅タイヤを履かせると空力が最も良くなる形状らしいですが、
前後32Hで組んでもらった上に、
シクロクロスの32mm幅のタイヤしか履かせていないので、
その辺りは体感できていません。
スポーク数の選択肢(18.20.24.28.32.36)が多く、
色も珍しく黒以外にシルバーが2種類(アノダイズとポリッシュ)選べ、
更にブレーキ面の無いディスクブレーキ用まで用意されているのが、
手組派には嬉しいところです。
ブレーキ面の加工はごく一般的なものです。
以前使っていたOpenProと比較しても、特に効きが悪い印象はありませんでした。
内幅18mm、外幅23mmと今時のワイドリムとなっていて、
2年間、レースと練習で使い倒しましたが、華奢だと感じた事は無かったです。
タイヤのエアボリュームが増えるのは勿論ですが、
リム自体の剛性が高まる事がワイドリム化のメリットだと感じます。
ただ、このリムでチューブレスタイヤを運用するにあたって、
大きな難点がありました。
「後輪はタイヤ交換の度にチューブレステープを貼り変えないと、
ビードが上がらない頻度が高い」
というものです。

左が通常版のA23、右が非対称版のA23OC(Offset Center)です。
OCはスポークの振り分けの中心線がズレているのが分かると思います。
後輪のスポークの左右差を是正する為に完組ホイールでもよく見られるものですが、
これが原因で、チューブレスタイヤを取り付ける際に支障が生じるのです。
このリムでチューブレスタイヤを運用する場合、
チューブレステープ(とシーラント)が必須です。
チューブレステープは低圧で運用していても、
クリンチャー用のリムテープと同様にスポーク穴の箇所が凹んでいきます。
これがもっと太いMTB用のリムだったら多少テープが圧力で凹んでも、
穴が空いているわけではないので気密性に支障はありません。
前輪用の通常版についても同様です。
しかし残念ながら後輪用のOCの場合、ビードを上げる際に
気密を保持する箇所(写真の緑丸部)にスポーク穴がかかっています。
この部分のテープが凹んでしまうと、どれだけ空気を送り込んでもそこから盛大に漏れてしまい、
かつシーラントで塞げる隙間を超えてしまうのです。

結果、通常版を使う前輪は1シーズンテープを使い回しても
比較的すんなりビードが上がるのですが、
後輪はごく短期間でタイヤ交換する場合を除き、毎回テープを貼り変えないと
ダメという状況に陥りました。
※Stan’sのテープ、21mm幅を使用していました。
別の方がレビューされている代用品でテープの費用を落とすことはできますが、
リムから古いテープを剥がして、パーツクリーナーで清掃、また新しいのを…、
と手間を含めた運用コストが高くつくのが嫌になり、
現在は使用するのを止めています。
ちなみにですが、一度ビードが上がってしまえば
前後輪ともに空気圧の減少具合はほぼ一緒で、
・IRCのSERACシリーズ
・Stan'sのテープ、シーラント、バルブ
以上の組み合わせでクリンチャー+ブチルチューブと同程度に収まりました。
よって、リムの精度自体は全く問題ないと思われます。
価格:★★★☆☆ 最新規格の手組リムとしては高くない
評価:★★☆☆☆ 走り、耐久性に不満はないが、
OCのチューブレス運用は難あり
<オプション>
カタログ重量→450g