購入価格 ¥8900(デバイス)+¥3900/年 or ¥390/月(サービス利用料)
スポーツバイク向けの盗難防止サービス
AlterLock
■背景
大切なバイクでライド中、ちょっとコンビニやカフェに立ち寄りたいということは多いと思います。
そのような中で皆さん気になるのが盗難やいたずら。
本製品は、そういった「ちょっと立ち寄る」場面に最適な盗難防止サービスです。
盗難やいたずらが発生したら、振動を検知してアラームで犯人に警告、GPSと遠隔通信によりスマホ経由で状況を把握できます。
なお、私としてはプロの窃盗団に対する抑止効果は期待していません。
サイクルモード、雑誌、もちろん本記事のようなWebサイトなどで大々的に公開している以上、プロは既に情報を得て対策を打っていると想定されるためです。
あくまでも、素人、突発的、カジュアルな盗難やいたずらへの対策として活用することを期待しています。
■感想
・サービスエリア
LPWA(Sigfox)で通信するため、サービスエリアは携帯電話網には及びません。
とはいえ、現時点で主要な都市近郊はカバーしています。
2020年には全国をカバー予定とのことですが、実際にはSigfoxの対応状況次第です。
・アプリとサービス登録
アプリはAndroidとiOSに対応しています。
アカウント登録の上、サービス利用料の支払い情報などを入力します。
サービス利用料は3900円/年 or 390円/月(6ヶ月拘束)。
将来的にも継続するのかは分かりませんが、現時点ではデバイスの購入時に3ヶ月分の無料クーポンが付属します。
・設置
フレームとボトルケージの間に取り付けます。
添付のボルトはアーレンキーで簡単に着脱ができますが、将来的には盗難防止ボルトにも対応予定があるようです。
とはいえ、プロなら対応するビットを用意して外してしまうでしょうから、過度な期待は禁物です。
縦横はボトルケージの寸法+αに収まりますが、厚みが8mmありボトルケージが前にオフセットするため、小さなフレームなどでは干渉する可能性があります。
私は干渉しましたが、ダウンチューブ側のボトルケージの位置調整で避けられました。
・重量
重量はカタログ60g、実測54gと優秀。
ヒルクラレースでもない限り、ほぼほぼ気にすることもないでしょう。
・充電とランタイム
充電はUSB Micro Bです。
通常時はIoT分野でも用いられるSigfoxとBluetooth(BLE)による通信のため、低消費電力です。1回の充電で1.5ヶ月程度は稼働するようです。
・デバイス接続
BLE接続です。
デバイス側面のボタンを押してペアリングモードに設定、デバイスのマニュアル裏のキーをアプリに入力してデバイスを登録します。
ワンタッチです。
・バイク登録
バイクのメーカー、モデル、写真などを登録します。
いざというときに手掛かりにするための情報なので、なるべく分かりやすく詳細に登録しましょう。
・設定
「オートガード」
監視動作の自動的なオン・オフを設定します。
人にバイクを貸したりショップに預けるときもオフにしておかないと、とんでもないことになります。
「振動検知感度」
振動検知の感度を低・中・高の3段階で調整します。
「アラーム」
振動検知時にデバイス側で鳴らすアラームのオン・オフを設定します。
本サービスの売りの一つでもあり、犯人に対して警告、周囲への通報にもなり防犯効果があるため、オンにしておきます。
「アラーム長さ」
アラームの鳴動時間を設定します。
「電波強度」
オートガードが動作するための電波強度を弱・中・強の3段階で設定します。
「システム音」
振動検知時にスマホ側で鳴らすアラームのオン・オフを設定します。
異常に気づくためにはオンにしておきます。
「デバイス解除」
ペアリングを解除します。
・使用方法
スマホ側でAlterLockのサービスをオンにしてデバイスのスキャンを開始し、ペアリング済みのデバイスを検出を待ちます。
オートガードがオンの場合は、単にバイクから離れて電波が弱くなるだけで監視を開始し、近づいて電波が強くなると監視を停止します。
オートガードがオフの場合は、アプリから鍵のアイコンをタップして開始・停止します。
・使用感
さて、ガード中にバイクを盗まれた、いたずらをされたと仮定して、揺らしてみます。
振動検知感度を高にするととんでもなく敏感で、指先で触った程度でもアラームが鳴ります。壁や地面の振動すら拾ってしまいそうなので、実用にはならないかもしれません。
中にすると、ゆるりと傾けたり少々揺れたりした程度では鳴りませんが、バイクを動かしたりボトルケージから本製品を外そうとした時点で検知できそうです。程良いです
低にするとさらに落ちます。
振動を検知するとデバイス側のアラームが鳴り響きます。音量は測定していませんが公称80dB。
ただ、周囲が騒がしいとかき消されそうなため、もっと大音量で鳴らしてもいいかもしれないと感じました。
一方、スマホにも通知が飛びます。
…が、少々静かすぎ、短すぎやしないでしょうか。
ピロン♪と一瞬で消えます。
電話着信や災害通知のようにもっと大音量で長く鳴らしてもらわないと、SNSやメールに埋もれて気づけない可能性があります。
デバイス側のアラームのように、鳴動時間やバイブの振動時間を設定できると嬉しいですね。
これはアプリのアップデートで何とかしてほしいです。
さて、その状態でスマホの通知からアプリを開くと状況が表示されます。
誤検知の場合はアラームを停止できます。
万が一の事態には「盗難情報を登録」をタップします。
盗難届の提出を促す旨や、SNS拡散のフォーマットが表示されます。
併せて、本サービスの一番の売りだと思いますが、バイクの位置情報を取得し、住所や地図を表示、拡散できます。
無事バイクを発見したら、その旨も発信できます。
オートガードがオンの場合、立ち寄り時に都度監視のオフオンを切り替える必要がなくて大変お手軽です。
遮るものがない場合、私が普段使っているAQUOS
Rでは、電波強度を強にすると100m付近まで離れた時点で監視を開始しました。
公称では50mらしいので、スマホの感度がかなりいいようです。
一方、弱にすると50mまで短くなりました。
私にはこれぐらいで丁度いいです。
以下の図で50mです。
■その他
アプリ側の話ですが、自転車乗りにとって便利な機能を追加予定とのこと。
現時点で各種Webサイトからニュースを拾ってきたり、サイクリングコースの提案にTABI RINやRoad Questと連携しているようです。
基本的にはリンクで飛ぶだけですが、今後の発展に期待です。
■まとめ
万が一があってほしくはないですが、少しでも安心が得られるのはありがたいです。
デバイスは軽量で長いランタイム、アプリの使い勝手もよく、ほぼ満足しています。
アプリ側の警告音だけは改善してもらいたいですが。
活躍する場面がこないことを祈りつつ、ポタリングを楽しんでいこうと思います。
価格評価→★★★★☆(デバイスは妥当、サービスは安い)
評 価→★★★★☆(ほぼ満足)
年 式→2018年
カタログ重量→約60g(実測54g)