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中国、上海にて去年より開催されているツール・ド・フランスの名前を冠したクリテリウムレース。
ツール・ド・フランス さいたまクリテリウムの上海verというのが一番分かり易いでしょうか。
まあ、何の因果か中国に幽閉されているということなので、折角なので観戦に行ってきました。
アクセス
上海市内の南に位置する「中华艺术宫」の付近を走るコースになっており、最寄り駅も地下鉄8番線「中华艺术宫站」になるのですが、
レース当日は閉鎖されており、電車が止まらないようになっていました。
これは出入り口がコース内部にあり、混雑や混乱を防ぐための措置だと思われます。
「中华艺术宫站」の次の駅である「耀华路站」から歩いて5分足らずで到着しますので、アクセスは悪くありません。
ただし、さいたまクリテリウムのような案内表示などは一切無く、少々寂しく感じました。
駅から北へ歩いて行くと赤い派手な建物があり、その付近がレース会場になっています。
スケジュール
7:00 - 8:30
(挑战赛上海)
同日に市民レース?が開催されていたらしく、
河川を南下し、最後はクリテリウムコースでフィニッシュという全長21.8kmのコースだそうです。
この時間は現地にいなかったので詳細は不明ですが、中々の盛り上がりを見せていたようで、
本格的な格好、機材を持ち運んでいた選手が散見されました。
9:00 - 9:15
(チームタイムトライアル)
この手のイベントでお馴染みのTT。
今回のチームタイムトライアルではチームの垣根を越え、ワールドチームのエースたちを集めたドリームチームでの出走だったそうです。
キッテル、トレンティン、サガンのTTTとか頭おかしくなる・・・。
これも時間の都合上、ウィニングランしか見れませんでした。田舎住みは辛いのぅ・・・。
10:00 - 11:45
(クリテリムレース)
メーンイベントのクリテリウムレース。
1周3kmのコースを20周する 合計60kmのコースとなっています。
さいたまのような地下道によるアップダウンのない、完全平坦なコースで、中国の道にしては舗装も良い感じです。(まあ上海はどこも綺麗ですが・・・。)
一箇所の180度カーブを除けば、コース幅も広くスピードの乗りやすい、まさにスプリンター向けのコースと言った感じでした。
出場ワールドチーム : AG2R、チームSKY、アスタナ、BORAハンスグローエ、カチューシャアルペシン、ミッチェルトンスコット
(招待選手?としてバーレーンメリダのワン・メンイン、フェン・チュンカイが参加)
有力選手としては、本家ツールドフランスでポイント賞を獲得したBORAの「P・サガン」、総合優勝の「G・トーマス」、カチューシャのスプリンター「キッテル」
AG2Rのエース「バルデ」、スコットの「トレティン」あたりが挙げられるでしょうか。
個人的にはBORAのサガン兄弟が来てくれているのが嬉しかったですね。
2018のさいたまクリテには来ていなかったみたいですし、なんか得した気分です。
9:00 - 17:00
(サイクルエキスポ)
同時開催で、サイクルエキスポも開催されていました。
しかし、出展数は少なく、また出場しているチームのメーンスポンサーや日本でもお馴染みの大手メーカーのブースばかりで見ていて新鮮味がないというか、
もっと中国地場メーカーのパーツメーカーなんかを期待していただけにちょっと期待外れ感が否めませんでした。
まあ、中国では意外と細かくサイクルショーみたいなものが開催されているようで、地場メーカーはそちらが主戦場なのだと思います。
今回は見に行きませんでしたが、「AG2R」と「チームスカイ」のチームプレゼン(ファンミーティング)もレース後に開催されたそうです。
アナウンス、通訳が中国語でなければ是非行きたかったですね。
レース
まあ、なんといいますか「非常に分かり易いレース」でした。
序盤はバーレーンメリダの「ワン・メイイン」とナショナルチームを含めた少人数で逃げ手段を形成。
「バルデ」「フルサング」が集団の先頭に出てコントロールを行い、「キッテル」がスプリントポイントを獲得して、
最終周3周くらい前から「G・トーマス」が逃げを打ち、「サガン」、「トレンティン」がその逃げに乗り、
ゴール前スプリントでサガン1着と。まさにお手本どおりのレース展開。
私はこれが悪いことでは一切無いと思っています。
良くも悪くも興行レースである以上は、その期待に答えたレース展開が望ましいですし、
画面越しでしか見たことのないスター選手が活躍している姿を見るのは単純に楽しいですからね。
去年のさいたま観戦でも感じたことですが、選手たちの身体、特にエーススプリンターと呼ばれるような選手たちの身体って、まあゴツイんですよね。
生サガン、生キッテルが見れるってだけで大満足です。
雑感
レース観戦して感じたのは、観戦者が非常に少なく、まだまだロードレース後進国だなといった感じ。
それを日本が言える立場にはないとは思いますが、さいたまクリテ、ジャパンカップなどと比べるとかなり盛り上がりに欠けます。
逆に言えば、観客が少ない分、快適に観戦できます。
事実、スタート後も移動を重ねながら観戦をしましたが、それでも大体コース最前面にもぐりこむ事が出来るぐらいでした。
公式HPでの情報も薄く、ホスピタリティに欠けるというかなんというか、そんな印象を受けました。
一番情報が優れているのが、ASOの英語/フランス語表記のHPってどうなの?と。
どうせ中国語が出来るわけではなく読めないので、どうでもいいっちゃいいんですが、これじゃ人が集まらないよなーと思います。
ただ、「微信」という中国版LINEのようなアプリでは結構細かい情報まで配信してくれていました。
しかし、肝心のタイムスケジュール、スタートリストが無く、惜しい!といった完成度。
また、会場でもパンフレットや観戦に関してのアナウンスは一切無し。
パブリックビューイングは有料席の前のみで、一般観客からは見ることは出来ない位置にしかありませんでした。
ゴール後の結果についてもアナウンス、発表も無く、隣にいるスマホでTV中継を見ていた中国人に聞いてやっと分かる始末。
正直、ホスピタリティというかユーザーフレンドリィ感がかなり弱く、まだまだ改善余地があるなといった印象を受けました。
それでも熱いファンは居て、選手が通る度に「萨甘,加油!(サガン、頑張れ!)」と叫ぶ人たちを見るとなんだか親近感を感じました。
また、そういった人たちはやっぱりロード乗りのようで、「S-Works」や「トレック マドン」、「ピナレロDOGMA」なんかを引いていて、
どこにでも金持ちは居るもんだ なんて感じたり。
というか、トレックとピナレロを上海で売ってるの見たことなかったので、ショップを教えてもらえば良かったと今頃になって反省。
総括すると、「イベントとして見ればまだまだ未完成だが、有名選手を見に行くには人が少なく快適」といったところでしょうか。
無料だし、アクセス悪くないし、混まないし、有名選手来るし、といったメリットはありますが、わざわざ海外に行ってまで見るほどのイベントではないなぁと感じました。
人が多いのって苦手なんですが、やっぱりイベントって盛り上がってナンボなんだなーと。
もう行かないとは思いますが、有料席はどんな感じだったのかは気になるところです。悪魔おじさんも居たっぽいですし。
余談
中国の自転車界が、「チャイナマネーをぶっこんで、中国人でツールを勝つぞ!」なんて息巻いているそうですが、まあどうなるんでしょうか。
サッカーなんかはかなり金に物を言わせて色々やったみたいですけど、結局のところ、有名選手は輩出できていない印象です。
国内の盛り上がりにも欠けている(と感じた)、ロードレースにどこまで本気で金と時間を掛けられるのか、やや疑問に感じますが、
アジアの、しかもお隣の国でのワールドチームというのは面白そうなので、見てみたいところではありますね。
価格評価→★★★★★(交通費のみ 中国の交通費はめちゃくちゃ安い)
評 価→★★★☆☆(もういいかな・・・ 改善を期待)