購入価格 総額でざっくり¥65,000ぐらい?
【概要】
[手組み] パックスサイクルオリジナル アルミクリンチャーワイド30mm 700C オフセット + Tniエボライトハブ + 星プレーンスポーク
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15792&forum=30のスポークとニップル換えて空気抵抗を小さくしたホイール。
実験用手組ホイール2号-改1とでも呼称します。
[空力設計]
エアロスポーク考
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15948&forum=33&post_id=27616エアロニップル考(?)
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15994&forum=33&post_id=27683#forumpost27683の結果に基づいてパーツを選定。
机上計算上の空力性能(主にスポーク前面投影面積に左右される)は、巷のアルミWO完組ホイールの大半をブッ千切れる程度には爆速。ハイエンドクラスの完組ホイールとほぼ同じ空力性能を有しています。
ホイールの空力性能はスポーク性能による影響が比較的大きい為、ぶっちゃけ CX-Ray の性能に頼り切ってますw
[スポーク結線]
前作も今作も、結線無し状態での動的リムセンタのバランスが非常に良いホイールに仕上がってます。
組みかけ又は分解しかけのホイールを使った応力解析シミュレータ
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15181&forum=48&post_id=26320での検証によると、結線無しの状態でハブに駆動力を掛けるとうっすら非フリー側にリムが動くぐらいのほぼセンター。
同じバランスの前作では、その状態から非フリー側だけ結線したら左側だけシュータッチしていました。
以上の結果から、非フリー側の結線はやらない方がバランスが良いと判断し、敢えて結線はやりませんでした。もし今後結線するとなると両側結線にすると思います。
[その他]
組み直すときに面取りドリルとノガバーで超丁寧にリムを追加工しました。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15981&forum=82&post_id=27666#forumpost27666https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15992&forum=82&post_id=27681#forumpost276819割方自己満足ですが何か?w
【走り】
私の歴代実験ホイールは、
初代 Shimano R500(のスポークテンションUP仕様)
2代目 Shimalin RR500(※自作実験用1号)
3代目 自作実験用ホイール2号(前作)
4代目 自作実験用ホイール2号-改1(本作)
という経歴。
実は Shimano R500 の"走りの良い所を伸ばす"を基本コンセプトに進化してきています。
なので
・適度に柔らかく乗り心地が良い
・一度加速すると失速しにくい
・脚にやさしい
・変な癖が無い
・しっかり止まれる
といった根底的な特徴は同じ。
そして、
・手で持って重い
・乗って踏み込んで重い
・上りも重い
・高速域ではあまり伸びない
という弱点を排除し空力性能を高めたのが今の姿です。
その過程で"動的リムセンタ理論"が生まれ、このホイールにも反映されています。
[乗り心地]
昨今の高性能完組ホイールのような金属的なガチガチ系の硬さはないが、パワフルでマッチョで粘りのある硬さを感じる乗り心地。そこそこ固い部類です。
前作の星プレーンからより強度の高いCX-Rayにスポークを変えてるのでその影響です。
[加速性能]
バランスは動的リムセンタ理論に基づきほぼセンターなので推力の横方向の逃げが殆ど感じられない。単に固いから進むのでは無く芯が出てるから進むという印象だ。ただ、ガチガチではないので無茶苦茶反応が良いという訳でもない。硬さはあるけどちょっとトルク系な柔らかさもある印象。
ダンシングでもシッティングでもあまり癖がなく無機質さすら感じる程アッサリ加速しますが、下ハンを握った時のスプリント的加速と、自分でも何だかよくわからない、シッティングでの狭い範囲のスイートスポットに入った時のスルスル系鬼加速が個人的に面白い特性だと思います。
文章で書くのは難しいですが間違いなく速いホイールです。
[巡行性能]
巡行性能は単独でのほぼ平坦35[km/h] 1時間キープが余裕で可能。巡行だけならレーシ〇グ3やゾン〇やアル〇グラ辺りのスチールエアロスポークな完組と大差ないんじゃないかと。アルミスポーク系完組(※スポークが厚いので実は空気抵抗が大きい)になら多分勝てるし、机上計算上は圧勝。しかも実験用手組2号改1の場合、ガチガチ完組と比べて脚を残せるので走行時間が長い程こっちの方が速いと思う。
私の手持ちのホイールの中では唯一の完組(なのか?)であるGOKISOホイール初期型と比べると流石にGOKISOが勝つが、実験用手組2号改1も十分速い。
[登坂性能]
少々重めなリムと若干控えめな剛性のお陰でそこまで速くは無いが決して遅い部類には入らない。
まぁ割りと普通。
ダンシングした時だけちょっと速いかも。
一応平地用で組んでるし、そこそこ気持ちよく走るから許そう。
[ダウンヒル性能]
下りは空気抵抗が小さいせいでよく伸びるのだがハブの性能が足を引っ張っている気がしなくもない。比較対象がGOKISOハブというのは些か気の毒だが、ウチにGOKISOが居る以上今後TNIエボライトハブはチューニング対象となりそうだw
[ハンドリング]
シャープ過ぎずダルくも無く程良い感じ。
ワイドリムと25Cタイヤのお陰もあって安定性が高く、そこそこ高速で下っても安心感が高い。
あと、ブレーキを使った細かい姿勢制御や、ワインディングでの豪快な切り返しが楽しいホイールに仕上がっているのも非常に気に入った点だ。
[ブレーキング]
ブレーキングは峠の下りでガッツリフルブレーキングしても問題なし。
普通のアルミリム相応に止まります。
[耐久性]
まだ未知数ではあるが、前輪は16h仕様な分強度的マージンは少なく結構繊細な印象。
ホイールを差し込む系の自転車ラックに前輪を差し込んで駐輪するのは不可能に近かったりと、あまり無理は出来ない。
【トラブル】
路面が悪い場所を走ったところあまりの振動に前輪のニップルが緩んでスポークが抜け落ちるというトラブルに見舞われました。
しかし、スポークが抜け落ちた直後は殆ど振れず。
そのまま走り続けてみたら、
・抜け落ちたスポーク付近のリムが
・抜け落ちたのとは反対側に振れたので(移動したので)
・抜け落ちた付近や反対側の位相にスポークテンションが下がるスポークが現れ、
・スポークテンションが抜けた反対側の位相のスポークも緩み、
・その後次々と連鎖反応を起こして前輪崩壊。
という結果になった。(当たり前だ)
でも、16hの前輪でスポークが1本飛んでもしばらくは大丈夫というデータが得られたのは良かった。
また、後輪もニップルが緩んでスポークテンションが20[kg]ぐらいまで低下していたのだが、動的リムセンタが決まっていたためかシュータッチすら起こさず、しかもフツーに走ってしまうもんだから、自宅に着いてスポークをにぎにぎするまでニップルが緩んだ事に気づかなかった。どうやら、駆動力が掛かった時にドライブ側スポークに発生する締上げ力のバランスだけでリムセンタを保っていたようだ。
これが、動的リムセンタ理論は間違ってなかったという決定的証拠となった。
なお、ニップルが1本緩んでから前輪が完全崩壊するまでは、振れ方を様子見しながら走れば残りの距離が何となく分かるので冷静に対処すれば大丈夫。
実験機材のトラブルは最高の機材性能検証イベントです。(良い子はマネしない。)
ニップルが緩んだ原因ですが、私は後々の振れ取りの為にニップルに緩み止めの類を使用しないのと、ホイールを組む時にスポークのネジ部に使ったオイルが残っていた事、そしてそのオイルがよりによって極圧性能が高い
AZ 極圧・水置換スプレー 420ml 浸透防錆潤滑
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=12335&forum=83だった事が原因かと。
このオイル、組む時楽なんだけど脱脂しきれないと怖いな(^^;
はっ!!
ホイール組用(振れ取り用)オイル沼にハマった予感がする...。
【まとめ】
実験用手組ホイール2号-改1は、過去に組んだホイールのデータを基に組んだホイールなのでそれらの総合的データ確認の意味合いが強いためレビュー自体は比較的アッサリした内容となりましたが、
自称集大成だけに、
『平地巡行重視のアルミWO手組ホイール』
というジャンルの中ではほぼほぼハイエンドの域に達したと思います。
ちょっと前輪の強度的マージンが少なめですが、限界まで空力性能を追求した結果なのでこれはこれで良しとしようと思います。
※どうしてもダメかなと思ったら20Hで組み直します。
とりあえずは、
ほ く が か ん が え た さ い き ょ う の 平 地 用 ア ル ミ W O 手 組 ほ い ー る
が出来たかなと思うので、しばらくはこのホイールで走ろうかと思います。
また何かあれば追加レビューします。
価格評価→★★☆☆☆(ぶっちゃけ、ゾンタかアルテグラクラスの完組買った方が安いと思うけど性能では負けてない。)
評 価→★★★★★(手組アルミクリンチャーとしてはほぼトップエンドの性能。)