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兵庫県道327号切畑道場線(ひょうごけんどう327ごう きりはたどうじょうせん)は宝塚市切畑と神戸市北区道場町を結ぶ一般県道である。
途中、武田尾駅付近に不通区間がある。
Wikipediaより。
この道は武庫川渓谷に沿って走る県道。(険道)
最新鋭の道と鉄道と廃線と県道と川の流れがシンクロする不思議空間となっている。
・新名神
・JR福知山線(宝塚線)
・旧JR福知山線の廃線
・武庫川
・兵庫県道327号線 ←自転車はここを走る
が1つの谷を立体交差しながら進むのだ。
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今回は国道176号線道場東交差点からスタートしたのでこちらからご紹介します。
場所はこんなとこ。
奥の方に新名神神戸JCTが見えます。
新名神といえば建設中に多くの方が亡くなられた道。その一つ、あの橋梁落下事故の現場はここ。忘れてはならない場所です。合掌。
この交差点から県道に入っていくとJR道場駅付近までは割と広くて走りやすい道。
JR道場駅はこんなとこです。
駅前付近には工場や採石場がいくつか点在しています。
道場駅は普通電車しか止まらないので、輪行の場合は隣の三田駅(さんだ。みたではない。)がお勧め。快速どころか特急も止まるし、神鉄の終点駅でもあるので圧倒的にこちらが便利だ。
旧線路は道場駅から大阪方面へ少し進んだ所にある鉄橋付近から、生瀬駅(なまぜ)の近くの武庫川に架かっている西宝橋付近までの川沿いの区間に存在しました。
1986年の8月頃、電化によって線路が切り替わるまでDD51やDD54ディーゼル機関車が客車を牽いていたそうです。
現在の線路に切り替わると同時に西宮名塩駅が開業し、武田尾駅は新駅に切り替わりました。
詳しい地図をご覧になりたいからはsosu様のレビュー、今昔マップをご参照ください。私もこの付近を走行する際、大変参考になりました。
[Net Service] 今昔マップ on the web
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=14560&forum=105道場駅を後にして武庫川の下流方向に進むとJRの高架としばらく並走する。その奥手の方に見える田んぼの畝が実は国鉄の旧線路だったりする。左の方に一旦ブレイクした軌道が再びこちらに突っ込んできて道を横断し山の中に突入する。岩肌にはなんとなーく塞がれたトンネルの入り口が見て取れるはずなので探してみてください。
この付近から急に道が狭く荒くなり始める。訪問時は台風の土砂流出でそこそこ酷い事になっていた。
あと、この渓谷沿いの道はガードレールが無いのが標準仕様みたいなので川に落ちないように気を付けてくださいw
川とJRと新名神の競演。
さっきのトンネルはこの辺から出てきて対岸へ渡ります。
こちらも注意深く岩肌を見るとトンネルの痕跡があります。
更に進むと線路はまた川を渡って県道側に戻ってきますが、今度は県道327号線が線路を横断して川を渡る。
川を渡ってからは対岸に廃線路を眺めながら更に下流へ進む。
対岸の線路沿いには産業遺産的な感じで色々なモノが残されているので面白い。
川下川ダムの麓で道が分岐。
実は右が県道です(爆)
奥はトレイルになっているとかいないとか通れるとか通れないとか。
このすぐ奥が武田尾温泉なので不通区間自体は短いですが、川岸が断崖絶壁状態。
これホンマに行けんの?w
今回はロードで訪れていたので余裕の回避。
ダムサイドへ向かう時に線路の上を通過し、新名神の下をくぐる。
ダムサイドからは奇麗な路面に変わりのんびりした道になる。
山奥なので交通量はほぼ皆無。
新名神建設中はここをダンプが行きかっていたはずだが今は面影皆無。
ダムを過ぎると渓流の横をゆっくりと上る渓流沿いの道。
この区間はダムまでのきつい坂と比べると平坦みたいなものなのでゆっくり森林浴を楽しめるが、老人ホームっぽい施設を通り過ぎるといきなり山里に放り出される。
そこに出たら右へ右へと回り込んでいくと再び武田尾へ向かう道となる。
こんな山奥に似つかわしくない真新しい電光掲示板がありますが、これは新名神開通の為設置されたもの。
某歌劇団をモチーフにしたという豪奢な建物で話題になった宝塚PAのスマートICがこの先にあるのだ。新名神が無ければ温泉郷に向かうひっそりした道だったのだろう...。
そのまま道を進むと小さなピークを越えて下り坂となり、やがて丁字路に突き当たり県道327号線に自動復帰する。
道順的には左折だが、折角なので右折して武田尾温泉へ下る。
丁字路手前には宝塚PAのスマートIC入口があるが、自転車乗りは利用できなさそうなのでパス。
川沿いまで下りきったら武田尾の温泉郷。
武田尾温泉自体は寛永18年(1641年)豊臣方の落ち武者であった武田尾直蔵が薪拾いの際に発見したそうな。日帰り温泉もありますよ。
他は吊り橋と温泉宿と少しの民家しかない小さな集落だ。
現在の武田尾駅は鉄橋とトンネルで構成された変な構造かつハイカーしか利用しない駅として有名。元々は川沿いの普通の地上駅だったが、昔の線路と駅は今は道路になっている。自転車が走っているこの道路が旧線路である。
個人的に面白かったのはトンネル跡。
途中に横穴があって吊り橋に通じておりそこから奥は立ち入り禁止。
VOLT1200の光害光線で照らしてみた。
...が奥は分からなかった。
橋から見つけたOh尻(正:甌穴)
温泉郷から下流の方向にはトレッキングコースが続いている。
廃線路からレールだけ取っ払って解放しました的な道で、枕木がそのまま残っている。
道自体は生瀬と西宮名塩の間付近まで続いている。
MTBでポタリングするのも楽しそうだが、尋常じゃないぐらいハイカーさんだらけで危険なのであまりお勧めはしない。
さて、武田尾に下りてくる時は見ないようにしていたが、実は結構な坂を上る事になる。
先程の丁字路まで戻ってきました。
ここを左折してからが本番ですが、残念ながら私は直進。
新名神の側道のような感じでゆっくりと高度を上げる。
この道も新名神建設の際に改装されているようで、所々このような旧道が見つかった。
やがて道は新名神より高い高度となり、
最後は切畑交差点で県道は終了。
余談だが、地図で見るとこの交差点の真下(地下)は新名神のトンネルである。
~まとめ~
川沿い区間は路面が悪く土砂流出もありますが、総じて北摂独特のひっそりした雰囲気が楽しめる道。廃線廃道側道高速道路渓谷ダム温泉など色々なコンテンツもあって結構楽しめました。MTBでもロードでも楽しめます。
ただし、武田尾付近はハイカーさんが非常に多いのでご注意ください。廃線トレイルも遠慮しといた方が賢明かもしれません。
価格評価→★★★★★(通行無料)
評 価→★★★★★(面白かった)
<おまけ>
切畑交差点を直進して猪名川町役場方向に下る県道324線も新名神と立体公差しています。
この坂も景色が良く気持ちいい道なのでお勧めです。
最後は県道12号に合流。