購入価格 ¥1,721
イスラエルからやって来た手作業バリ取りツール。
バリ取りといえばこれだろうというぐらいにはメジャーな道具です。
入手性も良く、ホームセンターの工具コーナー等で普通に買えます。
ノガバーの素晴らしさに触れる前に、比較用として、リムのニップル穴にニップルが収まる"座"を作るために使用した
面取りカッター
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=15981&forum=82&post_id=27666#forumpost27666の例を挙げます。
面取りカッターは、リムの底のように平面でない場所に穴が開けられているせいで穴の淵がヤマザキビスケットのチップスターみたいな形に湾曲していたとしても、その湾曲ごとバリを取り去ると同時に本体もサクサクと削っていき、最終的に90°の逆円錐形の傾斜を力技で切削成形します。
ノガバーは湾曲した穴の淵に沿って滑らかに刃を滑らせ、元の形状をほぼそのまま残しながらバリのみを除去します。
面取りカッターを"剛の道具"だとすると、ノガバーは"柔"のバリ取りツールと言えると思います。
ノガバーの使い方はとても簡単。バリを取りたい角に刃を当てて刃を滑らせるだけだ。くるくる回転する独特の刃が金属に食い込む角度を常にベストな状態に勝手に調整してくれるので作業中は基本的には何も考えなくてよい。
より奇麗に仕上げるために個人的に気を付けていることとして、
・刃が暴れると加工箇所がガタガタになるので、ある程度ゆっくり動かす事。
・最初は軽い力で徐々に力を入れ、最後も徐々に力を抜くこと。
・なるべく一筆書きで止めずに動かすこと。
という点がありますが、そんなに神経質にならなくても大丈夫かと。
私はバリを発見したら問答無用で何にでも使用しますが、自転車関連で特に効果が高そうなのはリムの穴(バルブ/ニップル)やシートポスト、フロントフォークのコラムカット、ハンドルカットの後の修正の他、パーツ買ってきたけどバリが出ていて気に入らない...etc. などではないでしょうか。(結局全部やんけ。)
先日私はリムに使いました。
左は加工前で右が加工後。
こんな感じでサッとリム穴の淵を糸面取りしておくと、リム穴の淵がリムテープを食い破ってパンクというお決まりのパターンをある程度防止出来ます。リムの内側に残った切子(切削くず)の除去もこれで出来ます。面取りカッターのレビューで書いたニップルホールの座の外に出来たややこしい箇所のバリもこれで取れます。
バリ取り作業限定で言えば、ヤスリやサンドペーパでやるより奇麗で早いです。慣れれば丁寧にやっても1穴10秒ぐらい。
刃の耐久性ですが、アルミばかり相手にしていてたまに鉄やステンレスにちょろっと使っているせいか全く尽きる気がしません。一体予備刃の出番はいつ来るんでしょうか。
穴と刃のサイズや形状が合わないときは別売りの刃が色々出てるので用途に合わせて選べて拡張性も高い仕様となっています。
グリップ後部の黒い部分の中は予備刃のケースになっており、予備刃を忍ばせたり使用しない時に刃を外して収納しておける。工具箱内で他の工具にぶつかって傷つけたり刃を損傷するといったトラブルをスマートに解決しているうえにとても安全だ。
ノガバーが不得意なのは、面取りカッターやヤスリが得意とする角をしっかり落とすような作業。不得意と書くと語弊があるので別の書き方をすると、『棲み分けが出来ている』という方が正確かと。
【まとめ】
必要な機能が集まったシンプルな道具ですが、各所が考え抜かれたデザインで全く隙がない。バリ取りならこれ以上の道具は無いなと思える程度には完成度は高いと思います。しかもこの値段なら文句のつけようがない。
価格評価→★★★★★(安い)
評 価→★★★★★(シンプルに考え抜かれたデザイン)