購入価格 ¥12,000円ほど(ミニベロ購入と同時にパーツ換装で入手)
工具なしでペダルが脱着できる、三ヶ島製作所の「Ezyシステム」に対応した両面ビンディングペダルです。
純正クリートとともに、シマノのSPDクリート(シングリリリース)にも互換性があるとされています。
私は、輪行を交えた旅行に使うことを前提とした折り畳み小径車に装着し、SPDのクリート(シマノ SM-SH51)で使用しています。
なお、互換品はシングルリリース型のクリートのみであり、マルチリリース型のクリートの使用は推奨されていないので注意が必要です。
私が使ってきたシマノのSPDペダルは、PD-A530、PD-A600、PD-M9020で、使用感としては、これらのペダルとの比較がメインになります。
また、使用感のレビューは、三ヶ島純正クリートではなく、シマノの互換クリートを使用した場合、と考えてください。
●外観
これは右側のペダルで、
ケージを装着した状態。
ケージ(黒い外枠)は、
取り外しも可能。
両面がビンディングになっている。
漕ぎ出し時にキャッチし損ねることは、
ほとんどない。
パッと見は、シマノのSPDペダルに見える外観ですが、よく見ると、ペダル後方の固定金具が左右に独立したパーツになっています。
この金具が別々に横スライドすることで、脱着する時に従来の三ヶ島製品より力をかけずに済むことが、特徴のようです。
ただし、メーカーのホームページの注意喚起によると、全体重を乗せたり、強く押さえつけるように踏み込んでいる場合、金具がスライドしにくくなり、ペダルから外れない時もあるようです。
↓ビンディングペダル US-S、US-S Ezy について(三ヶ島製作所ホームページ)
https://www.mkspedal.com/?q=ja/news/node/319 上のリンク先の説明によると、このペダルはSPDシューズのクリート横に配置されたソールに引っかける形で金具がリリースされる構造のようです。
SPD-SLとの兼用のシューズなど、クリートの横にソールがないシューズでは使えないと思われます。
三ヶ島のEzyシステム対応で、
工具なしでシャフトが抜ける。
輪行時やミニベロの折畳み収納時など、
横幅を小さくしたい時に大変便利。
ワンタッチでシャフトが抜けるため、折り畳み小径車で使うと、輪行時や収納時にコンパクトになって良いでしょう。
ちなみに、シャフトが抜けないEzy非対応製品(製品名は「US-S」のみ。「Ezy」がつかない)もあり、そちらは多少、価格がお安くなっています。
●使用感
乗車時の足の脱着については、シマノ製品に慣れていると、かなり独特な感じになります。
シマノのSPDペダルが、「カチッ」とキャッチされるような感覚であるのに対し、こちらのペダルは「ムニュッ」と押し込むような感じです。
シマノ製品よりも、「クリートがキャッチされた」という感覚が弱いので、慣れるまではちょっと不安に感じる時もありました。
なお、外す時は、足裏面が水平になっていないと、足を捻っても外れにくくなります。
シマノのペダルだと、踵が下に落ちていたり、逆に踵が上がって爪先立ちに近い状態になっていても、捻れば外れてくれますが、このペダルは踵が持ち上がった状態では、クリートの遊びの分、ソールが浮いて金具に引っかからなくなるようで、クリートがカタカタ動くだけで、外れてくれません。
私は、無意識に「爪先立ち」に近い感じで踏むことが多いためか、外そうと思った時に外れず、焦った時もありました。
ちなみに、ペダルを踏んだ感じは、今まで私が使ってきたペダルの中では、PD-A530と同じくらいに感じられました。
恐らく、ケージなしのMTB用SPDペダルと大きく変わらない(いわゆる、点踏み状態になっている)と思われます。
この製品は、シマノ製品と比べると、固定が全体的にゆるく、遊びも大きめに感じられるので、レースやファストランなど、しっかり固定されてロスを少なくしたい用途には、あまり向かないと思われます。
ただし、Ezy対応のこのペダルが真価を発揮する場面は、「鉄道輪行を交えたツーリング」等の場面であり、特に、『折り畳み小径車でそれを行う場面』になると思われます。
やってみるとわかりますが、折り畳み小径車で輪行したり、室内保管したりする場合、畳んだあとにペダルが左右に突き出しているのが邪魔になる場面は、非常に良くあります。
あのブロンプトンも、横方向の張り出しを最小限にするため、折り畳みペダルを採用しているくらいです。
一方で、折り畳みペダルにビンディング対応製品は(私が知る限り)存在しておらず、トークリップ等も使えない製品が多いため、折り畳み小径車でそれなりの距離を走りたい場合には、いまいち物足りなさを感じることが良くあります。
そんな皆様には、邪魔な時には取り外せて、走る時にはビンディングを使える、というこの製品は、見事に需要にこたえてくれると思われます。
SPD互換製品なので、旅先でそれなりの距離を歩く場合でも問題なく使えますし、追い込んで走るより、ゆるく楽しんで走るための機材としては、非常に良い選択になると思われます。
●まとめ
三ヶ島製作所製のビンディングペダルで、シマノSPDシステムの互換品です。
脱着の感覚は、シマノ製品と比べると独特な感覚となり、シマノ製品に慣れていると、戸惑うかもしれません。
踏み面はいわゆる「点踏み」になり、足の固定はシマノ製品と比べると緩く、遊びが大きいため、レースやファストランなど、しっかり固定された方が良い用途には向かないかもしれません。
なお、本製品が真価を発揮するのは、鉄道輪行を交えたツーリング、特に、折り畳み小径車でそれを行う場合だと思われます。
畳んだあと、横方向の張り出しを最小限にできるのは、輪行で担いで運ぶ場合でも、室内保管する場合でも、想像以上にありがたい物だったりします(逆に言うと、ペダルはそれだけ邪魔な存在になる)。
裏技として、他にEzy対応のフラットペダルを持っている場合、本体を抜いて差し替えるだけで交換できるので、その日の気分でフラット or ビンディングのどちらかを選んで走れたりもします。
この、ゆるい感覚で色々使える辺りが、折り畳み小径車での使用を推す理由のひとつでもあります。
最後に、重ねてになりますが、今回のレビューは、シマノのクリートを使用した場合の物であり、あくまでも、「互換品で使用した場合」として見て頂ければと思います。
価格評価→★★☆☆☆(←Ezy対応で機構が複雑な分、仕方がないと思うが、あと少しでXTRに手が届く)
評 価→★★★☆☆(←シマノ製品に慣れていると、最初は独特の感覚に戸惑うが、慣れれば問題ないレベルだと思う)
<オプション>
カタログ重量→498g(Ezyの機構が複雑なので、ある程度の重量増は仕方がないと思う)