どこのカテゴリーに投稿するか迷いましたが、ここにしました。
「DIY・小技」は ちょっと違う気がするぞ。
普段乗っているバイクを カンパニョーロ ヴェローチェの10速コンポで組んでいるのですが、
2017年を最後に ヴェローチェがカタログ落ちしてしまい、スプロケットなどの入手が(不可能とまでは言いませんが)
困難になってしまうので、これを機に11速化する事にします。
このバイクは 個々のパーツのグレードこそまちまちですが 所謂「フルカンパ」状態で、
ここからなるべく安上がりで組み替える方法をまとめます。
なお、今から書くのは 2011年型のコンポについてです。
2015年型(つまり現行の11速コンポ)のパーツは、充てられている品番も互換性も変わるので
また事情が変わってきます。
2011年型ヴェローチェの右レバーです。
製造年月の刻印があり、2010年12月製だと断定できます。かなり初期のロットですね。
2010年以前のヴェローチェは ブレーキレバーのロゴが「白地に黒VELOCE」となっていて、
2015年以降のヴェローチェは ブラケット内側のシフトアップレバーが垂れ耳の形になっています。
カンパニョーロのエルゴパワーレバーは、同世代であれば 全てのグレードでブラケット形状が同じになるので
↑ブレーキレバー、ブラケットカバー、取り付けバンドとナットを除いた これを取り替える事で
変速方式(パワーシフト/ウルトラシフト)と 変速段数(10速/11速)を自由に選べます。
以下、「ブラケット」というと このパーツを指すものとします。
ヴェローチェのブラケットには「EC-CE300」という品番が充てられています。
「CE」はケンタウルの略で、ケンタウル10速と共通のブラケットなので 品番もケンタウルに倣います。
同年代のレコードの右ブラケット「EC-RE100」を買ってきました。
ウルトラシフトの11速で、コーラスのレバーと共通のものです。
EC-RE100の方が1g軽い・・・訳ではなくて、秤の数字は111と112を行ったり来たりします。
重量差は無いという事です。これは、
エルゴパワーのグレードによる重量差は 100%ブレーキレバーの重量差に起因する事を意味します。
また、前述の通り EC-RE100は レコードとコーラスで共用されているので、
レコードとコーラスのエルゴパワーには 性能差は無い(ほぼ無い、ではなく 全く無い)という事になります。
スプロケットとチェーンも、当然ながら替える必要があります。
シマノのスプロケットを使い、シマニョーロ気味に組みますが
カンパニョーロとシマノは11速スプロケットの歯間距離がほぼ同じなので
「スプロケットのみシマノ、あとは全部カンパニョーロ」という組み合わせが可能になります。
11速におけるシマニョーロについて。
以前にも書いたと思いますが、現行モデルのポテンツァ11やケンタウル11速は
かつてのアテナ11速に比べて 非常に安価で提供されているので、
むかし流行った「シマノコンポにエルゴパワーだけ混ぜる」組み合わせには
費用的な意味も 性能的な意味もありません。
BR-7900以降のシマノブレーキは エルゴパワーとの組み合わせが出来ないから、というのも理由の1つです。
今回シマノのスプロケットを使うのは、
「カンパニョーロ純正11速スプロケットが まあまあ高いから(税込定価21,384円)」というのが理由であり、
それさえ無ければ 全て純正の組み合わせにするのがベストだと思います。
今回の趣旨は あくまで「低コストに11速化」なので、非純正品のCS-5800を選んだ次第です。
元のヴェローチェはパワーシフト、換装後はウルトラシフトになり
ブラケットカバーが使えなくなるので ウルトラシフト対応品のEC-SR500が必要になります。
パワーシフトは1段ずつのシフトアップしか出来ないので レバーを出す穴があいているだけ、
ウルトラシフトは多段変速が出来るので 長い穴になっています。
KMCのミッシングリンクを加え、必要なパーツが全て揃いました。
EC-RE100に ブレーキレバーその他のパーツを移しました。
見た目はヴェローチェですが、
中身はレコード11速ウルトラシフトです。
シマノのスプロケットを使いましたが、非純正の組み合わせとは思えないほど バッチリ調整できました。
唯一の不安要素は「ヴェローチェのリヤメカで まともに11段変速が出来るのか」という事でしたが それも杞憂に終わりました。
今回のカスタムのキモは「カンパニョーロのチェーンを使う事」です。
シマノとKMCのチェーンですが、カンパニョーロに比べて外幅が明らかに広く、
これらをカンパニョーロに使った場合 変速が非常に合わせづらくなります。
10速の時に やった事があるのですが、
カンパニョーロのコンポに KMCのX10(自称カンパ10速対応)を使ったところ
チェーンのアウターリンクが 隣のスプロケットと接触しまくります。
スプロケットの真下にプーリーが来る以上、変速自体は問題なく出来るのですが
少しでもチェーンが真っ直ぐでなくなると 途端にシャラシャラと不快な音を奏でます。
11速用でも、自称カンパニョーロ対応のKMC製品は多いのですが
どう見ても互換性があるとは思えません。
今回使ったミッシングリンクも、チェーンに対して横に遊びます。
そこの不安があったので「再使用不可」の キツめのミッシングリンクを選びました。
そろそろ シマノ/カンパ共用を謳うのを やめてほしいものです。
カンパユーザーは カンパニョーロ「専用」ミッシングリンクを使わなければいけません。
次からは それを買います。
リヤ変速の感触ですが、10速ヴェローチェに比べると非常に良い感じです。
ブレーキレバー裏のシフトダウンレバー(Bレバー)のタッチが軽くなりました。
パワーシフトでは、Bレバーのタッチが重いうえ それを短いレバーで押し上げるので
「おいおい こんな力で樹脂レバーを押し上げて大丈夫なのか」と不安になりますが(慣れましたが)、
現在では コクンコクンと軽快に動いてくれます。
登りで しんどい時のストレスが減るかもしれません。
シフトアップの親指レバーは、タッチが少し硬くなりました。重い感じとは また違います。
カキン!カキン!と独特の音を出して動きます。これはこれで良いですね。
○まとめ
ここまで引っぱった 気になる費用ですが、
EC-RE100 11,000円
11速チェーン 4,200円
CS-5800 4,400円
EC-SR500 2,500円
ミッシングリンク550円
で
計22,650円でした。参考になれば幸いです。
ちなみに、EC-CE300の定価は税込8,623円、
11速パワーシフトの アテナの右ブラケット EC-AT100は税込定価9,055円なので、
チェーンとスプロケットの価格を考えれば 11速の方が かえってお得、という事になっていました(過去形)。
EC-RE100は税込定価12,021円なので、ウルトラシフトに対するこだわりが無ければ
ブラケットカバーを買い替える必要も無くなるので 総費用は確実に2万円を切ります。
レコード以下の全グレードは Bレバーが樹脂製(アテナなど一部例外あり)、
スーパーレコードだけは セミカーボン製なので、そこにこだわりがあれば
EC-SR100(税込定価13,301円)にするのも手です。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
おまけ
左レバーはパワーシフトのままなので、特に何かする必要はありません。
が、ブラケットカバーがヘタっていたので交換しました。
明らかに不必要な長穴がマヌケです。