アスリートシェフのチキンブレストレシピ 鶏むね肉でパワーアップ!
荻野伸也、柴田書店、2016年、1300円+税
最近、食事の内容に少し気を遣うようにしている。
機材やトレーニング、プロテインやサプリメントも大事かもしれないけれど、自分のカラダは自分が食べたものだけでできているからである。
我が家で毎日の朝食と弁当製造を担当している身としては、予算や時間もにらみつつ、美味しく簡単手作り・塩分油脂低減メニューを常に探している。
そんな中、図書館で出会ったのがこちら。
コンビニでも売っているサラダチキン、実は自分で簡単に作れますというレシピ本である。
http://www.shibatashoten.co.jp/detail.php?bid=00625700版元の柴田書店は料理関係専門出版社で、レシピ本については文化出版局と同じぐらい信頼している。本書も写真が大きく掲載されており、作り方がとてもわかりやすい。料理に不慣れな人でも挑戦できるのではないだろうか。
著者は1978年生まれ、レストランオギノのオーナーにしてロングトライアスロン愛好者。ロードバイク、トレイルランニング、ウルトラマラソン、サーフィンもたしなむという格好のよさ。
レシピ本なのに冒頭はトレーニング日誌が掲載されているあたり、本書タイトルに説得力がある。
さて、本書によると鶏むね肉は
・高タンパクで低カロリー、筋肉の材料として最高
・疲労回復物質(イミダゾールペプチド)も豊富
・低価格で年中入手可能、作りおきしておけば短時間ですぐに一品完成(ここ、主婦/主夫に重要ポイント)
・淡白で飽きにくい味わい、ごはんやパスタの代わりになるので糖質制限食としても
ただし脂肪分が少ないためパサつきやすいのだが、本書の作り方ならそんな失敗はしないのである。
最初に紹介されているサラダチキンの作り方。
■材料
鶏むね肉300g×2枚(皮をはいでおく。皮は手で簡単にはがせる)値段は近所のスーパーで400円前後。
臭み取りの野菜はしっこ(長ネギの青い部分のぶつ切り50g、ショウガ薄切り50g)ニンジンやセロリなどでも可
塩6g、水1L
■作り方
(1)材料をすべて鍋に投入、強火にかける
(2)ぐらぐら沸いたら火を止め余熱で中まで火を通す
(3)煮汁に入れたまま常温まで冷ます
これだけ。煮汁と一緒にして冷蔵庫で5日程度もつ。
実に簡単。実に柔らかく、味わい深い。
このサラダチキンを適当に切ったりちぎったりして食べる。煮汁もスープとして美味。
■アレンジ
○薄切りにしてホットサンド
○細切りにして生春巻き
○煮汁と一緒にもやしスープ
○みじん切りにしてマカロニサラダ
サラダチキンのほかにも、
○チキンソテー
厚みや大きさをそろえるように切ってからソテーするのがポイント
フライパンでこまめに返して火を通す
非常に油がはねるので調理が終わったら周囲を掃除しよう
○マリネ
ヨーグルトに一晩つけておくと大変に柔らかくなる
夕食に作って余りは翌日の弁当に投入と思っていても全部食べてしまい、まず残らないのが難点w
さらにチキンカツ、つくね、などなどたくさんのメニューが掲載されている。
管理栄養士(山下圭子)によるコラムも興味深い内容である。
・疲労回復物質のイミダゾールペプチドとは
・鶏むね肉、いつ食べるべきか
・効果的な疲労回復方法
本書を読んでから、我が家の鶏むね肉消費量は急増しているのは間違いない。
しょっちゅう食べているものの、実際にパワーがついたかは不明w
価格評価→-(図書館の本なので評価なし)
評 価→★★★★★(すばらしい)
※火が通った肉は蒸し汁やゆで汁につけて粗熱を取ることで、うまみが肉に戻りしっとりした仕上がりになる、という。鶏肉以外でも豚肉やあさりでも同じらしい。
有元葉子の台所術、筑摩書房、2018年による