購入価格 ¥3829 (Ribble Cycles)
チーターマンじゃないよ、ワイパーマン。
流通が細くて、イマイチマイナー感のあるドイツのチェーンメーカー、ワイパーマン。
現在日本ではサイクルベースあさひが代理店をやっています、が、やはり流通が細く、現状、ロードバイクではメインとなる11速用のものでも、一度在庫が切れるとなかなか入荷してきません。
これはあさひがどうのという話ではなく、海外の通販でも似たような現状で、たま~にCRCやウィグルでも入荷してくるので、買うならその時が狙い目です。
シマノのチェーンが変速性能もよく、流通もよく、なお価格も手を出しやすく、他にはカラフルなKMCのラインナップもあり、まして、カンパニョーロやSRAMのようにコンポーネントメーカーごとの相性や、組合せもなく、はっきり言ってワイパーマンを選ぶ理由って、余程のことがなければないんですね。
まして、流通が安定しないという……もう、ワイパーマンのチェーンを入れてるだけで「只者ではない」感はあります。
なんとなくパレサイでも、適当なポタリングなオフ会でもいいでしょう。
そこで、たまたま知り合った人、偶然気が合った人のバイクを見て、そこにワイパーマンが入ってたとしましょう。
それを見つけてしまったら、もう彼は、只者ではない訳ですね。
普通の愛好家であれば、普通はワイパーマンなんかディグらないわけです、入ってる地点で相当なジャンキーです。
備えましょう。
■ワイパーマンの最大の特徴は、コネックスリンクと呼ばれる、再利用が何度も可能なリンクです。
シマノで言えばクイックリンク、KMCで言えばミッシングリンク。
しかし、これら似たような3種の中では、自分が実際使った感じ、ワイパーマンが一番機能的に優れてるなと感じました。
・理由としてはまず「再利用が何度も可能」ということ。
……厳密に言えば、チェーンがのびきった君になるまで、ですが、その間であれば何度も利用が可能です。
理屈としては、リンクのつなぎ方でしょうか、やや屈折した内側部分でピンをつなぎ、それからそれぞれ外側に引っ張ってピンをはめるわけですが、たしかに屈折している部分でつなぐ関係で、チェーンが弛んだ際にリンクがずれる心配がほとんど無さそうです。
・それから「取り外し、取り付けに本当に工具がいらない」ということ。
取り外し、取り付け、本当に手で簡単にできます。
うまく屈折させて緩めればリンクは簡単に外れますし、取り付ける際も工具なしにイージーに取り付けられます。
以前、こういったミッシングリンク系の利点としては、いちいちチェーンカッターで切る必要がないという部分と、ピンがなくてもリンクを再利用できるという点だったのですが、11速化したあたりから「再利用不可」のミッシングリンクになり、後追いで出たシマノのクイックリンクも「再利用不可」です。
(実際には再利用している人も少なく無いと思いますが……)
さらにどちらも取り付け、とりはずしに工具が必要で……KMCのミッシングリンクなんかは、一応手で外せるコツがあるそうなんですが、正直自分は出来ません。
なので、現状アンプルピンに対してのメリットって一体何だ??という感じになっちゃってるんですよね。
(マジレスすれば、たしかにチェーンを外すたびに何回もアンプルピンを違う場所に打ち込んでという作業を考えれば、メリットは無いわけではないけど……ただ、4回も5回もチェーンを切って付けてをやるか?という現実面を考えると??ですね)
そう考えると、コネックスリンクは、このリンクのネガティブな面をフォロー出来ているわけで、製品仕様としては理想的なもの、とも言えるわけです。
■チェーンとしての性能としては、ごくごく普通なものです。
一応、ワイパーマン的には非常に耐久性があって、ハードに使っても伸びづらいよ!とのこと。他メーカーとの比較実験もありました。
VIDEO
▲動画は10速用時代のものなので、結構前のものです
当方はシクロクロスにつけて1シーズン(半年、約10レース)戦いましたが、一応チェッカーではまだ0.75%が入りそうで、はいらないくらいかな、という感じの摩耗具合です。
チームメイトのシマノの5800グレードのチェーンが、あまり走行距離が変わらない中で、もうそろそろ1%が入りそうというのを見てますから、確かにワイパーマンが宣伝してたように「耐久性」は悪く無さそうです。
変速に関してもほぼシマノと遜色ない感じで使えては居ますが、自分の場合フロントシングルで利用してますから、前の変速機にかけての利用はしていません。
なので、そのへんは詳しい評価はちょっと未知数です。
ただ、以前使ってましたKMCのDLCチェーンに比べると、音鳴きも少なくて、そう悪くは無さそうです。
■11速用チェーンは全部で4グレードあって、トップグレードが11SX、ブラックコートしているモデルが11SB、MTBなどのラフロード向けが11SE、今回レビューしてるのは、一番お安いスタンダードモデルの11S0というモデルです。
トップグレードとはコーティングや、マテリアルが異なるようで、耐久性、耐候性は若干劣るようです。
実際、チェーン自体の利用には影響ないのですが、ちょっとプレートとかシマノのものに比べても、腐食や曇りが目立つかなという印象も……
■総括して
製品としてネガティブな点は殆ど見当たらないです。
強いて言えば、コネックスリンクのプレートだけちょっと大きいので、チェーンを掃除してる時にちょっと引っかかりやすいという点くらいです。
おねだんもやや高いですが、カンパニョーロのチェーンとそれほど大きく変わらないし、そもそもKMCのトップグレードに比べれば全然お安いですね。
問題は入手性の悪さと、国内で買うと非常に高価という点。
特に耐久性や、トラブルの対処に対応しやすいというメリットが有りますから、月に2~3回はブルベに参加しちゃうようなランドヌールや、自分のようにシクロクロスで走られる方は、ワイパーマン、良いと思いますよ!
価格評価→★★★★★ (←国内価格はやはり高価、しかしそれでもKMCよりは安いからなあ……)
評 価→★★★★☆(←思ったよりプレートの腐食が速かった、それ以外はベネ)
<オプション>
年 式→2017
カタログ重量→270g