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JOKEでもありませんが、ここでいいのかな?
サンツアーのかつての隆盛と、もしかすると慢心を誘ったかもしれない「スラントパンタ」の、特許そのものを一度見てみたいと思っていたが、灯台下暗し、Wikipediaに公告番号が載っていたので、早速見てみた。
特許公報の図面で、これが一番分かり易いかな。(米国出願。以下同じ)
http://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US3364762-0.pngちなみに、特許公報は団体名義(特許庁)の著作物なので、日本では公表後50年で著作権が切れる。(個人のものは没後50年)
昭和42年11月14日発行なので、来月で50年だ。
1か月も待たずに、日本出願の図面をここに直接貼れるのだが、敢えて今というのが何とも…
特許の図面にそっくりな、モデル名でいうと「SunTour Gran-Prix」。
http://www.disraeligears.co.uk/Site/SunTour_Gran-Prix_derailleur.html特許図面と同じローノーマルだし、説明文に同じ内容の米国特許の番号も書かれているから、間違いない。
当時のサンツアーは、フロント=トップノーマル、リア=ローノーマルがお好きで、レバー操作を軽くするのを意図していたらしい。
競技でコンマ何秒を競うときは、レバーが重くても確実に変速できるように、その逆が良い、なんて先輩が言ってたっけ。
実際乗ってみると、ストップアンドゴーの多い市街地はリア=ローノーマルが楽ちんだったりする。
私自身、「単にガイドプーリーがマルチプルスプロケットに沿って斜めに動くだけ」の特許だと思っていたが、
http://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US3364762-1.png詳しい説明を読んでみると、これが大間違い。
一例を挙げると、テンションスプリングがアウターリンクの切り込みに止められているので、ロー側にシフトするとテンションスプリングが緩んで、スプリングを虐めない、というか、張力変動が少ないし、テンションスプリングがリターンスプリングも兼ねることができる。
http://patentimages.storage.googleapis.com/pages/US3364762-4.pngそのほかの効能も詳しく説明されていて感心する。
全文を読みたい方は、↓ここにあるのでどうぞ。
https://www.j-platpat.inpit.go.jp/web/PU/JPB_S42023485/AB2C7EA0339E8EAD29F5F17E469788DA「特公昭42-023485」をクリックすれば読めるし、「文献単位PDF表示」からPDFで保存もできる。
この仕組みを発明した「小崎信夫」氏は、現代の自転車にとって、空気入りタイヤを発明したジョン・ボイド・ダンロップに比肩する偉人かもしれない。
言い過ぎか。
ついでに、この発明以前のディレーラーの特許をいくつか貼っておきます。
《サンプレックスっぽい?》
http://google.com/patents/US3181383《Huret Svelto:ユーレー ズベルト?》※図面は4ページ以降
https://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/originalDocument?CC=FR&NR=1346243A&KC=A&FT=D&ND=&date=19631213&DB=&locale=#《Campagnolo Gran Sport?》※図面は5ページ以降
https://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/originalDocument?CC=GB&NR=701135A&KC=A&FT=D&ND=&date=19531216&DB=&locale=#《Huret Luxe:ユーレー ルクス?》※図面は4ページ以降
https://worldwide.espacenet.com/publicationDetails/originalDocument?CC=GB&NR=878199A&KC=A&FT=D&ND=&date=19610927&DB=&locale=#価格評価→★★★★★(只なので)
評 価→★★★★★(個人的に楽しめました)