購入価格 ¥1380 (サイクルヨーロッパジャパン)
泣く子も黙る、和光ケミカルの自転車用チェーンルブ。
一般的にはスプレータイプの「WAKO'S チェーンルブ」が知られてますが、これはリキッドタイプで、ボトルのノズルから直接チェーンに塗布します。
スピードタイプと、パワータイプという二種類があって、スピードタイプの方が油膜が薄めで、パワータイプが油膜が厚め。
自分が使っているのはパワータイプのもので、それぞれ混ぜて使ってもOK!という触れ込みでした。
最近「チェーンルブ・リキッド・エクストリーム」という製品もリリースされていて、それ以降あまりお店で見なくなったので、ひょっとしたらモデルチェンジしたのかもしれません。
和光ケミカルといえばやはり、モータースポーツ界でも有名なケミカルサプライヤー、僕ら末端ユーザーでも直接TELすれば、技術部の方が疑問に答えてくれる、きめ細やかなサポートが魅力的なブランドです。
■実際使ってみた感想
ボトルのノズルも非常にオイルをさしやすく、チェーンのコマに無駄なく注油できます。
多分、フィニッシュラインやウェルドタイトよりもそういう部分は扱いやすい。
パワータイプは油膜が厚めということですが、オイルの粘度はそれほど高いようには感じず、フィニッシュラインのウェットタイプよりも、粘度低いなという印象。
シマノのPTFEルブと、同じくらいか、それよりも若干粘度低いかな、という感じでしょうか……なので、コマへの浸透性は悪くないです。
浸透性が高いせいか、オイルを注してしばらくすると、コマ内部のスラッジ等が多少浮き出てきます。
(このへんはラスペネや他の浸透潤滑剤などで綺麗に洗っても、多少量出てきてしまうと思います)
なので、自分の場合は注して、チェーンを回してなじませて、しばらく置いてから拭き取るようにしています。
・走ったフィーリングとしては、シルキーといいますか……やはり油膜がしっかりしていて、どのギアに入れててもトルクが掛かった時のスムース感があります。
音も静かですね。
キツいチェーンライン(たすき掛け)に入った時も、あまり鳴かないので、気が散らないのもあって気に入ってます。
ナスカルブのオイルも静音性という部分では非常に良かったけれど、あちらよりも油膜が厚く、ダイレクト感が薄い印象。
その分耐久性が優れてる、という感想ですね。
・オイルの耐久性、持続性はなかなかのもので、ウェットブルベでも使いましたし、Bike Across Japan2400でも使用しましたが、ブルベ中にチェーンの駆動音が変わってくるということもありませんでした。
あまり粘度が高い、という感じはしませんでしたが、きちんとコマ内部に留まってくれて、油膜も強く、水置換性も悪く無いということなのでしょう。
汚れもそれ相応には汚れますが、よくあるウェット系オイルにありがちな、砂やスラッジをいっぱい拾ってしまって、ベタベタしてしまうっていう部分もかなり抑えられています。
チェーンもスプロケットも、ブレーキクリーナーで吹いて洗えば素直に落ちてくれますし、適切な量を塗布すれば、チェーンが暴れてもあまりオイルが散ったりもしません。
(AZやミッドランドオイルなどは、結構丁寧に塗って拭き取っても、オイルが散ってホイールを汚してしまうことがままありました)
本当に良く出来てます。
■総括して
非常に完成度が高く、ネガティブな側面の思いつかない、よく出来たオイルだと思います。
幾つかのブランドのオイルを試したり使いましたが、全体のバランスとしては一番いいですね。
瞬間的には性能の突出して優れたオイルってありましたが
(たとえばナスカルブの静音性とダイレクト感、ミッドランドオイルの悪コンディションでのダイレクト感など……)
あらゆるシチュエーションで使って、一番ネガティブな側面が少なかったのはやはりこのオイルかなと思います
とにかくスムースなので、静音性が高く、走りに集中できる。
リアセンターが短くて、チェーンラインのシビアなフレームのモデルなんかには似合うのではないでしょうか。
油膜が強いから、ブルベなどの悪天候ライドでも安定しているし、汚れにも強くクリーニングしやすい。
ロングライドで丸一日走り通す人にもいいですね。
なにより新城幸也も、NHKの番組で、このオイルをおもむろに取り出して、自前のREACTOに塗布してましたからね、彼が使ってるんだから間違いないでしょう!?
価格評価→★★★★★(価格そのものよりも、販売店が限られてる模様)
評 価→★★★★★(最高、ネガティブな部分が思いつかない)
<オプション>
年 式→2016(17年現在モデルチェンジの可能性あり)