購入価格 ¥2980
ビンディングペダルを買い替えようと手頃なものを探していたらこのペダルを発見。
安い...安くない?
外箱には中国語で何か書かれています。
色はブラックとシルバーがあるみたいです。
ブラックの表面処理はアルマイトかな?
磨耗防止のプレートがついていません。
まず持ってみた感想は「重スギィ!」。
まあ本体が金属なので当たり前ですかね。
ボディ本体はとても頑丈そうですが、クリートを保持するパーツはエンプラなので耐久性は特別期待できなさそうです。
ビンディング機構はシマノと違い全て剥き出しの状態。
防塵性は無さそうですが、メンテナンスは容易にできそう。
クリートの保持力の調整は裏側にある六角穴付きボルトを回して行います。
シマノ同様クリック感があり、ひたすら緩めたら外すことができました。
軸も六角穴付きボルトで固定されているのでもしかすると分解可能...?
流石に戻せなくなりそうなのでやっていません。
海外のレビューを見てみると「クリートを外したらシマノの様に定位置に戻ってくれない」という事が書かれていましたが、一応定位置に戻ってくれます。1分位かかりますけど(笑)。
原因は間違い無くグリスでしょうね。
硬くて粘度の高いグリスが使われています。寿命を伸ばす為でしょうかね。
まあシマノのペダルはそんなことしなくても寿命が長いんですよね...。
ペダルを手で回してみるとかなり滑らか...と書きたかったのですが残念ながら既に異物が混入しているらしくガリッとした感触が。新品ですよコレ(笑)。
早速分解してみます。
分解手順は基本的なシールドベアリングのペダルと同じです。
キャップはどちらも正ネジ、シャフトを固定するナットは右が逆ネジでした。
ナットを緩めるには9mmのソケットが必要です。
ペダル内側にはニードルベアリングが使用されいましたが、これはほぼ分解不可能。
この価格でニードルベアリングはコスパ良いですね。てっきりブッシュベアリングかと思っていました。
シールドベアリングはTTNという中国のメーカーのものでした。
サイズは外径13mm、内径6mm、幅5mm。
シールに使用されているゴムは単純な形で、防塵性・防水性には特別期待できなさそうです。
ゴムの材質はサンプルを取って燃焼反応を調べたらNBRかCRっぽい感じでした(知識が無いのでそこまで良くわからなかった...)。
まあとりあえず耐油性は問題無さそうですね。
ところでバラして内部を洗浄している際、何やら黒いカスの様なものが大量に出てきました。
良く見ると内側も無駄にアルマイト加工されている。
...ということはこの黒いカスは酸化アルミニウムの金属片!?
まあ実際どうかわかりませんけど。
ブラックは分解前提で購入した方が良さそうです。
余談ですが、シールドベアリングのペダルに何故ネジが切ってあるアルミキャップが採用されているかというと、実はコレがベアリングの圧入工具の役割も担っているからなんですよね。
ベアリングをセットして、キャップを締め込むだけで圧入完了。
外す際もシャフトとナットを組み合わせれば即席の抜き工具になります。
よく考えられていますよね。
シールドベアリングはNSKのSS686に交換し、グリスはシマノのプレミアムグリスを採用。
プレミアムグリスって結構粘度高いんですね。当方が所持している中では一番でした。
オーバーホールの結果回した時の違和感も無くなり、手を離すとバッチリ定位置に戻ってくれるようになりました。
とりあえずちょう度2号のグリスなら回転の問題は心配無さそうです。
実際に取り付けて走行してみました。
まずクリートをはめてみた感想は「軽スギィ!」。
インジゲーターが真ん中辺りに来る位に調整していたのですが、それでも驚くほど固定力が弱い。
シマノのライトアクションを使ったことが無いので詳しくは分かりませんが、恐らくそれと同等又はそれ以下ではないかと思います。
一応最大にしたら個人的には問題無い程度にまで固定力が上がりました。
またステップイン時の音が、シマノと比較して大きく甲高い。
これはKEOクリート対応のペダル共通ですかね...?
もしかすると本体が金属製なのが影響しているのかもしれません。
Qファクターはシマノより広い気がしたので、実際に比較してみたら確かに少しだけ広い。2mm位ですかね。
付属のWellgoオリジナル(?)のクリートはかなり酷い。
クリートの段差が大きく、後方から滑らせる様にしてはめようとすると十中八九変なところに引っ掛かります。
更に引っ掛かる部分にグリップがついているので、そうなったら一度ペダルから足を離すしかありません。
これだけでも十分致命的なのですが、もう1つ問題があります。
クリートの先端だけ何故かグリップがついていません。
お陰でカカトを上げると急に滑るようになります。間違い無く初見殺しですね。
追加でLOOK純正のKEOクリートを購入することを推奨しますが、そうなるともういっそのこと最初からシマノやLOOKのペダルを買った方が...(笑)。
評価をまとめますと、正直実用的な面では全く利点がありませんね。
整備が好きな方、マニアックなペダルが欲しい方、ペダルに耳の保養を求める方を除きこのペダルの需要は全く無いと思います。
価格評価→★★★★☆(ビンディングとしては破格なので100歩譲り星4つ)
評 価→★☆☆☆☆