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大阪府道・兵庫県道603号能勢猪名川線(のせいながわせん)は大阪府豊能郡能勢町から兵庫県川辺郡猪名川町を結ぶ一般県道である。(Wikipediaより。)
603号線は、
古代丹州街道(と一部区間が被っている)
一庫ダムに沈んだ丹州街道の旧道
国道173号線旧道
国道173号線の一庫ダムトンネル地帯回避ルート
といった様々な一面を持っている歴史的に興味深い道です。今回レビューする、阿古谷峠(別名カイモリ峠)と稲荷坂(旧 主計坂 ←読み:かずえざか)は、603号線の途中にある古代丹州街道の峠道。昔は丹波や篠山等の米所からこの道を通って、池田や伊丹の酒蔵や河内平野へ米が運ばれていたそうです。
私の場合、猪名川方面から能勢方面に向かって走る事が多いので、この方向で走った場合のレビューになります。
~スペック~
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阿古谷峠(南側)
区間 上阿古谷コミュニティバス停 ~ 阿古谷峠
スタート地点の標高 147.4m
阿古谷峠の標高 262m
標高差 114.6m
距離 1.5km
平均勾配 7.6%
阿古谷峠(北側)
区間 上杉地区 ~ 阿古谷峠
スタート地点の標高 233m
阿古谷峠の標高 262m
標高差 29m
距離 0.45km
平均勾配 6.4%
稲荷坂(南側)
区間 上杉地区 ~ 上杉稲荷神社
スタート地点の標高 232.8
稲荷坂の標高 273.5m
標高差 40.7m
距離 0.9km
平均勾配 4.5%
稲荷坂(北側)
区間 602号/603号交差点 ~ 上杉稲荷神社
スタート地点の標高 211.3
稲荷坂の標高 273.5m
標高差 66.2m
距離 1.9km
平均勾配 3.3%
※地理院地図Web版&Googleマップ調べ。
※上杉地区はほぼ平坦な区間があるので、
急に勾配が強くなる付近をスタート地点としています。
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【入り口】
能勢電の日生中央駅方面からだと猪名川消防署前を右折して少し進んだ所から603号に入ります。イオンモール猪名川方面からだと紫合堂田交差点から603号に入ります。上記二つの交差点のほぼ中間地点に丁字路があり、ここから603号線は北へ進路を変え、ひたすら道なりに北上します。前半はコーナーだらけのワインディング、後半は緩い上り基調の道。猪名川ふれあいバス 上阿古谷バス停から本格的に阿古谷峠の上り区間に入ります。
【阿古谷峠】
下から坂を見上げるとS字にうねった道に沿って電柱が立っているので道のラインが良く分かります。平均勾配が7.6%ありますが、勾配が緩やかに変化するので途中で脚を休めるタイミングがあります。軽いギヤでリズミカルに上れば割とあっさりクリアできると思います。
棚田の一番上から、登坂開始地点からの全行程が見渡せます。
これぞ古道の峠道!!とでも言いたくなるような、自然の地形と一体化した美しいワインディングです。自然と一体化した無理のない道の形なので自然にも脚にも優しい気がします。古代丹州街道も阿古谷地区の棚田を縫うように走っていたのかもしれませんね。
棚田区間を過ぎるとフツーの山道。
途中、杉の木の向こうに空が透けて見える場所があり、ここが頂上かな? と勘違いしそうになる場所がありますが頂上はもう少し先にあります。
阿古谷峠頂上。
特別な物は特にありませんw
ここから上杉地区まで一旦下って少し平坦区間があった後、今度は稲荷坂の上り返し。このパターンは東海道の難所、金谷峠のプチバージョンのようだw
【稲荷坂】
実は阿古谷峠より標高が高い稲荷坂。
上杉地区から始まる坂は中々の迫力がありますが、高低差は小さいのでアッサリ上れます。
頂上は稲荷坂の名前通り稲荷神社があります。
ここの紹介には主計坂(かずえざか)と書かれています。
稲荷坂を能勢方向に下り始めると、パッと景色が広がり能勢の街が見渡せます。
周りにある別の峠もバッチリ見えてしまうので、あっちも行きたいこっちも行きたいとヒルクラ欲が湧きます。(笑)
最後は602号線に突き当たって終了になります。
右に行くとすぐ能勢の街のど真ん中に出ます。
左に行くと西峠ヒルクライムのスタート地点、兵庫県道12号線の杉生交差点に出ます。
【全体的な印象】
クルマの交通量は少なく、付近の農家の方が農作業の為に行き来したり、地元民の方が時々抜け道に使う程度。 路面はたまに荒れている箇所もありますが比較的きれいな方かと。 自転車乗り目線では走りやすいと思うのですが実際のサイクリスト交通量は少ないので、この近辺では割とマイナーな道なのかなと思います。
しかし、峠道からの景色は良く、古道探索やツーリングにはピッタリで、負荷もそんなにきつくは無い。 西峠、はらがわた峠、天王峠、野間峠、るり渓等への抜け道に使ってもダメージにはなりにくい様に感じます。 実際に阿古谷峠と稲荷坂を経由してはらがわた峠や西峠へ連続アタックしても脚が無くなる等の問題は無かった。 むしろR173のストレスフルなトンネル地帯を通る方がよっぽど精神的ダメージが溜まる。
トンネル回避の抜け道にもツーリングにもピッタリないい道です。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
<オプション>
年 式→不明。とんでもなく古いのは確か。