メーカー価格 ¥248,400(税込)
岩舟町にあるサイクルショップ松井輪業さんで試乗車をお借りして乗ってきました。
操作方法や車体スペックの詳しい情報はヤマハ公式ページを参照
https://www.yamaha-motor.co.jp/pas/ypj/ypj-r/ルートは岩舟山-林道西山田線-太平山(下皆川林道、栃木C.C)の30km
スタート時のバッテリ残量は80%、戻ってきたときは7%でした。
・岩舟山 HIGH 80→50% 34×28T
ロードではダンシングしないと登れなかった坂をシッティングのみでクリア
明らかにアシストされているのがわかる。
たがペダリングが軽く、平坦インナーでクルクル回して走るようにはならなく、5%くらいを登るようにある程度踏まないとアシストが働いてくれない。
もちろんStravaでKOMを1分以上上回ってました、自分の前回比2分半くらい速くなっていました。
・林道西山田 OFF 50→48% 34×28T
アシストOFFではやはり重い、39×25Tを踏んでいるような感覚に近い
車体全体の重さよりもユニット・バッテリーの部分的に重い感じがあり、重いギアを踏んでいるときのクランクが踏めない、リアホイールが回らない進まないよりは、ユニット(BB)が回らないようなイメージがあった
OFFの時のクランクの回り方自体は思ったよりもよく、回らなかったり渋かったりの印象はない
・太平山(下皆川線) ECO 48→41% 34×28-25T
アシストをしている時のモーターの駆動感が伝わってくるが、それがアシストになっているのか負担になっているのかわかりにくい
どちらかと言えば抵抗になって負担が掛かっていたと思う。
傾斜面であればインナーローよりも1枚ギアを重くした方がペダリングはしやすかった。
タイム的には自己ベストには全然、ゆっくり登るときのタイムでした。
・太平山(栃木C.C.) STD 41%→12% 34×25T
ECOに比べたらアシストされているのがわかるが、やはりある程度踏むようにしないと上手く効果がない
軽く回せるようになってケイデンスが上がるよりは、トルクに必要なパワーを与えてる印象
随神門から謙信平への登りではHIGHとSTDを切り替えで試してみたが
HIGHは顕著にアシストの強さが変わり、そこまで力を入れないで進んでいくがSTDに切り替えた瞬間に足が止まり踏まないと進まなくなった。
【登り】
登りのアシストは平坦のように軽く回しながら登れるようになるのではなく、ある程度の踏む力をアシストするので『アシストがあれば登りもラクラク』と考えると大きく違う。
あくまでもヒルクライムをしている中でアシストしてくれるので、登ってる充実感は得られるが『ただ、楽に疲れないで登りたい』は得られない。
そのためか軽いギアをケイデンス高めで登るペダリングだとパワーが足りないのかアシストが上手く働いてくれなくリズムが合わなくて難しかった。
【平坦、こぎ出し】
平坦ではほぼOFFで走行していたが、ECO,STDを試してみたときにモーターが駆動しているがアシストをしていない(速度が25km/h以上)のにクランクに抵抗を感じた
試しにOFFにしてみると軽くなり回しやすくなった(速度では1km/hも変化はない)
向かい風や微勾配などの場合ではアシストがある方が巡航しやすくはなる。
こぎ出しではOFFではやはり重い、ギアを重くしてスタートしたときに似た印象がある
慣れてくるとギアを軽くしてスタートするので多少重いと感じるが気にならなくなる。インナーでスタートすれば関係ない。
ECOでは追い風で微かに押してもらってるような感じでアシストされているのはわかるが大きな差はない。
STDは軽いギアからスタートしてスピードを乗せるような感じに加速してくれて、これが一番体感的に気持ちのいいスタート
HIGHは一気に25km/hまで加速するが、ストップアンドゴーで踏まないのに踏んでいくような加速のしかたで慣れなかった。
【ブレーキ、下り】
やはり車体重量15kgもあるといつもの感覚でブレーキをしても制動距離はやや伸びている。
謙信平からの下りで当て効きさせているときもいつもより速度が乗っていた印象があった。
特にコーナーリングでは車体全体が重くなるのではなく、ユニット・バッテリーが重くいつもと違う位置に重心があるのかコーナーで外に膨らむんじゃないか。と不安感があった。
同じような重量に大型サドルバッグなどでやって重心がやや高くなっても同じようにコーナーが不安になるのかは気になるが、Twitterなどではそのような意見は見かけなかった覚えがある。
【まとめ】
メーカーの『走行をする中で一部をアシストをして、スポーツ感をなくさない』という意図の通りになっている感想になった。
ロードバイクに乗ってる人からしたら中途半端な性能になっている気がするがメーカーのユーザー層は
『スポーツバイクに乗ってみたいけど体力的に心配だから』
『速度を出すわけではないけど、スポーツバイクでの気持ちよさを知りたい』
とライトユーザー向けであるので、バリバリに乗っている人は的外れであった。
たしかに25~28km/hくらいでゆるポタしながら走るほうが得意分野のイメージである。
ただ、ヒルクライムでも登ってる実感はあるが、ある程度の脚力がないとアシストも働かないのでは?とすこし疑問がある。
軽く登れることが出来ると思ったがそうではなかったので、ママチャリアシストのような動き方を考えていたがギャップに少しショックを受けた。
ロードにある軽快感ある走りではなく、あくまでも重く走るので同じ軽快感を求めると違ったものになる。ただ、スポーツ車としては軽快感はあると思う。
アシストの出力は速度に合わせて決まっているが、速度に合わせて働いている訳ではなくペダリングパワーからアシストが働くかどうか決めているみたいである。
自分はまったく見ていなかったがパワーメータがユニットに内蔵されており、モニターで確認することができる。
アシストリミットが24km/hまでになっており、それ以上ではアシストが働かないように設定されているが、平坦を走っている時に感じるモーターの抵抗は一体なんであろうか
大きく抵抗にはなっていないが抵抗感はありOFFの方が軽く回せるようになっているのは確かである。
あと、登りで勾配が緩くアシストがOFFの時のように軽く回しているときに一瞬モーターが駆動するのはなんでだろう、まったくアシストにもならないパワーだし無駄な動き。
OFFの際もロードのようにクランクとリアホイールが駆動してる感覚の中にユニットが間に挟まってるようであり、クランクの回る感覚に違和感がある。
日本とヨーロッパではアシスト出力が違っており
・日本 10km/hでピーク、そこから徐々に24km/hまで落ちていきオフになる。
・ヨーロッパ 0-24km/hまで出力が上がり続けて24km/hでピークになり、その後いきなりオフになる。
これは日本、ブリジストンが電動アシストを初めて発売したときにいろいろ規制を設定したことで出力の出方が変わっているのである。
ほかにはバッテリー制限も含まれているのでジロの山岳ステージにE-Bikeで観戦しにきてる人が多かったのは単純にヨーロッパのバッテリーが倍以上の容量があるのが影響している。
試乗したモデルはBBがテーパースクエア軸であったが、新型にはホローテックを採用しているらしい。
ただ、そのままシマノのクランクをポン付けすることは出来ないらしい。
ヤマハがコンセプトモデルを発表した時はディスクブレーキを採用していたが、コストの関係からかキャリパーブレーキに変更して発売されている。
コンポをR3000と紐式でいいからディスクブレーキにするべきだったと、キャリパーでも問題なく扱えていたが車重を考えるとディスクの方が性能はいいと思う。
案外乗り心地がよく、OEMのアルミフレーム(GIANT)であり、ホイールが32Hなのもあってか振動が気にならなく段差などでも強く突き上げてくる感じはなかった。
ただ、リアホイールは速度センサーをハブにつけているのでホイールを簡単に変更ができない。
パンクした際もセンサーの位置を正しく合わせないとアシストが上手く働かなくなってしまうらしい。
センサーによるホイールの抵抗は空転させても感じられなかった。
また、電動アシストとして認可を取るために『あまりカスタムが出来るような状態で販売していない』らしく
ボトルケージ穴がないことの原因がそれらしい。パーツを変えることが当たり前のこの業界でメーカーが出来ればしないで欲しい姿勢があるらしく
普通コンポが壊れればシマノに修理などを依頼するが、なぜかヤマハからパーツ送られるシステムになっているらしい。
メーカーページで“ドライブユニット”の保証が3年になっているがモーターユニットなのかコンポまで含めたユニットなのか疑問である。
(あくまでも店主さんがYAMAHAの方から聞いた話なので確証はありません。)
ちなみにボトルケージはミノウラのサドルにつけるタイプがオプションで公式に載っている。
が、もちろんこれを使うとボトルしか持てなくてサドルバッグで工具を持っていくことができない。
シートチューブにどこでもケージホルダーを取り付けたがバッテリーのせいで位置に制限が出来てしまって、ボトル口が干渉してしまったのでミニベロみたいにトップチューブに付けるのがいいですね。
サイズ展開が2サイズ(M 162cm~/XS 155cm~)しかなく、これで一応まかなえる範囲だと思っての2モデルだろう
ただ、フレームサイズ以上に気になるのが、日本人はQファクターが狭い方なのに自分ががに股でペダリングしていると思えるほどのQファクターの広さである。
ユニットのモーターが横に出ているためQファクターに制限が出来てしまっている。
アシストの有無関係なくペダリングは何百、千と回すものなので足が痛くなったりする原因になりかねない。
クランクを回しているときに、ペダリングを止めて再び踏むときに一瞬空転してカチッと噛みあってから回るのが仕様らしく
最初はなにか故障でもさせてしまったのではないかと大変焦った。
また、停車中に車体を前後に動かしているときにクランクが逆回転すると引っ掛かるような引きずる感じがある。
モニターはスイッチユニット側部の電源を押すか、一定時間走行も操作もしていないと切れるようになっているが
再起動したときにSTDモードからスタートするようになっており、いちいち変更する必要がある。
多機能表示では表示されていた項目を再表示される。
このモードリセットはYAMAHAのオートバイでも批評されていたのだが…
モニター、ケイデンス、パワー、オドメトリセンサーなどすべてバッテリーから取っているのでOFFモードで走行していても残量が減っていき思ったよりも消費する。
(OFFモードでの走行中で3%ほど減っていた)
バッテリー残量は店主さんがブログに乗せていたとき平坦メインで30km 常時STDモードで100→30%で、今回登りのみアシスト使って80→7%なので思ったよりも消費する印象を受ける。
ただ、平坦ではOFFで問題ないので登るところだけSTDでアシストをするように使えば、R50(岩舟→大洗)の平坦基調ややアップダウンがあるルートであれば100kmは持つかもしれない。
ほかの利用者ではバッグにサブバッテリーを背負って走って距離を伸ばすようにしているらしい。
また、オプションで大容量バッテリーが発売されないのは思ったより売れ行きがよろしくないから…?
日本ではスポーツサイクル=ロードバイクのイメージが大きいのか、ヤマハからはロードスタイルのE-Bikeを発売したが、ロードバイクを知っている人からしたら中途半端であり全く別物とも言える。
海外では主にMTBをモデルにしたものが多く、速度域も考えるとそちらの方が正しいと思える。
あとは値段が高い。スポーツに慣れていない人にも向けているということは初心者も想定していると思うが、ただでさえ自転車に十何万円!?と思われるのに24万円は買うのに勇気ではなくチャレンジ精神が必要になる値段。
同じ値段の105でアルミフレームならホイールを買い替えたり、装備一式まで揃えられると思うと…
モニター回り、専用のマウントになっておりハンドル上になっているがハンドル前に出せれば見やすさも見た目もよくなると思う。
スイッチもステムでは操作がしにくい、モードチェンジや表示を頻繁に変えることはないが、この位置では走行中の操作はやや使いにくい。
クランク、モーターユニットは存在感はあるがそこまで野暮ったい印象はない。
PCD110なのでチェーンリングの交換をすることは可能である。もちろんクランクアームも交換可能
バッテリーについている丸いボタンを押すとバッテリー残量が確認できる。
わかりにくいが左から1~4で青いランプが1のところでついている。
ケーブル関係は全て内蔵、トップチューブを通るようになっているのでFDはMTBと同じく上引き、RDもシートチューブに外装ワイヤーが通っている。
ディスクロード同様にE-Bike初期なので粗が目立つ、世界的にも過渡期であると思うのでこれからの進展次第であると思う。
また、規定などを緩和して性能向上できないと発展も難しいかもしれない。
松井輪業さんのブログでも試乗感想の記事があがっています。店主さんの補足説明もあるのでわかりやすいです。
・その1
http://cc9.easymyweb.jp/member/matsui-cycle/default.asp?c_id=128659・その2
http://cc9.easymyweb.jp/member/matsui-cycle/default.asp?c_id=128667・その3
http://cc9.easymyweb.jp/member/matsui-cycle/default.asp?c_id=128681価格評価→★★☆☆☆(ママチャリの価格から考えれば適正かもしれないが、高い)
評 価→★★☆☆☆(アシストが思ったのと違った)
<オプション>
年 式→ 2016年らしい
カタログ重量→ 15.2kg