購入価格 ¥8,983(amazon)
「いつかやってやろう。」
と思っていたエンジン用ケミカルの自転車への転用。
樹脂パーツへの攻撃性が未知数の為今まで見送ってきましたが、樹脂パーツOKの面白そうなケミカルをついに見つけてしまったので早速人柱になってみました。ケミカルの名前は、 Super Zoil ECO for 4cycle。エンジンオイルやミッションオイルに5%添加すると熱と摩擦による化学反応で金属表面をなめらかな状態に改質し、オイル潤滑に最適な状態を生み出すというコンセプトの商品です。
この商品を知った時に色々調べてみると、
・塩素系の成分や有機溶剤を含まない為パッキン類を侵さない。
・とあるバイク乗りが Super Zoil をエンジンやギヤケースに使用後、容器の内壁に付着して残った余りをチェーンやクラッチワイヤやサスペンションフォーク等、色々な可動部に指で塗ったら動きが滑らかになった。
という話を目にして自転車への使用を決断。
なお、4ストロークエンジン用 Super Zoil シリーズには、 Super Zoil と Super Zoil ECO の2種類があります。Super Zoil ECOはエコカー用という訳でなく、普通の Super Zoil より2倍濃いので Super Zoil の半分の量で同じ効果が得られてしかもお値段控目なので財布にやさしいですよ、という意味だそうです。
~参考 使用時の添加量~
===================
Super Zoil ⇒オイルに10%添加
Super Zoil ECO ⇒オイルに5%添加
===================
ちなみに、入れ過ぎても効果は同じで悪影響等は一切無いが、高価なケミカルなのでもったいない。開封後は2年以内に使って欲しい。(メーカー談。) だそうです。なので、自転車のみへの使用が目的であれば、普通の Super Zoil の100ml用が2,600円(公式HPの税抜き定価)で販売されており、他にスプレータイプもあったりするのでこちらの方が手頃かと思います。私はAmazonで入手。実店舗ではカー用品店かバイク用品店に置いてます。(無い場合もありますが…。) 私は元々クルマに使うつもりで買ったので Super Zoil ECO の 450mlを選択しています。
【やり方】
せっかくなので、駆動系を灯油等で徹底洗浄。
ベースオイルはいつもの
AZ 極圧・水置換スプレー 420ml 浸透防錆潤滑
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=12335&forum=83を塗布し、クランクを回してオイルを馴染ませ、ウエスで軽く拭き取った。これで下準備は完了。そして、 Super Zoil ECOを、そこら辺にあったヘックスレンチを筆代わりにしてチェーンの各コマにちょんちょんと塗布。
Super Zoil ECO の見た目は普通の鉱物油。粘度はしっかりありますがチェーンのコマには普通に染み込みます。使用した量は多分0.5cc~0.8ccぐらい。本来ならエンジンオイルやミッションオイルに5%入ってれば効果は十分らしいのでまぁこんなもんでしょう。(テキトーw)
施工するチェーンはシマノのCN-HG900-11。Super Zoil シリーズは鉄系の金属表面にしか作用しないらしいので、シマノのチェーンであればSIL-TECやメッキ等のコーティングが剥がれてくる頃合いに Super Zoil を使用するとタイミング的に丁度いいと思います。
あと、偶然にも Shimalin RR500
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10534&forum=30のフリーから異音が出ていたので
デュラエースグリース
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=2419&forum=83で普通にグリスアップした後、各ベアリングに Super Zoil ECO を2~3滴ぐらい垂らしておいた。
グリスを馴染ませる目的で自転車を逆さにしてホイールを軽く回してたら、途中からヴォオーンという凄みの効いた聞いた事のない重低音に変わった。一応ホイールを一旦外して軸等を回して確認しましたが異常無し。どうやら、カップコーンベアリングに掛かっているプレロード圧でも Super Zoil ECO は作用してしまうようだ。フリーもやたらと静かになりましたが、これはデュラグリースが行き渡った時の音と同じだったので Super Zoil ECO の効果ではないと思います。(ラッチェットの爪の先とかには効くかもしれませんが。)
チェーンについてこの時点で特に変わった点は無し。
【 Day 1 プチ山岳 50km】
1日目です。
走り出してすぐは...割といつも通り。チェーンには普段より粘度の高いオイル(Super Zoil ECO)が普段より多めに付いている状態なのでペダリングの感触も、「チェーンのオイルアップの後の拭き取りが甘かったかな~。」程度で、フツーの感触の範疇です。色々なギヤにシフトしてオイルを行き渡らせつつ、軽い登坂を交えながら駆動系に負荷を与えてもやっぱりフツー。「何やこんなもんか...。」と、そのまま10~15kmぐらい走った頃でしょうか。5%ぐらいの坂を登坂中に向かい風が吹いてきたので、シッティングからダンシングに移行して強くペダルを踏んだら、
ぬるんっ。
と、いつもと違う感触に変ってきている事に気付きました。ペダルが随分アッサリと下がります。駆動系徹底洗浄してチェーンオイルを多めに塗布した程度ではありえない軽さです。ギヤで言うと踏んだ瞬間だけ2~3枚ぐらいは軽いでしょうか。平地に戻ってシッティングを開始すると、ほぼいつもの感触に戻ります。どうやら、平地ではあまり変化が感じにくく、チェーンに高負荷が掛かった時に効果が顕著に表れるようだ。言い換えると、踏み込んだだけ増えるはずの摩擦損失が以前に比べて増えにくいので軽く感じるという表現が一番合っているように感じます。
ハブの方はというと、前記の通りフリーが静かになったぐらいで特に効果は感じられず。ベアリングのプレロード圧とフリーの接触式シールの抵抗 (※R500ハブはかなり硬いです。) の影響が大き過ぎて良く分からんのだと思います。
初日の汚れの付き方はいつものエーゼットと大して変わらない印象で、急激にチェーンが黒くなるという事はありませんでした。
2回目の走行は1週間後。
【 Day 2 プチ山岳 50km】
1週間経ちました。
この日は走り出してすぐからもう既にペダルが軽い。走っている間に、更にもう少しだけペダルが軽くなった気がする。脚のダメージが大幅に減って物足りないので明日も同じコースを走る事に。
【 Day 3 プチ山岳 50km】
次の日です。
ペダリングの感触は Day 2 と大差なし。どうやら Super Zoil ECO がそこそこ馴染んだらしい。チェーンも黒くなり始めました。この時点での汚れの付き具合は、いつもと同じかちょっと汚れるのが早いかな~という印象。少し早い気もしたが、表面改質効果も確かめたいのでチェーンをメンテしてみる事に。
【Day 3.5 メンテ日】
チェーンをパーツクリーナで脱脂洗浄し、AZ 極圧・水置換スプレー 420ml 浸透防錆潤滑を塗布。Super Zoil ECO は足しません。もし表面改質がキチンと出来ていれば、ペダリングはいつもより軽いはずと期待。
【 Day 4 プチ山岳ロング版 65km】
前回の1週間後です。
Day 3のような漕ぎ出しの軽さは無いので、あの軽さは単に Super Zoil ECO の粘度とオイルの塗布量の多さから来ていただけだったらしい。しかし、踏み込んだ時だけ妙に軽いという感触は少し弱くなったものの健在。いつもの坂で敢えて1~2枚重いギヤにシフトしてダンシングするといつもと同じように走っているのにスルスル自転車が登るのでとても楽しいです。
という訳で Super Zoil ECO を脱脂しても効果が持続するというのは本当の様です。
【まとめ】
表面改質効果の持続性と部品寿命を3倍に伸ばすという謳い文句に関したはまだ未知数ですが、
・表面改質によって潤滑剤が働きやすくするケミカル。
・ヒルクライムやレース等、高負荷時に真の効果を発揮する。
・踏み込んだ際に増えるはずの摩擦損失が増えないので結果として軽く感じる。
・普通に考えるとかなり高価なケミカルだが、1回の使用量は少なく、費用対効果もある。
・いつものチェーンオイルと混ぜて薄めて使える。(もちろん原液のままでの使用もOK。)
・表面改質の効果が現れるまでそれなりに負荷を掛けながら走ってやる必要があるため、お手軽度は劣る。
・Super Zoil ECO の成分を脱脂洗浄しても、表面改質効果によってある程度 Super Zoil のメリットが持続する。
・余ったらクルマやバイク(単車)にも使える。←※本来の使い方w
という事が実感として得られました。私の中ではかなり新感覚のケミカルです。
Super Zoil には油膜を切らしにくくする効果もあるらしいので、
もしかしたらオイル切れを起こすような長距離ロングライド等でも効果があるかもしれません。
今の私には当分試す機会は無さげですが…。OTL
価格評価→★★☆☆☆(フツーの Super Zoil を100mlなら★4ぐらい。)
評 価→★★★★★(値段は高いですが、ちゃんと効果はありました。)
<オプション>
~おまけ~
車 スズキ ジムニー
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9722&forum=105の駆動系全般(トランスミッション、トランスファー、前後ディファレンシャルギヤ)にも Super Zoil ECO をくれてやりました。
※本レビュー投稿時点ではエンジン本体は別のケミカルを投入して洗浄中のため、まだ Super Zoil ECO を使用していません。
今までギヤ鳴りが酷かったのが一転して静かになり、ギヤをニュートラルにした状態での坂下りが明らかに速くなりました。クルマでも効果が完全に現れるまでしばらく時間がかかりましたが、最終的にはちゃんと効果が確認出来ました。やはり Super Zoil は効果が出るまで負荷を掛けて馴染ませる必要があるようだ。でも、効果は確かです。