購入価格:¥1,836 (@ amazon.co.jp)
Pedro’sから出ているチェーンクリーナー。同社のChain Pig向けに配合されたディグリーザーだそうで、内容量は475ml(約1パイント)、Chain Pigで1回チェーン洗浄を行うと必要なディグリーザーの量は1oz(約30ml)なので、単純計算でおよそ16回分。1回あたり112.5円になりますがこれを高いと見るか、安いと見るか、そこで評価が分かれるでしょう。成分的には柑橘系オイルをベースに持つオレンジピールズやディグリーザーよりも洗浄力を落としてあるかわりに、カーボンを含む樹脂やペイントへの攻撃性も低く生分解性である、というのがPedro’sの主張。まあオイルを含んだ廃液を流してしまうと言うのは何となく後ろめたい気がするもんですが、洗浄剤自体は植物由来成分・有機溶剤フリーで排水溝や下水に流れ込んでも害が少ない、というのは少しだけ気分が楽です。
まずにおいや肌への刺激などから。
溶剤やアルコール系の刺激臭は全くありません。香料も加えていないようでかすかにヤシ油っぽい、香料の入っていないノンシリコンシャンプーみたいなにおいがします。シトラスクリーナーや有機溶剤ベースのディグリーザー、パーツあるいはブレーキクリーナーに使うIPAのように、長時間室内で嗅いでいると気分が悪くなるというような事はないでしょう。チェーンオイルやグリスを落すことを目的に作られた洗剤ですから脱脂効果は十分です。なので、素手のまま長時間ベタベタ触ると脂が落ちてガサガサに干上がってしまうのは溶剤・アルコール系と大差ありませんが、揮発性ではないので触ったそばから手指が白くなることもありません。床のワックスや衣服の染料は攻撃してしまうでしょうから、屋外で洗車のついでにでも使うのが一番いい気がします。屋内で使う場合は新聞紙やビニールシートによる床やカーペットの養生が不可欠です。オイルが溶け出した洗浄液がカーペットやラグにかかるととても厄介、というか完全には落せなくなります。
実際にChain Pigと併用すると、チェーンの洗浄程度には十分な洗浄脱脂効果があると思います。
洗浄前 → 洗浄後
→
…すみません、元からチェーンが黒いので全然わかんないっすねw オイリーな感じが抜けているのは伝わるでしょうか?
無色透明な液体なので、チェーンから落ちたオイルや泥を含んだ汚れが一目で判別できます。
洗浄効果はバッチリなので、使えばチェーンはほぼ完全にクリーンな状態にできます。しつこい泡立ちもなく、洗浄後のチェーンは軽い水洗いと乾拭きだけで綺麗になるので仕上げに水置換性のあるルブを吹いておけば作業完了、慣れると開始から5分そこそこで済んでしまいます。
ただ、これを毎回再注油前にやる必要があるかというと、余程砂などを噛みこんでジャリジャリしていない限りないのでは、という気がしています。私のように舗装路しか走らず雨天走行もしない場合、再注油時クリーニング効果もある最近のチェーンルブを500〜1,000kmで注油しておけば大体綺麗に保てるので、ディグリーザーを使った徹底洗浄は2~3回に1度でもいいか、と思っています。チェーン寿命が3,000~5,000kmとすればそれこそ2~3回で十分でしょう。年間走行距離1万そこそこの人ならこのボトル1本で数年は保つ量になります。
フィルタークリーナーや灯油のような有機溶剤を使えば汚れが簡単に落ちるのは当然ですが、何も考えず廃液を流しや排水溝に捨てるのは許されない所業。使ったら責任を持って産廃業者に廃液処理を依頼するか、可能な自治体では固化させたり吸着させたりして燃えるゴミとして処理しなければなりません。この手の処理は面倒ですしコストも安くありませんが、個人だから、少量だから、と自己中な判断でそのまま排水溝へドバーッなどという行為は許されません。イヤなら生分解性で環境負荷の低いこういうディグリーザーを使いましょう、ということですね。
価格評価→★★★☆☆(AZの植物性ディグリーザーはこの半分)
評 価→★★★★☆(洗浄効果はバッチリ、臭いや無駄な泡立ちもなく簡単な水洗いだけでスパッと流れ落ちる)
<オプション>
年 式→ 2016
カタログ容量→ 16oz (475ml)