3月上旬の週末、茨城県の加波山・筑波山系の一本杉峠を西側から登坂しました。
この辺り→
https://goo.gl/maps/XFTRaA7kY6C2筑波鉄道の廃線跡に整備されたつくばりんりんロード(茨城県道501号桜川土浦自転車道線)の旧真壁駅の休憩所の駐車場にクルマを停め、6時過ぎに走り始めます。3月とはいえ、冷えます。
真壁休憩所からスタート
何とか迷わずに峠に至る県道218号線に乗ってしばらく上ると、
「この先、通行不能」
の表示が出現。
うす暗い画像でスミマセン
「通行止」とか「通行禁止」ではなく、「通行不能」。どこかで大崩落しているのでしょうか?
次に現れた風景。廃墟感に溢れていますが、二輪のオフロード・パークでした。
不気味な感じ・・・
この道は県道218号、というわけで県道ではありますが、完全に林道の風味。
序盤は普通にいい感じだったが・・・
最初は普通の道でしたが、やがて、雨で削られた部分が現れました。深く削れた部分も見られますが、まだ走れます。しかしこれがこの後の惨状の伏線だったとは。
少し怪しくなってきたが・・・
採石場を過ぎて、やや程度の悪い林道という感じの道が続くなあ、と思った6時42分。水が流れていてひどいガレ場。この辺りから峠まで、ほとんど押しとなります。
この先、渓流?
そして・・・
この風景が飛び込んできます。
え゙え゙ーっ??(と思いつつ突破して撮影)
急転直下に目を疑います。法面崩落とかならまだわかりますが、狙い撃ちするかのような強烈な浸食風景。まさかの担ぎが入ります。こんなところで渓流渡渉か?とまでは言いませんが。ここまでひどいと普通のMTBシューズは歩きにくいことこの上なし、です。トレッキングシューズでハイキングということならば難しさなど全く無いコースですが、足元がMTBシューズで、しかもMTBを担いで、となると、難易度が一気に高まります。なるほど、これなら大半の四輪は「通行不能」ですねぇ。
完全に流れてしまった場所が3か所ほど。時間で追うと、6時42分の第一関門、7時3分の第二関門、7時11分の第三関門。何とか石の上を伝わって突破しようとしますが・・・ア゙ア゙ーッ!
第二、第三関門・・・
モー、SIDIのMTBシューズ、最低!って、こんなところを歩くには不向きというだけの話。ちょっと途方に暮れかけましたが、この程度で負けるわけにはいかない!(?)
すると、7時14分。洗濯機の不法投棄を発見。ここまで投棄ゼロでしたが、ついに出現! 峠はすぐそこに違いない。単車線舗装路の峠では残念ながらおなじみの不法投棄。この残念な光景に遭遇し、安心感を覚えるという、何とも複雑な心境を味わいつつ、押します。
7時26分、ついに一本杉峠に出ました。見慣れた風景がそこにはありました。鞍部は普通の舗装路。この峠が舗装林道の「北筑波稜線林道」と同じく「丸山線林道」の結節点。
ヤレヤレ・・・
そして、いま這い上がってきた廃道っぽい道(というか廃道)が県道218号。振り向けばやっぱり、「通行不能」の表示が。
パッと見、下って行けそう・・・
ここまで僅か5、6キロを、まさかの1時間20分。手ぶらで歩いたほうが早かった・・・。
SIDIのMTBシューズは土と小石が詰まってこの有様。
シマノのSPDは元々、泥捌けのよいペダルシステム、という売りだったのですが、MTBerは知っています。石ころや木の切れ端がクリートとシューズの間に嵌って、時にはクリートがペダルとバインドできなくなることを(笑)。
割りばしが路肩に捨ててあったので、それでシューズの詰まり物を掘り出しました。ゴミに助けられるとは。
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ここからしばらく舗装林道伝いにこの山系稜線を南進します。この道は過去、何度か走っています。近年では真壁町(現・桜川市)のサイクリングイベントで使われたりする、なかなかよろしい道でもあります。
過去レビュー→
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=5018&forum=124&post_id=8099#forumpost8099登山道への進入禁止の立て札が地権者により設置されていました。
この林道ではオフロード系の二輪も見かけますが、二輪関係のトラブルが多いのかな?しかし、さすがにこの時間では、まだ二輪の皆さんは始動していないようで・・・というかクルマも通りません。完全貸切。
激坂の脇道を200mほど登坂して足尾神社に立ち寄ります。2007年にこの辺りを歩いて縦走した時以来。足の病を治す神様が祭られているそうな。
鳥居のすぐ後ろの小さい建物には使い古しの履物が20足ほど奉納されています。履物は誰彼となく奉納し、神社側で定期的に回収しているのでしょうか。
パラグライダー・ハンググライダーの発射台からの眺望。霞ヶ浦と太平洋が見えます。8時頃の様子ですが、風景が大きく動く朝夕の眺めは面白いですね。
こちらは道路を挟んで反対側の発射台
もう少し走ると現れる別の発射台の脇の林道・端上線を下ります。最初だけ舗装路ですぐにダートになりました。私にとってはちょうどよい荒れ具合でいい気分。
サイコー
すると、男性が自転車を押して上ってきました。若いころから二輪に乗っていて、30年ほど前から自転車にも乗っているという60歳間近という、この方。自転車が、YETIのダウンヒルマシンだったのですが、その男性はやや小柄で、マシンに負けない位の精悍な体躯をスポーツデポあたりで売られているような平凡なジャージ上下に隠しており、いかにも地元の屈強ライダーという感じの方でした。というわけでこの辺りの道路事情にとても詳しく、私が一本杉峠に至る道の話をしたところ、
「あー、あそこはねぇ~(笑)。ほかにもすごいところがあるんですよ・・・(後略)」
この林道を下りきったあたりで、その人がYETIを運んできたと思われるクルマが停められていました。クルマ自体はごく普通の国産小型ミニバンでしたが、イタリア某社のホイールを履いているし、YETIの立派なステッカーと、何故かフロリダの自転車店のURLステッカーが貼ってあったり、と、特異なオーラを放っていました。(余談)
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6時過ぎの出発で9時前に帰還。3時間弱で21kmしか走っていませんが、なかなか面白い、というかヘンな度胸がついたサイクリングでした。あとで調べたところ県道218号の西側は、かなり以前からひどい状況だったようで。。。対する東側はまだマシらしく、いくつか実走文献が発見されました。事前にもう少し調べておけば行かなかったかも。
■■ データ ■■
未舗装率 : 50%程度か?
コース乗車率 : 峠までの未舗装路登坂部分で30%程度
体力度 : 〇〇
危険度 : 〇〇〇
熊よけ鈴 : なし
※山ガイド本に倣い難易度を次のように示します。
〇1つ・・・初心者レベル/2つ・・・中級者レベル/3つ・・・上級者レベル(単独行はやめた方が無難)
評 価→★★★☆☆(県道218西側はやめた方が無難)
年 式→2017