購入価格: $45 (@ Universal Cycles、送料別)
もう5年も前になりますが、CAAD10をフレームセットで購入した時付属していたTANGE製のヘッドセットから交換する為に購入しました。CAAD10のヘッドチューブはインテグレーテッド規格で、上はカンパ互換(IS42)の1-1/8インチ、下は1-1/4インチの上下異径。付属ベアリングの品質が気に食わなかったとかではなく、キリンのごとくスタックの高いベアリングカバー(確か30mmだった)しか付いてなくてポジションが出せないがゆえの買い替えでした。短いカバーは、FSAのOrbit CF用(8.7mm)など簡単に手に入るものもありましたが単品だと割高感が強く、比較的安価で評判も良かったCane Creek 40を丸ごと買って移植することにしたのでした。ちなみにCane CreekのIS42は今でも簡単に手に入りますが、FSA Orbit CFはもう廃盤になったのかちょっと手に入りにくくなっているようです。下側のベアリングは1-1/4インチなので、別途同等グレードの酸化処理されたものを買い求めました(確か$30位)。現在は上下セット毎にバラ売りもされていますから、わざわざ買い増す必要は無いでしょう。
40グレードのIS42互換ヘッドセットには4種類あります。ベアリングカバー(コーンスペーサー)の素材が2種類、カーボンとアルミ合金製、そしてそれぞれにShort(9mm)とTall(15mm)の計4種。カンパのHiddensetはTallとShortで価格が違いましたが、Cane Creekは共通。私が最初に選択したのはアルミカバーのShortでした。カバーの上端、スペーサーと接する面には同社のInterlok用の溝が彫られていて、組み合わせると自動的にピッチリツライチになる機能付き。オリジナルのステムキャップはちょっと重くてゴツいですが、質感と精度はなかなかです。
Cane Creekの40以上のグレードに共通しているのがシール性能の高さ。ベアリング自体のシールもしっかりしていますが、クラウンレースやカバーにも立派なリップシールが付いています。写真には写っていませんが、ベアリングカバーの下にもリップシールが入っていて、これがカバー内に彫られた溝へコンプレッションリングとともにパチンとスナップフィットする構造になっています。Chris KingのGrip Lockと全く同じ構造…どっちが先に出したのかってのはこの際それはどうでもいいでしょう。いずれにしてもこのシールのフィットが絶妙で、回転の邪魔をすることなくきっちりとベアリングを覆い守ってくれます。これと並ぶシール性能を持っているのはやっぱりChris King位だと思います。
さて、乗せ換えたベアリングが5年後どうなっていたかというと…
フレームを手放す際ヘッドセットは未使用の純正品に戻したのでこうして手元に残っているんですが、非常に優秀ですね。結局カバーはもっと下げたくて一旦カンパのHiddenset(ベアリングとコンプレッションリングは専用なので丸ごと交換)→2ヶ月位でveloflyteの極薄カバーに換えて限界までハンドル高を落としましたが、それ以外は40に戻してそのままずっと使い続けました。クラウンレースは1-1/4インチ用のアルミ製で、このレビューのIS42のものとは異なりますが1-1/8インチ用も素材が違う(鉄製)だけで構造はまったく同じです。クラウンレースプラーで外す際に少々傷が入りましたが、レース側はまったく無傷でシールも綺麗に残っています。特に気に入ったのがベアリングレースの耐久性。綺麗に酸化処理されたレースには錆がまったく浮きません。シールこじ開けて中のグリス補充したりはしませんでしたが、もちろんゴリや虫食いもありません。土砂降りの雨の中を走ったり高圧洗浄機の水をぶっかけたりはしなかったので、メンテといえば偶々雨に降られた後と年に1度の完全バラしオーバーホールでフォークを引っこ抜く時の掃除とグリス盛りだけでした。砂埃を落して古いグリスを拭いて脱脂、外側に新しいグリスを薄く塗り直しただけで完全にトラブルフリーでした。他社のスチールベアリングでこういう使い方をすると大抵レースに錆が浮くものですが、40の耐候性はなかなかのものでした。シクロクロスやMTBで使うとか、天気関係無く使われてメンテの手もあまりかけてもらえない通勤車など条件が過酷なら総ステンレススチール製ベアリングの110の方がいいかもしれませんが、通常はこちらでも十分じゃないかと思います。
Shortの実測重量は、ステムキャップ(9g)・ボルト・スターファングルナットを除いて68g。下側ベアリングを1-1/4インチにすると+4gになります。意外とさが小さいのは、鉄製クラウンレースがアルミ製に変わるから。それとUDカーボンカバーを備えたバージョンは約$20高くなりますが、重量差は無いも同然です…なので軽量化目的で買うとガッカリさせられるでしょう。しかしUDカーボン製カバーが付いているアフターマーケット品は多分これだけなので、デザイン優先で買うなら大いにアリですね…
こちらが40のカーボンカバー。
フレームとマッチさせる為軽くウェットサンディングかけてロゴを落し、マットクリアーで仕上げてあります。やはりノッポのカバーしか付いていなかった中古のBMC SLRの上側用に改めて購入しました。アルミ製カバーとデザインは同じでシールやコンプレッションリングの構造なども共通、性能差は全くないと思われますが、しいて違いを挙げるとカーボンカバーにはInterlok用の溝がありません。Interlokスペーサーの出来はかなりいいらしいので、ステム下にスペーサーを入れる方はアルミカバーの方を選んだ方がいいかもしれませんね。あと、アルミ/カーボン製共にIS41と42共用となっているそうです。
価格評価→★★★★☆(110と比べると大分お求めやすい)
評 価→★★★★★(もうFSAには戻りたくありません)
年 式→
カタログ重量→ 72g (実測重量 68g、ステムキャップ含まず)