購入価格 ¥241500(税込定価)
・年式は2012年、いわゆる「無印Infinito」です
アセンブリは5700系105、クランクのみFSAのゴッサマーグレード、Infinitoでは一番廉価なセットでした。
・無印Infinito、初代Infinitoとも。
2010年に登場し、2014年にInfinitoCVにモデルチェンジされるまで、Bianchiのロングライド、エンデュランス系モデルのフラッグシップを担っていたモデルです。
実際、09年にあのクリス・フルームも所属していたバルロワールドにも供給され、ジロ・デ・イタリアの第7ステージではロバート・ハンターが2位に入賞してたりする、なかなか実績もあるフレームです。
フレーム自体もパサルトファイバーを使ったバックフォークや、異なった3種類のカーボンファイバーを配置したフロントフォークなど、非常に手の込んだ作りだとか。
BBはコンベンショナルなJISのスレッデッドBB68mm
ヘッドパーツは1-1/8インチオーバーサイズでIS規格。
ワイヤーはシフト・ブレーキ共にインナールーティングですが、ワイヤーの入り口出口にはきちんとアウター受けが取り外せるようになっていて、作りの精度も良く、整備性も良好。
なかなか整備してると考えられてるなあという感想を抱く、扱いやすいフレームです。
・で、実際の走らせてみた感想ですが……恐ろしく柔らかいフレームです。
何だこりゃ!ってくらい柔らかい、剛性感とは対極にあるような、まるでこんにゃくのようなフレーム。
振動吸収性に優れた……とは言われてますが、実際にはよく吸収してくれて乗り心地が良い!という感じではなく、ロードインフォメーションは結構伝えてくれます。
ただ、ドン!とくるような一定以上の衝撃は、ある程度いなしてくれるスムースさと言う感じでしょうか。
路面追従性はいいです、タイヤがきっちりアスファルトを掴んでくれる感じ。
しかし、まー、とにかく、びっくりするくらい柔らかい、このフレームより柔らかいフレームってあるのか?ってくらい、とんでもなく柔らかい。
以前、オーバーホールでBBを外してもらう作業をしてもらったのですが、BBカップに工具を立ててトルクをかけると、フレームが「く」の字型に変形します (当然トルクを抜くと戻りますが)
目視でわかるレベルに変形するので「自転車壊れるんじゃないか!?」ってくらいです。
当然、相当に柔らかいフレームなので、ビックトルクで踏み倒すライダーには不向きなフレームですし、ペダリングがあまりお上手ではない人にも「進まない!」という感想を持つ方も多いんじゃないかなと推測されます。
がむしゃらにもがいても、フレームが変形するだけで、推進力にならない、力が逃げてしまう。
正解は、パワーよりも適切なギアを選んで、ややハイケイデンスでスイスイ走る。
ペダリングもきちんとペダルを真上から踏む、力を抜く、力を入れる、と丁寧に回してやると、もともと軽量なフレームというのもあって、あらゆるシチュエーションで滑走するように心地よく走ってくれます。
エンデュランス向けモデルというのもあって、比較的初級者が手を出すことも多かったモデルですが、そういった部分もあって、このフレームを速く走らせるのにはちょっとしたコツ(スキル)が必要で、どっちかといえば上級者向けのモデルと言えました。
特にこのInfinitoで峠の下りをハイスピードで下るには、かなりのテクニックが必要で、ハイスピードでステアした時にフレームの変形が大きく、ハンドルだけで曲がろうとすると、酷いアンダーステアに見舞われ、アスファルト外側のガレ場に追いやられてスリップしたり、ガードレールにヒッティングしたりと痛い目にあいます。
かと言って、下りヘアピンの進入で高速ハードブレーキングをすると、体感でわかるくらいフレームが歪むのがわかり、不思議な感覚にもなります。
きちんと、ブレーキング時には腰を引いて、ヘッドに体重をかけ過ぎないように減速、カーブでは外足荷重に姿勢を取り、イン側に自転車を倒しこむように荷重移動。 ステア中も自転車の中心を意識して、タイヤを面でグリップをとるように曲げてやると、見違えるように、高速で、破綻なく、綺麗に曲がってくれます。
ただ柔らかいだけでなく、芯が通った一貫性のあるフレームなので、走りに破綻がないんですね。
個人的な意見を言わせてもらえば、このフレームで「走らない!」っていう感想を抱いたなら 「あなたのライディングスキルを見つめなおしてみた方がいい」 と思います。
・BianchiでもC2Cカテゴリというのもあって、当然ロングライド向けのモデルですが、どっちかといえば平地向けのモデルで、レースというよりも、長距離のファストラン、ブルベなんかが似合う自転車じゃないかなと思います。
走ってみた感じ、ヒルクライムや伊豆半島外周のようなリズムの変わりやすいアップダウンは不得手かな。
ただっぴろい平地をややハイケイデンスで淡々と滑走していくのが得意なシチュエーションと言えそうです。
価格評価→★★★★☆(年を追うごとに安くなりました)
評 価→★★★★★(普通に良いです、良い物です)
<オプション>
年 式→2012
カタログ重量→ 8500g(実測重量は未計測)
備考:自分の買った2012年モデルは一部にヘッドチューブに不良があり、圧入されてるワンが動いてしまい、フォークにガタが出てしまう製造不良がありました。
自分のInfinitoもそうで、買って2週間ほどでフレーム交換の対応になりましたし、自分の知り合いも同じ年式、同じモデルで全く同じトラブルになり、やはり無償対応になってました。
廃盤になって久しいモデルなので、今からでは無償対応は難しいと思いますが、同じ年式の方はハンドルのガタをチェックしてみてもいいかもしれません。