購入価格 £25.82 (@ wiggle)
プレスフィットの一種、BB86規格を採用するフレームにUltra Torqueクランクを装着する際必要になるベアリングアダプターカップです。プレスフィット系だと他にもPF30やBB30、BBRight、BB386用アダプターカップが用意されているようです。
BB30用カップはすでにレビューがありますね。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9407&forum=37このカップが使えるのはUltra Torqueのみで、Power Torque及びOver Torque規格のクランクには適合しません。ややこしいですがPTやOTにはそれぞれ専用品があります。BBスピンドル径やカップ外径、クランクのシステムで適合するアダプターが変わってくるので、注意しましょう。
BB86はもともとShimanoのHollowtec IIのBBをそのままプレスフィットに仕立て直して設計された規格なのでそちらの方が相性がいいのでしょうが、このアダプターカップを使えばコンバートできます…といいますか、BB86フレームでカンパUTクランクを使いたければこれとCeramicspeed、Praxisのように左右カップがネジ結合するTriPeak位しか選択肢がなさそうな状況です。CULTベアリングからCeramicspeedへわざわざ乗り換える意味はほとんどないでしょうし、TriPeakはカップのフランジが薄くて工具かけて回すのが不安な感じだったため、無難にカンパの純正アダプターを使うことにしました。上の装着例はBMC SLR01で、Loctiteは使わずシールリング保護のためごく薄くテフロングリスを塗っただけで圧入しましたが、今のところは何も問題なく使えています。強いてこのカップの問題をあげるとしたら、というよりもUTクランクとBB86の相性の問題になりますが、Qファクターがかなり狭いのでフレームによってはチェーンステイとアームの隙間がかなり狭く際どくなってしまう場合もあるかもしれない、ってこと位でしょうか。異音などのリスクはPF30などと大差ないものと思われます。
実測重量はリテーナークリップとウェーブワッシャー込みで39g。同じ品番IC15-RE41でも製造時期によって圧入面にラバーのシールリングが入っているものと何もないものがあります。前者の方が新しいのですが、これは振動でカップが抜け落ちてくるのを防ぐのと砂などの異物混入を防ぐ意図があって施された対策だと思われます。後々交換するのは面倒ですから、購入する際に確認しておきたいところです。圧入時このシールリングは結構な抵抗になるので、きちんとしたベアリングプレスを使って作業するのが望ましいでしょう。純正工具としてはUT-BB140がありますが、ベアリング外径37mm(例えば6805)に合うコレットを用意すれば他社のプレスでも大丈夫です。
EPSを使う場合はケーブルを保護するためのCable Guideというインナースリーブが必要になるのですが、これは別売りで…EPSを使う予定はありませんが、一応手に入れておくことにしました。しかしただのプラスチックの筒が千円以上するのは如何なものか。
一応Recordグレードのオプションパーツということで品番にREが入ってますが、Super Recordに相当するSRやChorusに相当するCHは用意されていません。UTクランク側での違いというとスピンドル寸法などの設計は共通でベアリングの種類が変わってくるわけですが、BSAやITAなどのネジ切りBBカップと同様このカップではUSB以下のグレードが想定されているのでインナーシールが装着されています。CULTベアリングはロードで使う限りインナーシール不要のはずなので、私は自己責任でですが外して使っています。このシールはハブ同様ただのスナップフィットなので指かマイナスドライバーを引っ掛けて軽く引っ張ってやれば簡単に脱着できます。
価格評価→★★★☆☆(wiggle価格でこんなもんでしょう。ただのアルミカップなのに国内での販売価格は¥6,000近くもします…)
評 価→★★★★☆(精度は良く、仕事はきっちりこなしてくれます)
年 式→2015
カタログ重量→29g(実測重量 39g+EPS用ケーブルガイド6g)