購入価格 ¥240,000程度(2010年)
2010年、鳴者入りで登場したカーボンメラク。
キングは中国製造になってもセカンドグレードに落ちぶれさせて継続していますが、メラクのネームは
これ以降使っていません。やはり特別扱いなのでしょうか。
イタリア製造時代のISPモデル、ブラック(クリア塗装+パイピング)のレビューになります。
<質感や造りなど>
ぱっと見は非常に綺麗です。でもすごく雑です。これにつきる。
ISPの積層は浮いてて指で凹むし、塗装も明らかに浮いててバリバリ剥がれる。ピンストライプは
思い切り斜めになっている。ISPのヤグラはきつすぎて入らない(フレームを削って対処しました)。
極めつけはマスキングに使った新聞紙が貼られたまま残っている。イタリア製であるという証ですが。
フレームの中にもゴミが一杯。
エンドも適当な付き方をしているので擦り合わせが必要。
もう欝になって死にたくなるくらいステキ。
<インプレ>
コンポとか車輪とか無視して純粋にフレームのインプレです。
縦横に硬い古典的な剛性感を持ったフレームです。BB周りはぶっといわりに少しマイルド。
ひょこっとして腰砕けな感じです。
BBはBB30なんですが、FSAのスリーブを突っ込んだ方がフィーリングが良くなるというある選手の話を見て
実行したら、確かに改善して扱いやすくなりました。
独特なキャラクターを持ったフレームで、軽いのに重厚、直進安定性が高い。反応が素晴らしいです。
薄作りのハイモジュラス使用らしい張りもあります。
重厚なのは縦横の剛性のおかげで、直進安定性はデローザ独特のものですね。コルナゴとは異なる感触です。
反応はリアセクションの強さから来ています。リアセクションがものすごく太く高剛性なので突き上げは
強いですが、身体にかかるダメージはあまりありません。このあたりは良いカーボンを使用しているおかげかも。
サイズによって若干違いがあり、トップ525サイズだと非常にマイルドでバランスがよく、私が使っている
535だと剛性が高くできているように感じました。535はコアに幅広く使われるサイズなので、あえて高めて
あるのかもしれません。
剛性が高い古典的な仕様なので車輪を選びます。
硬い車輪だとクランクの入力角が上がってしまいアンマッチです。マイルドなボーラ、ハイペロン、ゾンダ
あたりがピッタリだと感じています。
<総評>
欝になるほど造りが雑ですが、それを差し引いても余りある素晴らしさがあります。
絶対的な古さがありますが、自転車ってそんなもんじゃないでしょ。
デローザが始めたISPも色々難癖つけられて各社やめちゃったけど、サイズをちゃんと合わせれば全く問題ないし、
特に人が乗るとドキッとするほど美しい。
エンジンと走行技術に支配されてるんだから、乗るなら綺麗でカッコいい自転車がいいに決まってます。
曲がったピンストライプも「俺がデローザだ」と主張しているようで誇らしい。
塗装が剥がれたって塗り直せばいいじゃんって素直にそう思える杞憂な存在です。
まあ、最初からボロいから吹っ切れてるだけですけどね。
今こんな魅力的なフレームを作れるメーカーって本当に少ないんじゃないでしょうか。
今のデローザは除外して、カレラくらい?
TIMEは別枠ですよ。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★ 自転車ってこうじゃないとね