購入価格:2,350円
実測重量:175g
私は諦めが悪い人間だ。
特に、期待して買った製品が上手く使えなかった時にはなかなか諦めない。諦められない。試行錯誤し、道具箱で眠らせて、大掃除で処分するまで何度も再チャレンジを繰り返す。だが大抵の場合は上手くいかない。そういうものだ。
さて。
前置きで予想はついていると思うが、この製品も最初は上手く使えなかった。
口金からエアが漏れる!
ゲージも反応しない!
要するに、携帯ポンプとしての最低限の機能も果たせなかったのだ。上手く使えないどころの話ではない。
何度目かの再チャレンジが失敗した日。よほど心残りだったのか、深夜に目が覚めてしまい、特にすることもなかったので本製品の紹介記事を漁った。Panaracerという会社の製品を買うのは(たぶん)これがはじめてだが、CBNでの同社製品のレビューを読む限り、こんな根本的に使用できないものを作る会社だとは思えなかったからだ。そして、ワールドサイクルのブログでの紹介記事で違和感を覚えた。
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http://blog.worldcycle.co.jp/20140625/11250/口金先端のパーツの写真があるのだが、手元のものには付いていない“黒い何か”がある。

なんだこれは?
ゴムパッキンだ!
最初からだったのか、弄っているうちに落としてしまったのかは不明だが、エア漏れ防止のゴムパッキンが欠落していたのだ。早速適当なゴムワッシャーを切ってサイズを合わせる。口金をはめ込んでシュコシュコ……
空気が入った!
ゲージも動いた!
というわけで、やっとレビューがはじめられる。2,350円が無駄にならなくて良かった。
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本製品を一言で説明すると「フロアポンプのように使える携帯ポンプ」である。フットペグとT字型ハンドルで体重をかけたポンピングが可能であり、空気圧も計れて、さらに自転車のフレームに括り付けて持ち運びができる。同様の製品として、BRIDGESTONEのPM-SP081や、TOPEAKのターボモーフやロードモーフがCBNでもレビューされている。
ロードバイクに乗りはじめた当初に“大きいことは良いことだ”の精神でターボモーフGを購入し、いままで使い続けてきたが、口金の固定がレバー式でちゃんと固定されたのかが分かりにくい上に、バルブを痛めてしまいそうで常に不安があった。標準のフレーム取付け用のアダプターがボトルケージと共締めできないのも小さな不満であった。
# 完全な余談だが、この不満の解決方法もワールドサイクルのブログで紹介されている
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http://blog.worldcycle.co.jp/20150129/14825/本製品は、口金とバルブとの固定がスクリュータイプで、しかも標準でボトルケージと共締めできるアダプターが付属しているので、抱えていた不満を解決するのに最適だった。
収納状態の長さは28.5cmくらいで、全体的にコンパクトだ。ホースの取り回しと、空気圧計&フットペグの展開がとても工夫されている。出っ張りが少ないので引っ掛けるようなトラブルも少ないだろう。






アダプターをシートチューブのボトルケージと共締めしたところ、脚と接触してしまった。ダウンチューブ側なら接触も揺れも無くしっかりと固定できた。
本体を伸ばした「ハイボリューム」モードは、一度のポンピングで多くの空気を入れられる。それに対して、縮めた「ハイプレッシャー」モードだと、空気量は少ないものの、軽い力でのポンピングか可能だ。個人的にはこういったギミックは故障が増えそうなので「嫌いじゃないけど無くても構わない」という立場だ。


いわゆる“下死点”でベクトルがずれると、空気圧計&フットペグの回転部分が動いてしまうので気を配る必要がある。ここにはロック機構が欲しかった。
握り方の癖なのだろうか。ハンドルを強く握ると、指の第二関節が当たってしまって地味に痛い。ホース固定部の出っ張りが掌に食い込むのと併せて、どう握ってどう体重をかけるのが最適なのか掴みかねている。

700x25cのタイヤでテストしたところ、HVモードでは85回で、HPモードでは330回のポンピングで約6気圧になった(本製品の空気圧計で計測)。HPモードの軽さはかなりのもので、体重をかけずに腕の力だけで実用的な空気圧まで入れられそうだ。
携帯ポンプとして出先でチューブ交換後に使う分には申し分ないので、レギュラーアイテムとして常用しながら、耐久性や補修部品の入手などを確認していくつもりだ。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★☆