スポーツ科学の教科書 強くなる・うまくなる近道
谷本道哉編著、石井直方監修
岩波ジュニア新書702、2011/12/20第一刷、定価本体840円+税
以下、岩波書店ホームページから引用。
---
足を速くするためにはどこを鍛えればいいのか? ストレッチをすると体の何が変わるのか?筋トレでつけた筋肉は使えないって言われるのは何故? バネのある動きってどんな動き? 等々,運動能力向上や健康増進に欠かせないスポーツ科学の基礎知識を一問一答式でわかりやすく解説します.
---
https://www.iwanami.co.jp/cgi-bin/isearch?isbn=ISBN978-4-00-500702-8図書館の若者向け(ヤングアダルト)コーナーでたまたま目にとまった。
本書の編著者と監修者の書籍を何冊か読んだこともあり、借りてきた。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=9323&forum=84本来のターゲットは中高生程度だろうか。
本書の章立ては掲載順に、
運動生理学
機能解剖学
スポーツバイオメカニクス
トレーニング科学
スポーツ栄養学
運動と健康の科学
となっており、各章に10編程度の項目がある。
それらのタイトルの一部を紹介すると、
運動能力は遺伝するの?
筋肉が大きくなるしくみ
痩せるためのサプリメントってある?
などなど、気になることがらが科学的な根拠やデータをもとに、分かりやすく解説されている。
例えば5章:スポーツ栄養学の中で取り上げられている「スポーツ選手はやっぱりコーラは飲んじゃダメ?」の項目では、
・コーラは体に良い食品とはいえない。
・しかし、目の敵にされるほど身体に悪い影響を与えるものでもない。
・疲労回復のエネルギー補給という意味では、糖質を含まない水やお茶よりも優れた飲料である。
図として「糖質摂取のタイミングと筋グリコーゲンの回復」グラフが掲載されており、疲労からの速やかな回復には運動直後の糖質補給が重要であることが述べられている。
確かに、体を動かした後のコーラ、最高ですよね。
基礎的な内容がコンパクトにまとめてあるため、知識の習得に向いていると感じた。
ただ、根拠提示を目的として引用文献が巻末にたくさん掲載されているのは良いのだが、やや細かすぎではないだろうか…
ちなみに上述した「糖質摂取のタイミングと筋グリコーゲンの回復」グラフの出典はこちら。
Ivy JL1., Katz AL., Cutler, C.L., Sherman,W.M.,and Coyle,E.F.(1988).Muscle glycogen synthesis after exercise: effect of time of carbohydrate ingestion.J Appl Physiol 64,1480-1485.
原典読む人、いるのかな?
まあ、それでこの本の面白さがなくなるわけではないから、いいんだけどw
価格評価→-(借りたので評価なし)
評 価→★★★★★(面白かった)