購入価格: ¥364 (税込) ※ホースバンド ¥128×2、ゴムシート ¥108
『抜群の固定力。ボトルケージがフレームに密着するので、見た目にもスッキリと取り付けられる』
■ ホースバンドを使ったボトルケージを固定を試す
GIANT FIXER Rというシングルスピードは、ボトルケージ台座がひとつしかないのが不便だ。真夏はボトル1本では足りないことが多いが、軽装で出かけたいときに、ボトルをバッグに入れて持ち運ぶのはちょっと面倒だ。ボトルケージの増設はいくつか試したことはあるが、どれも固定力や見た目がイマイチだった。
結局、私が採用することにしたのが、ホースバンドでボトルケージを固定する方法だ。最初にこの取り付け方法を見たのは海外のサイトで、てっきりKing Cage USB(Universal Support Belt)で固定していると思ったが、よく見るとただのホースバンドだった。ホースバンドはホームセンターでも手に入るので、早速試すことにした。
どこでもケージホルダーでは、十分な固定力が得られなかった(左)
Tacx ボトルケージサドルマウントは悪くないが、サドルバッグと併用できない(右)
■ 必要なものはホームセンターで入手可能
用意するものは、ホースバンド2つとゴムシートだけ。FIXERのシートチューブの外径は約32mmだったので、締め付け範囲が28〜40mmのホースバンドを選んだ。ゴムシートの厚みは1mmだ。
私が購入した澤久工業のホースバンドは、耐食性に優れたステンレス製。1個が約25gと軽くはないが、バンドの部分に厚みがあり、強度の高さが期待できる。また、ネジ部にはグリスがあらかじめ塗布されている。ホースバンドの専門メーカーだけあって、全体的に品質の高さを感じる。ただ、余ったホースバンドをカットしたり、軽さを求めたりする場合は、薄手のホースバンドのほうがいいかもしれない。
ホームセンターで手に入れたホースバンド
■ ホースバンドの締め付けは徐々に行う
まず、ボトルを挿入したボトルケージをゴムシートを挟んだ状態でシートチューブに当て、テープなどで位置決めをする。このとき、ダウンチューブに挿入したボトルに干渉ないかどうかをチェックする。
次にホースバンドの幅に合わせてカットしたゴムシートをシートチューブに巻く。両面テープ付きのゴムシートなら、シートチューブからゴムシートがずり落ちないので、後でホースクランプを取り付けるときに楽になる。
ゴムシートの上からホースバンドを取り付け、ドライバーでボルトを締め込んでボトルケージを固定すれば完成。ホースバンドは固定力が高いので、強く締め込まなくても大丈夫だ。上下のボルトを交互かつ徐々に締め込み、ときどきボトルケージをつかんで左右に動かしたりして、固定力を確認しながら取り付けることが大事になる。
なお、ホースバンドを外してシートチューブをチェックしたが、取り付けによるキズはなかった。ゴムシートでフレームを保護し、ボトルケージがぐらつかない程度に締め付ければ大丈夫のようだ。また、取り付け後に洗車をしたが、腐食などの劣化も一切見られなかった。
ボトルケージの取り付け部にホースバンドを巻く(左)
ホースバンドの内側にゴムシートを巻いてフレームを保護してある(右)
■ ボトルケージが密着したスッキリとした取り付け
ホースバンドを使ったボトルケージの固定は、想像以上に見た目の満足感が高い。既製品のボトルケージ増設用のアイテムでは、シートチューブからボトルケージが浮いて見えるのが私には不満だった。この方法ならシートチューブとボトルケージを密着させることができる。
ホースクランプのボルトの大きさが目立つが、ボトルケージが浮いて見えないおかげで、スッキリとした取り付けに仕上がった。まるで既製品を用いたかのような一体感で、FIXERの見た目を損なっていない。武骨でクールな雰囲気も私のお気に入りだ。
ボトルケージを増設したGIANT FIXER R
■ 走行への影響は小さい
実際の走行でもボトルケージの固定力は抜群で、ボトルを抜き差ししてもボトルケージは全くズレない。これが固定力が低い取り付け方法だと、ボトルの抜き差しでズレるだけでなく、走行中にブレて脚の内側にボトルが接触するところだ。
ボトルが2本になったので、漕ぎ出しは少々重たさを感じるがすぐに慣れる。私のロードバイクやクロスバイクよりもボトルケージの位置が高いが、ダンシングへの影響は私の想像よりも小さく、実用上は問題ないレベルだと感じた。漕ぎ出しとダンシングへの影響は、ボトルの中身を消費すれば当然感じなくなる。
また、この固定方法ならシートチューブとボトルケージが密着しているので、ダウンチューブのボトルに干渉せず、ダウンチューブの比較的低い位置でボトルケージを固定できる。これもホースバンドを用いるメリットだ。
もっと下に取り付けることもできたが、見た目のバランスを考えてこの位置に
■ 便利だが使えるフレームやボトルケージの種類は限られる
軽い気持ちで試したホースバンドだったが、固定力も見た目も想像をはるかに上回る満足感だった。しかも、低価格で済むのが信じられない。FIXERを手に入れて以来の悩みはこれで解決。まだ暑い日が続くが、これで安心してFIXERで走り回れるようになった。他にもダウンチューブの下、フロントフォークにボトルケージを増設して、ツールボトルなどを挿入するのもよさそうだ。
ただし、ホースバンドで固定できるボトルケージは、MINOURAのDURA-CAGEのような取り付け形状に限られる。また、カーボンフレームに使うのはやめたほうがいいかもしれない。ホースバンドの厚み(硬さ)によっては、円断面のフレーム以外に取り付けるのは難しくなるだろう。とても便利な方法だが、フレームやボトルケージによっては注意が必要になるはずだ。
MINOURAのDURA-CAGEはホースバンドでの固定に最適
価格評価→★★★★★ (コストパフォーマンスが極めて高い)
評 価→★★★★★ (見た目も固定力も満足)
<オプション>
年 式→ ー
重 量→約52g (ホースバンドは1個約25g)