購入価格 ¥6,400くらい(税込。定価販売の店で購入)
Mavic製品というと、良く話題になるのは、ホイールやシューズのように思われます(個人的な意見です)。
それ以外にも、アパレル等の展開も行っているのは、皆様もご存じのとおりです。
しかし、その製品群が、ホイールと同じ呼称でグレード?か、用途?の区別がつけられていることは知らなかったため、最初にこのグラブを手に取ったときは、「なんですかこれは???」という気分になったのを覚えています。
という訳で、600kmを越えるブルベなどのロングライドを走った後、翌日以降、掌の痺れに悩まされていた私が、色々とグラブを物色している時に出会ったのが、この製品でした。
●外観など
手の甲側は、メッシュ素材が多用されたグラブです。
2016年のメーカーサイトの情報によれば、色展開としては、人差し指側と中指より外側のブロック別に、「白・青(画像のモデル)」、「白・黒」、「赤・オレンジ」の3色がありますが、生地は恐らく同じだと思われます。
中指〜小指側になる水色の部分はメッシュの目が粗く、素肌が透けて見えています。
炎天下で使用したら、ここだけ日焼けができてしまい、とても怪しい雰囲気になりました。
掌側は黒一色。
指の部分には、脱ぐときにつまみやすいような、べろ状の部分があります。
外す時は、ここをつまんで引っ張る。
そして、このグラブを特徴づけるポイントとしては、「パッドが物凄く分厚い上に、面積が広い」という事があります。
掌の中心部〜掌底部を除く、ほぼ全域に、厚さ5mmほどのパッドが装着されています。
パッドは触った感じ、ウレタンフォームのようで、指で強く押した程度の圧迫は、すぐに元に戻る程度の復元力が備わっています。
一応、メーカーのホームページでも、「超ロングライドにおける通気性と快適性を兼ね備えた、低反発型グローブ(意訳)」としてラインナップされています。
同様のコンセプトを持ったライバルとしては、パールイズミのメッシュ・メガグローブなどが上がってくると思われます。
●使用感など
200km、400km、600km、1200kmのブルベで使用しました。
ハンドルやブラケットを握ると、パッドの厚さは意識されますが、その配置が絶妙で、パイプ状の物体を握った時に、体と接する部分を守るように配置されていることがわかります。
最初は、掌とハンドルの間に、妙な物が挟まっている、という感覚が強かったのですが、走っているうちに慣れてしまい、意識しなくなりました。
実際に手を握ってみたところ。
各パッドの隙間が埋まり、
手をガードする形になる。
注意すべき点として、
掌底部分はパッドがないので、
ここがハンドルに触れるような持ち方では、
パッドの防護効果はない。
このグラブで、東北や北海道など、冬の気候が厳しくアスファルトが傷みやすい地域のブルベを走っても、驚くほどダメージが残りませんでした。
実は前年まで、パールイズミのメッシュ・メガグローブを使用していましたが、そちらでは手の痺れが酷くて、しばらく洗濯ばさみもまともに使えない状態の時もあったのですが、このグラブでは痺れは皆無に近い状態でした。
これは、期待値を大きく上回っており、驚くほどの効果です。
ただし、正直、200kmでは、それほど恩恵を感じませんでした。
効果を実感できたのは、400km以上の長距離を走った時で、中でも劇的な効果を実感されたのは、600km以上の距離に限定されます。
恐らく、それほど体に疲れが出ない距離域よりも、蓄積疲労からポジションが崩れて、掌に体重が乗ってしまうような状況、つまり、ブルベでも長距離域に入るようなロングライドで効果を実感できる装備になりそうです。
一方で耐久性の面では、累積の走行距離が約800kmを越えたところで、利き手側の親指根元にあるパッドの縫い目がほつれはじめました。
ほつれて開いた穴。
さすがに走行距離的に厳しいので、別個体での検証などは行っていませんが、これが製品としての耐久性の限界なら、見直して頂きたいところ……と言いつつ、この状況でさらに1,000km以上、走って問題が発生していない(ほつれた範囲も、目立って拡大していない)ので、実は十分な強度なのかもしれません。
●まとめ
極厚パッドを装備したグラブで、荒れた路面から掌に伝わる衝撃や振動を軽減してくれる効果が期待できます。
蓄積疲労でポジションが崩れた時、手に体重を預けた乗り方になる人には、特に大きな効果を発揮するでしょう。
上記の特性から、メーカー側がコンセプトとして示している通り、超ロングライド用の製品として、十分な性能を持っていると思われます。
製品の耐久性については、私の手元にある個体のみでの事例なので、何とも言えませんが、できればメーカーさんには強化をお願いしたいところ。
まあ、ほつれが始まってから、累積で1,000km以上走っても、致命的な破壊に至っていませんので、そう考えると、十分な強度なのかもしれませんが(笑)。
価格評価→★★★★☆(←一般的なグローブとしては高いが、ロングライド用としての効果を考えると妥当とも思える)
評 価→★★★★★(←私は、ロングライド後の手の痺れから解放されました)