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私は貪欲な人間だ。
貪欲なので、自分の自転車生活に活かせるアイテムやノウハウを求めて、トライアスロンやマラソン、トレイルランニングの本も積極的に読んでいる。持久系の競技には、なにかしら通底するものがあるからだ。
ある日、図書館で「マウンテンスポーツマガジンvol.1 TRAIL RUN 2014」をめくっていたところ、ベルトの背中側をタンクトップの脇から出すというシンプルな技を、トレイルランナーの鏑木毅氏が紹介していた。チェストベルト式の心拍計をルーズに付けて、しかもずり落とさないための小技だ。激しく上下動するであろうトレランで有効なら、自転車でも使えると思い、早速試してみた。
素肌に直接付けるときは、ベルトで“締め付ける”感覚だった。それでもストレッチや深呼吸、休憩や信号待ちなどでずり落ちてしまうことがあった。鏑木付けなら、計測用の電極パッドが“触れている”くらいの緩さでも、当然ながら落ちない。仮に電極パッドが離れても、心拍計が腹まで落ちたりはしないので位置を直すのも簡単だ。
真夏の、汗がだらだら流れる気温と湿度の中、約200kmを2回、鏑木付けで走ってみた。私が使っているのはCATEYEのHR-12という心拍計で、胸囲は約90cmだ。初回はバンドを一番緩くしたが、電極パッドが離れて計測が止まってしまうことが何回かあった。そこで2〜3cm短くして二回目に挑んだところ、接触不良に因る計測の不調は発生しなかった。
ちなみに写真を撮ったのは走る前で、ベルトは地面と平行、電極パッドはマニュアルよりもかなり上に位置している。だが走りながら位置を微調整し、帰ってから確認したところ、ベルトは前下がりに、電極パッドはマニュアル通りの位置になっていた。胸部の動きの邪魔にならない位置を求めると、必然的にそこに収まるのかもしれない。
胸のベルトの締め付けが不快で、腕時計タイプの心拍計への乗り換えも検討していたが、追加出費0円で解消してしまった。ベルトの締め付けに悩んでいる方は、とりあえずで試してみてはいかがだろう。
インナーがタンクトップに限定されるのが、欠点といえば欠点だろうか。日焼け対策で長袖インナーを着たいのだが、タンクトップインナー+長袖インナー+半袖ジャージというのが暑苦しく思えて、躊躇っている。
ちなみに「通称“鏑木付け”」と紹介されていたが、鏑木付けで検索してもヒットしない。そういうものだ。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★