購入価格 ¥38,296(ワールドサイクル)
技術的な解説はLZPT2IB氏が先に投稿されているレビューにお任せして、
ブレーキの使用感に焦点を絞ったレビューを投稿します。
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今までAVID BB5、BB7、hayes CX PRO、TRP HY/RD、シマノBR-495などのワイヤ引きブレーキを使用してきました。
TRP HY/RDでブレーキ性能としてはかなり満足できるレベルに達したのですが、
ワイヤが長いリアのタッチがどうしても気に入らないので油圧ディスクブレーキの導入を考えていました。
SRAMがロード用油圧ダブルタップレバーを投入したときに、買おうか迷いましたが、単品で買うととんでもない価格になってしまうので結局買い控えていました。
(SRAMは完成車付属だと安いけど、パーツで買うと超高いんです……)
シマノはSRAMに対抗してST-R785、ST-R685で油圧ブレーキ対応のSTIを投入してきたのですが、
ブラケットをものすごく上の方に付ける私のセッティングだと、この二つはブレーキリーチの調整代が小さすぎて下ハンでブレーキが握れませんでした。
2015年春にこのST-RS505が発表された当時はノーマークだったのですが、
発売後にふとシマノのサイトでマニュアルを読んでいたら「ブレーキリーチの調整は8mm」とあったので、速攻でIYHして使ってみることにしました。
(ちなみに785/685はブレーキリーチ調整代は2.5mm)
組み合わせるブレーキキャリパーはBR-RS785
使用したフレームはMERIDA CYCLOCROSS 500とMERIDA RIDE DISC 7000。
ST-RS505に付属してくるブレーキホースはBH59で柔らかい方
(硬い方はBH90、内径が違うので59とはオリーブの種類が違うことに注意されたし)。
組み付けてエア抜きを行い、さっそく目的のブレーキリーチ調整を行う。
ブレーキリーチの調整は、マスターシリンダーを押す部分(フリーストローク調整)と、レバー側(握り幅調整)の二種類の機構によって行う。
はっきり言って力技である。
(詳細はシマノの公式マニュアルを参照されたし)
http://si.shimano.com/http://si.shimano.com/php/download.php?file=pdf/dm/DM-BR0008-08-JPN.pdf大きなブレーキリーチ調整幅の恩恵で指が短く、ブラケットを上の方に付ける私のセッティングでもバッチリの位置にブレーキレバーが来ました。
また、ブレーキレバーのピボット位置がシマノとしては上の方にあるので、
ブラケットポジションでのブレーキ操作がとても楽です。軽い握力で簡単にコントロールできます。
(私の握力は左右55kg/56kg)
峠の下りで下ハンをほとんど必要としません。
フロントに比較してリアの方がタッチがややフワフワしてるように感じますが、
これはブレーキラインがリアの方がフロントの倍くらいあるせいだと考えられます。
PAX CYCLINGの木村氏によるとリアだけBH90にする手法もあるとのことですが、
極端なかっちりタッチですぐにロックさせてしまうのも困りものなので、BH59のままで特に支障もないので良しとします。
もちろん、油圧ディスクブレーキの絶対性能はキャリパーブレーキとは比較するまでもありません。
タイヤのグリップ限界は変わりませんが、運動エネルギーをより効率的に熱に変換するディスクブレーキの方が同じグリップ限界でも早く減速できます。
ブレーキをロックさせるだけならBR-7900系列をSRAMダブルタップと組み合わせてガッツンブレーキにした方が簡単にロックさせられます。
リムブレーキもディスクブレーキも、ロックしてしまった場合は運動エネルギーを熱に変換している部分は路面とタイヤになるので、舗装路で細いタイヤの場合は制動距離は伸びます。
<総評>
利点:
・大きなブレーキリーチの調整代
・ブレーキピボット位置によるブラケットポジションでの容易なブレーキ操作
・ブラケットが長いため、ST-5800に比べて握りやすい。
欠点:
・とにかく重たい(オイル抜きでペア658g)
・へんてこりんな見た目
期待:
・ST-9170(ペア7万7千円、360g)でもブレーキリーチ調整は大きくしてほしい。
価格評価→★★★☆☆(高いけど、妥当)
評 価→★★★★☆(すごく良いけど、とにかく重い)
<オプション>
年 式→2016
カタログ重量→実測重量 ペア658g
写真は最大限にブレーキレバーを近づけてセッティングした場合の例です。
ハンドルはシマノPROのPLTコンパクト。