購入価格: ¥3,780 (税込)
標準価格: ¥3,780 (税込)
『操作性をほぼ損なわずに、Edge 520Jをスマートに取り付け可能。マウント自体のデザインや質感にも優れる』
■ 見た目重視で選んだマウント
ガーミン純正のアウトフロントマウントは、ステムの前方にマウントすることでEdge 520J画面が見やすくなるが、Edge 520Jがハンドルの上部に突き出た見た目になるのがちょっと残念だ。Edge 520Jを低い位置にマウントするには、サードパーティー製のものを使うしかない。
そこで、私が選んだのは「TATE LABS BAR FLY ROAD MINI (2.0 SLi)」だ。数あるマウントの中では、これが最も私の好みのデザインであり、Edge 520Jを理想どおりに取り付けられそうな気がした。また、高機能プラスチック「デルリン」の固定力や強度にも期待した。
TATE LABS BAR FLY ROAD MINI (2.0 SLi)、JouleやCATEYEのバージョンも存在する
■ 取り付けはかんたん
BAR FLY ROAD MINIはオープンクランプになっており、2.5mmのアーレンキーさえあれば、かんたんに取り付けることができる。締め付けトルクは指定されていないが、Edge 520Jに付属している短いアーレンキーを用いれば、軽く締め付けるだけで十分な固定力を得られる。なお、ナイロンナットはポロリと落ちやすいので、手で押さえながら作業したほうがよい。
着脱が容易なオープンクランプ(左)、φ35mmにも対応。φ31.8mmにはシムを挿入する(右)
■ ロードバイクならスッキリと取り付けが可能
BAR FLY ROAD MINIを用いることにより、Edge 520Jとステム(CONNECT OD STEM)の上面をほぼツライチにすることができた。ステムの前面とEdge 520Jのクリアランスも小さく、ハンドル周りがコンパクトにまとまる。また、上から見てもEdge 520Jがちゃんと進行方向に向いており、取り付け精度の高さも感じさせる。
だが、フラットバーハンドルを装着したクロスバイクでは、Edge 520Jの前方への突き出しがかなり目立つ。バーエンドバーを装着しても、この違和感を解消するには至らない。スマートに取り付けられるのは、ほぼドロップハンドルに限られると感じた。
スッキリとした取り付けには、マウント自体の質感の高さやデザインも大きく影響している。樹脂パーツにありがちな安っぽさはなく、部品点数が少ないので形状はシンプル。クランプ部のロゴが控えめなのもいい。
どの角度から見てもスマートな外観。もちろん画面の表示も見やすい
■ 取り回し方によってはアウターケーブルと干渉する
私はアウターケーブルをステムの前方に出るように取り回したので、マウントアームとアウターケーブルが干渉した。これだけなら取り回しの見た目の問題だけで済むが、別売りのライトマウントを用いる際には、ライトとアウターケーブルも干渉する可能性が極めて高い。
ドロップハンドルの下部からアウターケーブルを取り回せば、マウントアームやライトとの干渉を回避できるはずだ。アウターケーブルの干渉を気にしたくないなら、突き出し量が大きいBAR FLY ROAD MAXを使ったほうがいいだろう。
左側のアウターケーブルがマウントアームに干渉した
■ 高い固定力と高剛性マウントアーム
BAR FLY ROAD MINIは、材質のデルリンが高強度なことに加えて、マウントアーム自体にも厚みを持たせている。クランプ部の固定力とマウントアームの剛性は非常に高く、走行中の振動でも画面がブレず、Edge 520Jを操作してもマウントアームが全くたわまない。カッチリとした高い固定力や剛性感には、マウントの形状だけでなく、材質のデルリンが大きく貢献していると感じた。
高強度なデルリンを使用した肉厚のマウントアーム
■ マウント部のツメのかかりはやや浅め
Edge 520Jのスムーズな着脱や固定力の高さは、ガーミン純正マウントと同様だ。ただ、BAR FLY ROAD MINIの方が、ツメのかかりがやや浅く、弱めの力で着脱できる。おそらく、このことによってEdge側のマウントを摩耗しにくくしているのだと思う。
ただ、スクロールボタン(下)とENTERボタンを押す向きは、Edge 520Jを外す向きと同じなので、強く押しすぎて脱落しないように注意する必要がある。ボタンを押す力加減をつかんでいれば生じないミスだが、念のために脱落防止用のストラップを併用したほうがいいだろう。
なお、電源ボタンやBACKボタンなら、どんなに強く押してもEdge 520Jは外れない。どの向きにも回せるガーミン純正マウントとは異なり、
BAR FLY ROAD MINIは、正ネジの向きにしかひねって着脱できないからだ。
スクロールボタン(下)とENTERボタンを押す向きは、Edge 520Jを外す向きと同じ
■ 走行中でもラップボタンを押すことは可能
ハンドルバーの芯〜マウント部の中央までの長さは約65mm。ステムの前面とEdge 520J後面のクリアランスが小さいが、ラップボタンとスタートストップボタンは、走行中でもストレスなく押すことは可能だ。ただ、ボタンを押す指がステムの前面とわずかに干渉する。
ラップボタンを多用するユーザーには、このクリアランスの小ささがストレスになる可能性も考えられる。おそらく、ハンドルバーの芯〜マウント部の中央までの長さが70〜75mmくらいあるマウントなら操作しやすくなるはずだ。操作性を重視するなら、BAR FLY ROAD MAXを使うのもひとつの手だが、Edge 520Jに使うには突き出し量が大きすぎる。
走行中にラップボタンを押すことはできる
■ 完成度の高いマウント
TATE LABS BAR FLY ROAD MINI (2.0 SLi)は、操作性をほぼ損なわずにEdge 520Jをスマートに取り付けられるマウントだ。Edge 520Jの固定力やスムーズな着脱、マウントアームの剛性、クランプ部の固定力...といったサイコンマウントの基本的な要素もしっかりと押さえており、バージョンアップを繰り返しているだけあって完成度は高い。
別売りのライトマウント等を使うとまた違った評価になりそうだが、Edge 520Jをマウントするだけなら、外観と性能を両立するアウトフロントマウントとしておすすめ。Edge 520Jに対応する数あるマウントの中でも、私はこれを選んでよかったと思っている。
価格評価→★★★★☆ (ガーミン純正品よりも低価格)
評 価→★★★★★ (見た目の満足度が高いが他も満足)
<オプション>
年 式→2015
重 量→38g (シム、ボルト込み)