購入価格: ¥1,279 (税込) ※BRAの副賞のギフト券を一部を使用
標準価格: ¥2,613 (税込)
『ディレイラーのケーブルをしっかりと張れる。ブレーキならシュークリアランスの調整も可能』
■ 握るだけでケーブルをつかんで引っ張れる
「HOZAN C-356 インナーワイヤープライヤー」は、ブレーキやディレイラーのインナーケーブルを引っ張るための工具だ。ケーブルを通してレバーを握ることでケーブルをつかみ、さらに握り込むことによってケーブルを引っ張ることができる。
この工具の購入にはBRAの副賞のギフト券の一部を使わせていただいた。この工具を手に入れた理由は、ロード用フロントディレイラーのケーブルを確実に強く引っ張って固定したかったからだ。実際に作業してみると非常に便利で、ケーブルの張りには欠かせない工具になった。
HOZAN C-356 インナーワイヤープライヤー
工具を握るだけで、ケーブルをつかむ動作と引っ張る動作の両方が可能になる
■ フロントディレイラーのケーブルを強く張れる
フロントディレイラーのインナーケーブルは、強めに引っ張りながら固定する必要がある。そうしないと、ケーブルの張り調整でアジャスターを回し切って、それ以上ケーブルを張ることができなくなり、最悪の場合は変速できないからだ。また、一般的なプライヤー等では、姿勢に無理があって強く引っ張りにくい。何度もケーブルをつかんだり、ボルトで固定したりすると、ケーブルが傷むこともある。
その点、この工具なら軽く握るだけで十分なテンションをかけられる。ST-RS505のケーブルの取り付けでは、かえってケーブルの張りが強すぎたくらいだ。しかも、腕を高く持ち上げることなく、無理のない姿勢で作業できるので、アーレンキーでボルトを固定することもたやすい。
フロントディレイラーの調整が難しい理由のひとつは、インナーケーブルを強く張れないことにある。この工具があれば、シフトアップに十分な張りが得られ、その後の調整も短時間で済むようになる。リアディレイラーの場合は、それほどケーブルを強く引っ張る必要はないが、やはりこの工具を使ったほうが効率良く作業できる。
軽く握れば、変速に十分な張りが得られる。このときプルアームは動かない
■ ブレーキのシュークリアランスも調整可能
この工具とキャリパーブレーキ・Vブレーキとの相性は抜群だ。ケーブルに十分なテンションをかけられるのはディレイラーと同様。これがあれば、さらにシュークリアランスの調整までできるようになる。
ケーブルの固定は、ブレーキアームを手でつかみ、シュークリアランスを調整しながら行う。これでは十分にケーブルを張れないので、ケーブルを固定した後にアジャスターでシュークリアランスを再調整する必要がある。ここでケーブルがたるんでいると、アジャスターを多く回すことになる。最初から強くケーブルを引っ張りながら固定すればいいのだが、2本の腕だけで作業することはほぼ不可能だ。
インナーワイヤープライヤーなら、シュークリアランスの調整とケーブルを引っ張る作業がこれひとつで可能。右のレバーを握ってケーブルを張り、左のレバーを握ってシュークリアランスの調整をする。あとはケーブルを仮止めして、ブレーキレバーを握って確認。アジャスターで微調整してもいいし、この工具だけでシュークリアランスを調整しなおしてもいい。
工具の先端がブレーキアームを押し出すことで、シュークリアランスの調整が可能になる
■ 機械式ディスクブレーキは引きが重くならないように注意 ※TRP SPYRE-Cの場合
機械式ディスクブレーキのTRP SPYRE-Cは、インナーワイヤープライヤーを使うとブレーキアームが縮まって、パッドクリアランスが小さくなる。これはキャリパーブレーキ・Vブレーキと同様だ。ケーブルの張りが十分に得られれば、アジャスターを回し切ることもなくなる。
だが、SPYRE-Cはリターンスプリングが強く、ブレーキアームを縮めたまま固定すると、リターンスプリングも縮んでばね力が増大し、レバーの引きの重さにつながる。使うなら、ブレーキアームが動かない程度に引っ張ったほうがいいだろう。
TRP SPYRE-Cは、ブレーキアームが動かない範囲でケーブルを引っ張ったほうがいい
■ ケーブルを長めにカットすると後で便利
インナーケーブルをカットする際に、この工具でつかめる長さを残しておくと、後で初期伸び等でケーブルを固定しなおすときに便利だ。必要な長さは、最低でも26mmといったところ。インナーエンドキャップも考慮して長めに切れば、後の作業がますます楽になる。
ケーブルをカットした後は、フレームやタイヤとの干渉をチェックする。機械式ディスクブレーキは、ケーブルをローターに巻き込む可能性があるので、長めにカットするのはあまりオススメできない。
ケーブルをやや長めにカットしておくと、後でインナーワイヤープライヤーを使える
■ 結束バンドの固定にも使える
意外に便利なのが、結束バンドの固定だ。例えば、サイコンのセンサーの固定が不十分だと、走行中にセンサーの角度がずれてホイールマグネットにぶつかることがある。インナーワイヤープライヤーなら結束バンドを強く引っ張って、サイコンのセンサー等を確実に固定できる。
結束バンドでセンサーを確実に固定できる
■ ケーブルの取り付けに欠かせなくなった
HOZAN C-356 インナーワイヤープライヤーは、インナーケーブルの張りやブレーキの調整にとても便利だ。ParkToolのようにロック機構はないが、もう片方の手でスムーズにケーブルを固定できる。ケーブルの固定やブレーキ調整を何度も行った人なら、この工具の価値を十分に感じることができるはずだ。自分でメンテやカスタムをする人には強くオススメしたい工具。今後も大事に使いたい。
価格評価→★★★★★ (実売価格は1,500円を切る。この価格ならかなりお得)
評 価→★★★★★ (ケーブルの張り、シュークリアランスの調整が簡単にできる)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→235g