購入価格 ¥15,500(ChainReactionCycle)
・TTポジション用のノーズレスサドル
・歪な形が、TTポジションとケイデンスの安定をもたらす
トライアスロン用のTTバイクを組み立てたので、専用のサドルを探していました。
TTポジションでDHバーを持って前傾する都合、普通のロードバイクとはポジションが異なります。
手持ちのものでは腰の置き場、陰部に違和感があったため、トライアスロン・アイアンマン界隈で使用率が高いと言われている本製品を購入してみました。
◎外観
同ブランドのサドルの特徴はノーズレス、および先割れになった先端部。
深い前傾をとったときの前陰部との緩衝を避け、レールごとに独立した先端がペダリングを安定させる・・・という謳い文句。
一目でわかる、特異な外観をしています。

本製品は同ブランドの中でタイムトライアル用と位置づけられています。
先端部の傾斜が通常のモデルより深く、より前傾しやすいつくりになっているようです。
手持ちのロードバイク用サドルと比較。

先端の短さと横幅の広さが目立ちます。
横幅最大値は130mmですが、幅の広い面積が大きいです。
後ろはバイクラックに引っ掛けるフック状になっています。

トライアスロンのトランジション用ですね。
背面はステープラーが打ちっぱなしになっています。

普段は見えない部分とはいえ、もうちょっと綺麗に処理して欲しいところ。
重量実測は286g
カタログ値は272gなので、許容範囲でしょう。
厚い形状のため、多少重いのは仕方無し。
パッケージにはポジション・着座位置についてのマニュアルがあります。
これとWEBページの解説曰わく、
「サドル位置は普段より少しだけ下げて、サドルが割れてる根元あたりに跨がる」
のが正しいポジション、とのこと。
◎使用感
TTバイクに、マニュアル通り少し下げた位置で取り付けます。
横幅の広い部分が前に出てくるため、着座位置も前乗りになります。

変な形のサドルですが、ディープリムホイールに合わせると意外と違和感がないですね。
TTバイクのブレーキバーを握り、ロードバイクに近いポジションで回してみます。
横幅が広いため、ペダリングするときに股が開くかたちになり、極端に言えば「がに股」になります。
Qファクターが広がるような感覚で、違和感しかないです。
これは失敗かなと思いつつ、
ポジションを変えてDHバーを握り、TTポジションで回してみます。
評価撤回、とても回しやすくなりました。
TTポジション時にケイデンスを上げることが苦手だったのですが、普段以上のケイデンスを維持することができるようになりました。
完全にTT専用サドルとして考えたほうが良さそうです。
◎考察
ポジションによってこれほど受ける印象が異なる理由を考えてみました。
先端部が無いため前傾が取りやすいというのもありますが、
それ以上に「パッドの横幅と高さ」が影響している気がします。
本製品、レールが隠れるほどにクッションが高く作られています。

ペダリング時に、高いサドルに沿って太股が動くことで、サドル・車体と身体を一体化することができるようです。
(オートバイ的にいうとニーグリップ)
太股とサドルの接触時間も長いため、ケイデンスを上げたときでも左右どちらかの脚が常にサドルに密着しているかたちになり、
腰がブレがちなハイケンデンスであっても、着座位置を安定させることができます。
またTTポジションでは横幅の広いハンドルを握ることが出来ないため、身体を安定させる際に上半身(腕)を利用することができません。
その代わりとして、少しがに股に広がった太股を使って、身体をまっすぐに位置させられるようです。
◎まとめ
文才の無さ故、うまく表現することができないのですが、
トライアスロン界隈での使用率の高さにも納得できる製品でした。
腰とケイデンスが安定するので、トライアスロンショーツの薄いパッドでも負担無く跨ることができます。
TTバイクのサドルに悩んでる方に是非オススメしたい製品です。
価格評価→★★☆☆☆(値段は高いと思う)
評 価→★★★★☆(背面の処理が雑なので一つ減。製品性能は文句無し)
カタログ重量→272g
実測重量→286g