SHIMANO ST-R785
購入価格 ¥40000
いわゆる電動油圧STIレバー。
シクロクロスシーズンは毎週レースがあるわけで、 悪天候が続いたりすると体だけではなく機材もボロボロになる。
特にベアリングとワイヤーの痛みは深刻。 ベアリングは、防水性に劣るSRAM GXP BBが泥レース2回で無事死亡。 ワイヤーには泥が入り込んでブレーキもシフトもゴリゴリ。
毎週末レースなので、機材の整備は必然的に平日の夜間。 仕事して、練習した後にワイヤー張替えってのは体力的にキツい。
メカも自分でこなす社会人レーサーにとって、メンテフリーな機材こそが真に重要なのだ! …という勢いで購入したのが、従来のワイヤーを1本も使わない、電動油圧レバー ST-R785。ブレーキキャリパーはST-RS785を購入。
エイリアンっぽい見た目は正直趣味じゃない。 握りはST-9070より太いものの、ST-6700がぴったりだった手の大きい私には少し頼りない太さ。 ブラケットの形状は、ST-7800に近い印象だった。 なお、ブラケットはプラスチックではなくアルミ鋳造。強度確保のためかな。
ブリーディングには、シマノのブリーディングキット…専用のじょうごが必要になる。 エアがなかなか抜けず苦労したが、MTB等でブリーディング慣れしてる人なら問題ないか。
ブレーキレバーの位置調整は ・パッドコンタクト調整 ・フリーストローク調整 があり、パッドが動き始める位置と、ブレーキレバーの位置を個別に調整可能。
今回はフロントシングルのCXバイクで運用するので、 5ポートのジャンクションAに左右STI、外装バッテリー、RDを直接繋ぐ構成で使用。 1400mmのケーブルを使えばステム下のジャンクションAからRDまで届く。 ちなみに、バッテリーはダウンチューブのBB付近に設置し、950mmのケーブルを使用。 ST-R785には各1ポートしかコネクタが無いため、サテライトスイッチ等を取り付けようと思っている人は注意。
シフトスイッチはST-9070やST-6770に比べてリターンスプリングが強くなっており、誤操作しにくくなっている。 とはいえロングフィンガーのグローブをしているとシフトミスするので、 E-tubeから設定して、右レバーはシフトアップ、左レバーはシフトダウンにキー割り当てを変更した。
実走してみると、変速フィールはまぁ普通にDi2。ボタン押せばスパっと変速。 感動したのはブレーキ。フィーリングはMTBの油圧ディスクのそれ。抵抗感なくスッと軽く引けるレバーと、リニアなタッチ。 レース中は2本指どころか、ブラケットポジションから人差し指1本で十分な制動力を得られる。 シクロクロスだと少々効き過ぎるので、ローターやパッドで調整したほうがいいかも。
ワイヤー引きのブレーキやシフトと違い、泥を被ってもこのフィーリングは消えない。メンテフリー万歳。 ただ、泥レースでブレーキレバーが滑りやすいのが気になった。そのため、アセテート布粘着テープを貼り付けて滑り止めにしている。 また転倒時、変速スイッチとレバー隙間に砂や泥が噛みこんでスイッチの反応が悪くなるトラブルに遭った。 水で洗い流したら元通りになるが、Di2だから何しても平気。というわけではない。
1世代前のコンポにショボいカンチ、チューブラーの平リムという、シクロクロスバイクに比べると、 電動変速に油圧ディスクブレーキ、チューブレスタイヤを履いた今のバイクはハイテクそのもの。 シンプルな雰囲気が好きだっただけにちょっと寂しいけど、それでもメンテフリーおいしいです^q^
価格評価→★★★☆☆ 評 価→★★★★☆
|