購入価格: ¥12,588 (税込) ※BRAの副賞のWiggleのバウチャーを使用
標準価格: ¥16,106 (税込)
『完成度が高く、デザイン・重量・剛性・変速など、どれをとっても全く物足りなさを感じさせない』
■ 5アームクランクから交換
私が新たに手に入れた「GIANT DEFY1 DISC」は、メインコンポーネントに「SHIMANO 105 5800シリーズ」が採用されている。だが、完成車の購入価格を抑えるためか、クランクはグループ外コンポーネントの「SHIMANO FC-RS500」になっている。チェーンこそKMCではあるが、他のパーツがシマノ製ということもあり、性能面では全く問題なかった。ただ、FC-RS500はデザインがちょっと残念だった。
もし、DEFY1 DISCに最新の4アームクランクが搭載されていたら、かなり高い満足感が得られたはずだ。そこで、クランクセットは、今回投稿する「SHIMANO 105 FC-5800」に交換することにした。購入の際には、BRAの副賞でいただいたWiggleのバウチャーを使わせていただいた。 FC-5800への交換は大成功で、最新のデザインとテクノロジーを今も満喫している。
SHIMANO 105 FC-5800 50-34T 170mm
■ 4アームクランクとアウターギアの裏側が特徴
FC-5800は、上位グレードから踏襲した「4アームクランク」が外見上の大きな特徴になっており、ペダリングのトルクをコンピューターで分析し、アームを従来の5アームから4アームに減らし、剛性を保ちつつ軽量化を果たしている。
もうひとつの大きな特徴が、「裏側が肉抜きされたアウターギア」だ。上位グレードのHOLLOWGLIDE 中空ギアを彷彿とさせる形状で、剛性と軽量化に貢献しているようだ。尚、裏側の肉抜きされた部分にはGFRPが使われている。肉抜きというよりは、リブが立っているという感じかもしれない。
そして、105には、軽量化と高剛性を実現した中空鍛造クランクアーム「HOLLOWTECH」を採用。今まで使ったことがあるのは、裏側が肉抜き過酷された2ピースクランクセットだけだったので、これが私にとって初めての、そして、憧れのホローテッククランクになる。
歯数の組み合わせは、53-39T、52-36T、50-34Tの3種類。シクロクロスなどで使われる46-34Tはラインナップに存在しない。P.C.Dは全て110mm。クランク長は165mm、170mm、172.5mm、175mmの4種類。Qファクターは146mmとFC-9000と同じで、FC-6800より0.6mm狭く、さらにFC-RS500より4.3mm狭い。カラーはブラックとシルバーの②種類がラインナップされる。※シマノのサイトを参照
4アームクランク (左)、肉抜きされたアウターギアが特徴的 (中央)、中空鍛造クランクアーム”HOLLOWTECH” (右)
■ BBがシマノ製なのでクランクのみを交換
DEFY1 DISCには、シマノのプレスフィットBB「SM-BB71-41A」が使われており、クランクはFC-RS500からFC-5800に交換するだけで済んだ。変速調整も特に不要で、いわゆるポン付けすることができた。2015年モデルまでのDEFY0、DEFY1のように、クランクがFSA GOSSAMAERだったなら、対応するプレスフィットBBのFSA BB-CF86に互換性がないので、シマノのプレスフィットBBに交換するという難易度の高い作業が発生していただろう。
シマノのプレスフィットタイプのBBに取り付けた
■ 最新のロードバイクのデザインとの相性は抜群
箱こそDEORE XTのような高級感はないが、取り出したクランクにはつや消しとつやありの2つのアルマイトブラックが使われ、加工精度の高さも相まって、105 5800シリーズの中で最も洗練された高級感のある仕上がりだ。実際に取り付けてみると、想像以上の満足感。やはり最新のロードバイクのデザインには、4アームのクランクがよく似合う。ペダルのDEORE XT PD-T780との相性も良好だ。ただし、つや消し(梨地)の部分は、砂埃やチェーンオイルの汚れなどが少々目立ちやすい。
FC-5800は最近のシマノに見られる近未来的なデザイン
■ 軽さに驚き
箱から取り出したときに、このクランクの軽さはすぐにわかった。FC-5800の実測重量は732g。クロスバイクに取り付けているDEORE FC-T611の1094g(※BB含まず)より362gも軽い。フロントダブルとトリプルの差はあるとはいえ、持ってみてこの軽さには驚いた。ちなみに、FC-RS500の801g(※172.5mm)よりは69g軽かった。実際に走ってみても軽く回るが、これはクランクの軽さ以外の要素も影響する。
実測で732g。持ってすぐにわかる軽さ
■ 全く申し分ない剛性感
プレスフィットBBを採用したDEFY1 DISCのフレーム構造と相まって、クランクの剛性感は全く申し分ない。FC-RS500と比べると、強い踏み込みでカッチリした感触が増したように思える。アウターギアも強い踏み込みでたわむことなく、SUGINOの厚歯のチェーンリングと比べても遜色ないと感じさせるほどだ。
FC-5800は、DEFY1 DISCのBB周辺の剛性感をさらに高める
■ スムーズで正確な変速に貢献
高剛性のアウターギアのおかげもあって、FC-5800にしてから、ますますスムーズかつ正確な変速になったように感じた。シフトアップでは、レバーの動作をきっかけに、アウターギアがチェーンをスパッ!とすくい上げてくれるのがよくわかる。それに、アウターギアにかからなくてガチャガチャ音を立てることもなく、安定感のある変速動作になった。
クランクと同時にチェーンもCN-HG600-11に交換しているが、左右非対称のディレクショナルチェーンと対応する歯先形状も、スムーズで正確な変速に貢献しているはずだ。私のクロスバイクには、FC-T611というクランクとCN-HG95というHG-Xチェーンを取り付けており、フロントのシフトアップの滑らかさは、FC-5800とCN-HG600-11の組み合わせに似たものを感じる。
105の方がアウターギアの剛性が高い分、正確で力強い変速という印象。クロスバイクのミドルギアからのシフトアップよりも歯数差はあるが、実際の変速ではそれを感じさせないほどに、素早く正確で爽快な変速が決まる。
シフトアップにはアウターギアの構造が高い効果を発揮している
■ 非常に完成度の高いクランク
個人的にはFC-5800への換装は大当たり。上位グレードを踏襲しただけのことはあり、剛性感も変速性能も満足感が高い。最初はFC-RS500との性能差は少ないと思ったが、使い続けるほどにFC-5800のよさを実感することができた。特に強い踏み込みや高いスピードでは性能差が顕著に現れると感じた。また、自転車の軽量化への貢献度も高い。何より近未来的な4アームのデザインが素晴らしく、私のDEFY1 DISCとの見た目の相性も抜群。FC-5800は、物足りなさを感じさせない完成度の高いクランクだと思う。
価格評価→★★★★☆ (Wiggleでお買い得)
評 価→★★★★★ (高い剛性感、スムーズで正確な変速。洗練されたデザイン)
<オプション>
年 式→2015年
重 量→732g (50-34T、170mm)