[FRONT] Knog Blinder Arc 1.7
購入価格: ¥0 (税込) ※BRAの副賞で入手
標準価格: ¥7,484 (税込)
『デザインと明るさを両立したライト。シリコンバンドは切れてないが、固定力はあまり高くない』
■ BRAの記念品に選んだライト
大変光栄なことに、私は2014年下半期にBRAをいただいた。その時の副賞でKnogのライトを前後で手に入れ、フロントライトは「Knog Blinder Arc 1.7」を選んだ。オシャレなデザインは私のシングルスピードに似合うと思っていたし、ハイパワーなライト出力は交通安全を高めてくれるはずと考えた。
もっと早くこのライトのレビューを投稿するつもりだったが、「Knog Blinder 4」のリアライトのシリコンバンドが切れて使えなくなったので、ほぼ同じシリコンバンドを採用したBlinder Arc 1.7が大丈夫かどうか様子を見ることにした。その結果、現在も私のお気に入りのライトとして大活躍している。固定力は少々気になるが、短距離・短時間の走行で、明るいライトを使いたい私には満足できるものだった。
Knog Blinder Arc 1.7
■ 二重底のパッケージ
パッケージを開封すると、ライトだけしか入っておらず、説明書がどこにも見当たらなくてちょっと困ってしまった。実はパッケージは二重底になっており、ライトの下に説明書は入っている。パッケージまでコンパクトにするあたりはKnogらしい演出だが、説明書を見る前にパッケージを破棄しないように注意したいところだ。
パッケージは二重底になっており、説明書とスポンジテープが隠れている
■ 優れたデザインはさすがKnog
Blinder Arc 1.7は、おしゃれな外観が素晴らしい。アルミ、ポリカーボネート、シリコン、ステンレスなどの異素材を組み合わせて、質感を大きく高めている。カラーはブラックに差し色のブルーを入れることで、重厚感にさりげなさを加えている。ロゴも小さめで目立ちにくい。
スリムなライトではないが、前後に短いかわりに太くすることで、実際のサイズよりもコンパクトな印象を受ける。おしゃれでさりげない外観と相まって、ハンドルバーに取り付けても、ライトの出っ張りがあまり気にならないのがいい。
優れたデザインのおかげで、ライトの出っ張りが気にならない
■ 十分な明るさと広い照射角度
各モードのライト出力のメーカー公称値は以下の通りだ。
・ハイモード: 170ルーメン
・ミドルモード: 95ルーメン
・ローモード: 45ルーメン
・フラッシュモード: 45ルーメン
ハイモードは非常に明るく、場所や時間を問わず、確実に前方を照らす。被視認性も十分高い。走行時間が短ければハイモードやミドルモードを使うが、街灯が明るい道路ならローモードでも十分だ。このライトは点灯で使用するため、フラッシュモードはほとんど使わない。
照射角度の大きさはBlinder Arc 1.7のよい点で、どのモードでも道路の広範囲を照らしてくれる。感覚的には1.5車線分くらいはしっかり照らしているような印象。これだけ照射角度が広ければ、道路の前方を何かが横切る前に、早い段階で減速などの対処ができる。ハイパワーと照射角度の大きさは、夜間の交通安全を確実に高めてくれる。
ちょっと分かりにくいが、左からハイモード、ミドルモード、ローモード ※川の土手で撮影
■ 出力の高いモードは長持ちしない
各モードの連続照射時間は以下の通りだ。
・ハイモード: 1.4時間
・ミドルモード: 2.7時間
・ローモード: 5.9時間
・フラッシュモード: 11.7時間
実際の連続照射時間はほぼメーカー公称値通りだが、ライト出力が高いモードでは長い時間使えない。当然といえば当然のことだが、私は自転車のライトを多く経験したことがない上、リ充電式のライトも初めてだったので、実際に使うまでこのことを理解しきれてなかった。
Blinder Arc 1.7のハイパワーを味わえるのは、短距離・短時間の夜間走行に限られてくる。おそらく、長時間の夜間走行を伴うロングライドには不向きで、走行時間が短めの街乗り、通勤、通学などで威力を発揮できるライトだと思う。私は走行距離が短めなので、ハイモードとミドルモードを使うことが多いが、夜間走行が長くなる場合には、ローモードで節約しながら帰宅している。
Blinder Arc 5.5ほどハイパワーなライトは必要ないと思っていたが、ローモードが145ルーメンもあって、7.9時間も持続するのはかなり魅力的だ。次回、ライトを選ぶ機会があったら、ローモードの出力の高さもちゃんと考えたいと思う。
■ インジケーターとUSB充電
バッテリー残量が少なくなると、インジケーターが赤く点滅して知らせてくれる。ただし、このライトを上下逆向きに取り付けると、インジケーターの点滅が見えなくなるので、長時間走行する際は注意が必要だ。
充電はiMacのUSB端子やiPhoneの充電器から行っている。充電中はインジケーターが赤く点灯し、充電完了後は緑に点灯して知らせてくれる。スマホの携帯用バッテリーでも充電できるが、充電しながら点灯することはできない。具体的な充電完了時間は分からないが、夜に充電を始めれば朝には終わる。また、Knogは専用のUSB延長コードを用意しているが、一般的なUSB延長コードがあれば買う必要はない。
ライト上部のインジケーターが点灯 (左)
iMacのUSB端子にケーブルをつないで充電 (右)
■ 他のKnog製品同様に汚れやすい
他のKnog製品同様に、素材にシリコンを使っているので、砂埃を寄せ付けやすいのはやむを得ない。シリコンはライト本体の半分近くを覆っているので、Blinderシリーズの中では特に汚れやすいように感じた。防水性の高さを生かして軽く水洗いするか、浸水が心配ならマイクロファイバータオルなどで水拭きした方がいい。
■ シリコンバンドは切れないが、固定力はイマイチ
Blinder 4シリーズはシリコンバンドが切れる不具合が確認されているが、Blinder Arcシリーズでも取り付け方法にかかわる構造が全く同じなので、切れないように注意して扱う必要がある。シリコンバンドの伸びが不均一になると、最も負担のかかった部分から切れる可能性があるので、説明書の取り付け方法を守ることが重量だ。尚、Blinder Arcシリーズはシリコンバンドの交換が可能になっている。
シリコンバンドは25〜35mmの外径に対応しているが、外径の小さなバーに取り付ける分には、強く引っ張らずに取り付けることができる。31.8mmのバーにも取り付けているが、これでも強く引っ張っているような感じはしない。他のBlinderシリーズのように、外径の最小値が22mmではなく25mmにしたため、シリコンバンドの長さに余裕が生まれたのだと思われる。
25mm以下の細いハンドルバーには付属のスポンジテープで対応するようになっているが、実際には外径は23.8mmのハンドルバーでも、しっかり固定することができる。スポンジテープを使うと、Knog製品のすっきりした取り付け台無しになるので、使わずに済んでよかったと思う。
ただ、このライトの固定力は高いとはいえず、シリコンバンドが比較的強めに引っ張られる外径31.8mmにバーに取り付けても、走行中の振動でライトが徐々に上を向いてしまう。大きなズレではないので使えてはいるが、少し気になってライトの向きを直すことは多い。外径23.8mmのハンドルバーでは逆さに取り付けているが、何故かこちらは気になるようなズレは生じなかった。
尚、Amazon.co.jpのレビューよると、Blinder Arc 5.5は固定力が弱く、走行中にライトが下を向いたり上を向いたりということが報告されている。おそらくBlinder Arc 5.5の方が前後に長い形状と重量の影響を受けやすいと考えられる。Blinder Arc 1.7使ったかぎりでも、このライトの取り付け方法はライト本体の重量に負けていると感じた。
外径23.8mmのハンドルバーならスポンジテープは必要ない (左)
走行中の振動でライトが徐々に上を向く (右) ※画像はイメージ
■ 気になる点はあるが満足
Knog Blinder Arc 1.7は、私にとってBRAの記念品にふさわしい素晴らしいフロントライトだった。Blinder 4のようにシリコンストラップが切れることもなかったし、Blinder Arc 5.5のように重みでライトの向きが変わることもない。ハイモードでは長く使えないが、短距離・短時間の夜間走行なら、このライトのハイパワーを十分に満喫できる。街乗りがメインの私には十分ハイパワーなライトだし、何より自転車のルックスを高めてくれたので、個人的には満足感が高い。
だが、シリコンバンドの固定力が弱く、ライト本体の重みで向きが少しずれてしまうのが残念。Blinder MOBシリーズのような小型のライトならともかく、重くなりがちなハイパワーのライトには、シリコンバンド以外の取り付け方法もメーカーは検討したほうがいいと思う。
価格評価→★★★☆☆ (デザインと性能に対して妥当な価格 ※標準価格の評価)
評 価→★★★★☆ (気になる点はあるが、個人的には満足感は高い)
<オプション>
年 式→2013年
カタログ重量→100g (実測では102g)