購入価格 ¥273240
何度となく本体のレビューを書こうとしてやめていた。
多くの自転車に乗ったわけでも無い私の私見が、正しい情報を伝えられるかが疑問だったからである。
それでも、酸いも甘いも噛み分けた仲と呼べる程度には乗り回し、そろそろ1年の付き合いにもなるこいつのレビューは書かなければ今年を終えることが出来ない、そう感じていた。
フレームサイズは515、ペダルはフラット、タイヤをOPEN-PAVE、キャリパーを105(BR-5800)に換装した「ほぼ吊し」のRAZHAのレビューになる。
何かと比較してのレビューではないので、初心者がロードバイクに乗った感想のようになってしまう可能性も否定出来ないが、そこはご容赦願いたい。
見た目はシンプルなカラーだけど、シルエットはまさに「PINARELLOでござい」という押し出しの強さ、そして随所に配置されている「PINARELLO」ロゴは金額以上に所有する喜びを満たしてくれる。
未だに夜、玄関でこいつを見ながら「にへら~」と笑っているのは家族には見られたくないが事実なので仕方ないよね。
走り出しのイメージは、特に弾けるような加速とかではなく、するすると加速していく印象だ。
気づいたら結構スピード出せてるような感覚。
思いっきり踏み込んでのスタートだと、ややもっさりした感じだが低いギヤで回してあげれば突っかかる感じもなくスムーズに加速していく。
平地巡航
低トルクで小気味よく回すと、それだけで普通に巡航している。
30kmは楽だが、そこからややしんどい。
うん。ホイールと本人の脚力も関係してくるね。
登坂
ダンシングでもがくと少したわむ感じ。
べ、別に太っているってわけじゃ無いんだからねッ!
やっぱり車体が柔らかいからかな~フレームの力を発揮しきれないイメージ。
シッティングで回している分にはスムーズに登り続けられるので、低トルクが楽しい。斜度がきつくない坂なら、ケイデンスで登っていると斜度を感じなくなる瞬間がある(押されると言うより、勾配がゆるく感じられるような感じ)
ハンドリング
これは楽しい!路面の追従性がかなり高く、重心をどこにとっていても(前乗りでも体を起こしていても)思い描いたラインをすんなりと走れるので、おそらく誰でも
「すごく自転車乗るのがうまくなった」
感じが体感できる。
元々MTBに乗っていたので、ここだけは自信があったが、倒してよし、腕で強引に曲がっても安定していて、どんな状況でも対応できる。
直進安定性もかなり高く、どのスピード域でも腰が疲れる感じは無い。
フレームの剛性バランスも手伝っている感じだ。
振動吸収性
フレーム自体はかなり振動をいなしてくれてるんじゃないかな。
タイヤをZAFFIROから変えたら路面状況による振動らしいものはほぼ無くなった。
メンテナンス性
スレッド式BBをはじめ、トラブルが少なくセルフメンテナンスもやりやすい。
ケーブル内装はこの点ではマイナスだけど、その分見た目がスマートになって高級感も増してるから仕方ないよね。
総評
乗り心地が良いので、長距離には持って来いだ。
ハンドリングの安定性も相まって、疲労感が少ないので、初心者には
「ロードバイクの楽しさ」
を知りやすい。1台目にこれを乗れば、ロードバイクの楽しさを存分に理解できてハマりやすいんじゃないかな。
クロスバイクやMTBからの乗り換えでも、
「これは楽しい」
と容易に理解できると思う。
ホイールを軽量で高剛性の物に変えれば、時々感じる「重さ」もある程度押さえ込めると思う。
逆に、ロードバイクを何台も乗り継いでいる人には、
面白みに欠ける
というイメージを持たれる可能性も高い。
どんな乗り方をしてもこなしてくれるが、逆に特化したものが無いわけで、オールラウンドに平均以上を叩きだしても、これが得意というジャンルがないからだ。
そう考えると、このフレームで
「物足りない」
と感じたら、初心者を卒業したと言えるんじゃなかろうか。
山でも、海でも、街中でも、こいつに乗って行きたい所に行く内に、自分がどこをどう乗るのが好きなのか解って、物足りなくなったらそれに見合ったフレームに買い換えれば、ロードバイクという趣味にどっぷりとハマれると思う。
逆にこの一台でも平均以上のレベルでなんでもこなせるので十分楽しめると思う。
良いフレームだし、初心者にはおすすめできるのだが…
価格が…初心者にはお勧めできないところまで行っちゃってるのが…
特に2016モデルは流石に高過ぎるような。
価格評価→★★☆☆☆(もう少し安ければ)
評 価→★★★★☆(ロードバイクの楽しさを知りたい初心者におすすめ)
<オプション>
年 式→2015
実測重量 9kg弱(ペダル込み)