購入価格 ¥880+税
自転車で、ちょっと遠出の散歩や、日帰りの小さな旅を愉しむ。
気軽だけれど、とても贅沢でもある休日の過ごし方。
見知らぬ街、丘の向こう、静かな裏道、懐かしい界隈。
都市の緑、田園の光、水辺の風、森の香り、鳥の歌・・・・・・。
「スローサイクリング」は、入口広く、奥行き無限。
誰にでもできる自転車遊びに、あなただけの体験がきっと見つかる。
街にも野にも路傍にも、美しきものが満ちている。
ゆっくりゆったり、自転車で風景の宝物を探しに行こう。
(本カバー折り返し面の文章を引用)
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日々の仕事と暮らしに追われ、隙間を縫うようにして自転車に乗るような生活を続けるうちに、いつの間にか失われてしまった心の余裕。思えばずーっと、そんなことを感じているような気がしてなりません。学生時代、講義とバイトでクタクタでヘロヘロだったのですが、そんな合間に輪行で行った先の風景とか、地元の方との会話、はたまた夜中にいつもの都心ルートを疾走中、とある公園前のバス停ベンチで訳あって休憩しているときに、同じく休憩に出てきた近くのバーの店員さんと楽しく会話したことなどが思い出され、当時、貧乏暇なしで大変だったのに実は、心には開き直りと紙一重の余裕があったのかもしれません。あれはつまり貧乏力、だったのか・・・
やれやれ、まだ50代半ばなのですが・・・歳とったもんです。
「ゆっくりゆったり、自転車で風景の宝物を探しに行こう」
これはもう、憧れの行為にほかなりません。ゆっくりゆったり、結果として平均時速10km以下で走ってみたい。冬の落葉を踏み鳴らしながらゆっくり歩を進める静かな低山登山のようなサイクリングをしてみたい。
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以下引用。
(前略) 注意すべきは、そういう「早く、もっと早く」が、経済機構や社会システムだけでなく、ふつうに善良に生きている人々の魂にもある通路を伝わって浸透してきていることだ。コンビニで会計を急ぎ、前の人の勘定がまだ終わっていないのに買ったものをレジにおいてしまうような習慣は、(後略)
引用終わり
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書店で表紙カバーをめくって最初に引用した文章を読めば、スローサイクリングのノウハウ本だと思ってしまいます。しかし、本文の中身は含蓄のある比喩にとんだ表現が横溢しています。大いに参考になる情報やノウハウも多く示されますが、この本の真意は実は、情報やノウハウ、ではないようです。
それが何なのか・・・
さあ、探しに行きましょう。
価格評価→★★★★★
評 価→★★★★★
年 式→2006年7月