どこでもクールに走り切る万能マシン

購入価格 ¥324,000(中古)
§経緯
憧れだったTIME VXを手に入れ、ホクホクの自転車人生を送るはずでした・・・。
9000DAに積み替え、BORAを履き、意気揚々とヤビツへ。
・・・登らない・・・
ブレーキ引きずってる?と思い何度も降りて確認するほど。
無論、引きずっているはずもなく・・・
平地は最高なのですが、とにかく登らない。
BBを中心にリヤ三角にトルクを吸収されている感覚。
自宅からロングに行こうとすると、土地柄避けて通れない山道。
これを気持ちよく走れなければ、ここを引っ越す必要が・・・
とはいえ、VENGEは硬すぎて100km超のロングは自分には無理。
で、やむを得ずもう一台・・・
本当に予想外の出費に、今しばらくヒィヒィ言うことと相成りました。
§車両スペック(購入時)
・サイズ:500
・パーツ
6870Di2(ワイヤレスユニット付)
→52-36&11-25
サドル:フィジーク アンタレス
ハンドルバー:フィジーク シラノR3
ステム:フィジーク シラノR1(90mm)
ホイール:フルクラム レーシング3
タイヤ:ミシュラン PRO4SC 23c
ペダル:TIME エクスプレッソ12
BB:TNIセラミック(PF30-24)
というスペック。
かなりお金をかけている車両。
ペダルまで付いていたとなると、前オーナーは自転車降りちゃったのかな?
リヤエンドに少し傷がある程度の極上品でした。
一点、ピナレロの2014モデルだけは、BBがスレッドではなくPF30なんですね(DOGMA除く)。
プレスフィットかぁ・・・とも思いましたが、BB鳴いたらプレクサス・・・じゃなかったプラクシスワークスにすればいいかと思い購入に踏み切りました。
結局、この2014モデルで「イタリアのPARIS」は最終モデルになってしまいました。
§見た目
以前Quattroを所有していた時にも思いましたが、ピナレロというメーカーは、仕上げと塗装が本当に綺麗です。
マットブラックベースにグロスレッド(一部グロスオレンジ)というカラー。
同じマットブラックだったVENGEに比べても、圧倒的な塗装品質の高さ。
ONDA 2Vフォーク、ONDA FPK1リアステイのアシンメトリックな艶めかしいデザインと併せ、所有欲を満足させます。
ノスタルジックレーサー然としたTIMEとはまた違う、マッシヴなデザインです。写真で見るより各パーツが「太い」。
やっちまったか・・・これは手強いぞ・・・と思った次第。
§走行インプレ
ようやく1,000km近くを走り、少しこのマシンの特徴が分かってきました。
ポタ、ヤビツ、足柄ロングライド、かすみがうらエンデューロ等を共に走ったインプレです。
VXおよびVENGEとの比較となります。
・0発進および加速
しなりながら跳ねるように狂おしく官能的に加速していくVX
ガッシリとした剛性の塊感でダイレクトに加速していくVENGE
このどちら側・・・でもありません。
全開で踏んでいくとわずかにしなることが分かりますが、ロスになるようなしなりではありません。
しっかりとした踏み心地ですが、ガチっとし過ぎていることもなく、スッスッとケイデンスで踏んでも、ガーンとトルクで踏んでもしっかり着いてきてくれます。
VXのように、魔法がかかっていつの間にか40km/h・・・ということはありませんが、リニアにスムーズに伸びていきます。
そのまま加速していってもリニア感はそのままに、45km/h(頑張れば50km/h)くらいまで素直に加速していきます。
・巡航性能
エアロなVENGEに近い・・・と感じました。
BORA ONE50とのマッチングも良く、一度速度が乗れば速度落ちもあまりなく、再加速も軽いフィーリングで思いのまま。
・下り&コーナリング
今日もヤビツへ行ってきたのですが、一言で「優等生」ですね。
高速でギャップを拾っても衝撃の角が取れた感覚。
直線の路面追従性は柔らかいVXに一歩譲りますが、路面状況やグリップ感は両輪からしっかり伝わり、安心してコーナーへも突っ込めます。
かすみがうらED、下りから55~60km/hくらいで、ラインさえ間違えなければノーブレーキで突っ込めるS字コーナーがあるのですが、ここの身のこなしはVENGE並みの軽さでした。
VXであれば切り返しがダルなので減速するところです。
高速コーナーは安定性重視(=ちょっと粘る)なオンザレール。
足柄峠の下り、地蔵堂からの高速コーナーは、いわゆる「やわkm/h」(すみません、躊躇したのですがこの車両の良さをお伝えしたくて・・・)出てしまうのですが、狙ったライン通りに曲がってくれます。
ただ、コーナリング中に急にラインを変えるような芸当はVENGEほど得意ではありません。
下りの低速コーナー(特に斜度の付く左コーナー)だと、安定感が邪魔をしてアウトに膨らんでいく傾向があります。
適当に減速してエイヤ!で曲がれるVENGEとは違い、しっかり減速して荷重をニュートラルにする必要があります。
VXは後輪荷重で曲がっていく(=大型オートバイのような)感覚です。
・登り
どちらかというとケイデンスで登る方が合っていると思います。
トルクで登っても着いては来ますが、VENGEのようにグン、グーンと登って行く感覚は感じません。
斜度によりますが、速度と高めのケイデンスが合うポイントがあり、背中を押される感覚があります(エンジンが長続きしませんが・・・)。気持ちいいですね。
ちなみに、この感覚は50-34より52-36で登っている方が顕著に現れます。
足柄峠などの激坂が辛くて50-34&28ですが、我慢ができる脚があれば52-36の方が相性が良いのかもしれません。
§総評
どこを走っても破綻なく、つつがなく走り切ってしまいます。
硬いという感想も耳にします。
確かにパリっとした(洒落じゃないです)ドライな乗り味ですが、それほど硬く感じないのはVENGEに慣れていたからだと思います。
見た目の太さで、やっちまったか!?と思いましたが杞憂でした。
登りよし、下りよし、平地よしという万能フレーム。
どの教科もテストで90点以上を出すけれど、性格はちょっとクールなクラスメイト。常に一目置かれ、敵はいないけどすごく仲のいい親友もいない、自分のペースをキープするのが上手い奴・・・といったところでしょうか(笑)
§現在のスペック・・・というか交換したもの
・ステム:3T ARX-TEAM(130mm17°)
・ハンドルバー:チネリ ネオモルフェ(400mm)
・クランク:9000DA(50-34)
・スプロケ:9000DA(11-28)
・サドル:スペシャ ROMIN(134mm)
価格評価→★★★★★(←美車に6870のDi2とレー3まで付いてこの価格)
評 価→★★★★☆(←万能だがトンガったところはなく)
§オプション
年 式→2014
実測重量→7.3kg(ペダル込)さして軽くない。
§後日談
友人のDOGMA65.1との比較。
PARISもいい加減マッシヴだと思っていましたが、DOGMAさんは更にマッチョですね。
写真汚くてすみません・・・