購入価格: ¥420 (税込) ※東急ハンズで30cm購入。実際に使ったのは10cmだけ
『スコッチカルを用いて、ホイールをフレームのカラーに合わせてみる』
■ DEFY1 DISCのホイールをカスタム
私の3台目の自転車「GIANT DEFY1 DISC」というロードバイクには、「GIANT PR-2 DISC 28H」というホイールが装着されている。リムにブレーキ面がなく、リムハイトの高さが際立つかっこいいホイールだと個人的には思っているが、いかにも完成車のホイールという感じが少々残念だ。そこで「3M スコッチカル」を使って、ホイールステッカーのカラーを変えてみることにした。
スコッチカルは薄手の塩ビ製のマーキングフィルムで、いわゆるカッティングシートと呼ばれるものだ。自転車のフレームやパーツだけでなく、ヘルメットのような複雑なものにも貼り付け可能で、手軽に加工できる割りに高い視覚効果が得られる。
方法は以前投稿した「スコッチカル、カッティングシートによる愛車のカスタマイズ」とほぼ同様で、ネットでの自転車以外のスコッチカルの施工例を参考にしたものだ。
参考: スコッチカル、カッティングシートによる愛車のカスタマイズのレビュー:
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=10710&forum=106 「GIANT PR-2 DISC 28H」このホイールステッカーをカスタムする
3M スコッチカル。屋外耐候性5年の塩ビ製マーキングフィルム。東急ハンズで10cm単位で買える
■ 施工方法
今回はGIANT PR-2 DISC 28Hに貼ってあるホイールステッカーのロゴの「P」の部分を、フレームに合わせてブルーにしてみた。ホイールステッカーの上に、スコッチカルで切り出したロゴを貼り付けるだけのお手軽な方法だ。既存のホイールステッカーを剥がして、スコッチカルから切り出したロゴをリムに貼り付けることも、ほぼ同様の方法で行うことができる。具体的な方法は以下の通りだ。
①ロゴを写し取る
トレーシングペーパーでホイールステッカーのロゴを写し取る。このとき、ほんの少しだけロゴよりも大きめに写し取るのがコツ。そうすれば、ホイールステッカーに貼り付けた際に、元のロゴがはみ出さない。
トレーニングペーパーはマスキングテープで固定する
②写し取ったロゴを印刷する
トレーシングペーパーで写し取ったロゴをコピー機で印刷する。失敗も想定して多めに印刷しておく。
コピーしたロゴ
③印刷したロゴをスコッチカルに貼り付ける
印刷したロゴの裏面にのりを塗り、スコッチカルに貼り付ける。以前投稿した「スコッチカル、カッティングシートによる愛車のカスタマイズ」ではスティックのりを使ったが、おすすめは「3M Scotch スプレーのり 貼ってはがせる 55タイプ」だ。ムラなくのりを塗ることができ、シワになりにくく、乾くのも早い。スムーズに作業したいなら、このスプレーのりを選んだほうがいい。
すぐにはがせるタイプのスプレー糊で貼り付ける
④スコッチカルからロゴを切り出す
スコッチカルの台紙を残すようにして、デザインカッターでロゴを切り出す。直線部分は金属の定規を使い、曲線部分はスコッチカルの方を回しながら切る。台紙を残す力加減や曲線部分の切り出しは、ある程度慣れが必要なので、何度か練習しておいたほうがいい。また、デザインカッターの刃を新しくしておいたほうが、スコッチカルをきれいにカットできる。作業前に刃先をチェックするのを忘れずに。
デザインカッターで使わない部分を取り除いた状態
⑤印刷したロゴをスコッチカルからはがす
前述のスプレーのりなら、印刷したロゴを簡単にはがせる。このとき、綿棒にパーツクリーナーを含ませて、印刷したロゴの上から塗布すれば、もっとスムーズにはがせる。ここでのりが残ったら、パーツクリーナーを含ませた綿棒で拭き取る。攻撃性の低いパーツクリーナーを使えば、スコッチカルが退色することもないし、スコッチカルの接着面に影響することもない。
パーツクリーナーを使えば紙をはがしやすい
⑥リタックシートを貼る
リタックシートとは、スコッチカルやカッティングシートから切り出したステッカーを転着するための透明なシートだ。切り出したロゴをに貼り付ける際に、リタックシートがあれば作業しやすい。今回はリタックシートがなくなっていたので、この工程は省略した。
完成したロゴ。本来はこれにリタックシートを貼る予定だった
⑦ホイールに貼り付ける
スコッチカルから切り出したロゴを、ホイールステッカーのロゴに合わせて直接貼り付けるのは難しい。だから、中性洗剤を水で薄めたものでホイールとロゴの接着面を濡らし、ロゴを滑らせながら位置決めする。中性洗剤が足りないとロゴが滑らないので注意。指でこすった時にぬるぬるした感じが濃度の目安だ。このとき、リタックシートがあれば、ロゴの形をずらさずに位置決めできる。
ロゴの位置が決まったら、タオルなどで水分を拭き取る。その後、タオルで軽くロゴをこすって、ロゴの外側に水分を追い出しつつ圧着させる。このときロゴがずれないように注意。リタックシートを使う際は、リタックシートの上からスキージでこするといい。以上で作業は終了だ。
尚、無地のリムに貼る際は、比較的位置決めが容易なので、スコッチカルを直接貼り付けてもいい。ステッカーを貼る位置はマスキングテープなどで決めておき、リタックシートごとスコッチカルのロゴを貼り付ける。この場合は、リタックシートの代わりにマスキングテープを使ってもかまわない。
貼り付けたロゴ。リタックシートがないと、シワやズレ、気泡が生じやすいので注意
■ 完成
実際にDEFY1 DISCに合わせた状態は以下の画像の通りだ。完成車のホイールながら、まるでDEFY1 DISCのために用意されたような雰囲気が出たと思う。また、PR-2のすべてのロゴをブルーにすると見た目に重たいので、ワンポイントでPだけをブルーにすることにより、ホイールの明るさも残した。同様のカスタムは、他の完組ホイールでも可能なはずだ。
ホイールステッカーをカスタムしたDEFY1 DISC
クロスバイクを購入して間もない頃は、この自転車のホイールにも、スコッチカルから切り出したロゴを貼り付けていた。こちらは元のホイールステッカーを剥がし、新たにロゴを貼り付けたものだ。ただ、この当時は個性的になって満足していたが、今思えば、唐突にリムの上にGIANTのロゴが現れているような感じで不自然だ。
GIANTのロゴをクロスバイクのホイールに貼り付けた状態
■ 注意点
【自然に仕上げるコツ】
スコッチカルを使ってホイールをカスタムするなら、既存のホイールステッカーのロゴの色を変えるほうが自然に仕上がる。オリジナルのロゴを作製しても面白いが、デザインのセンスが必要になってくる。既存のロゴのカラーを変えるほうが簡単だが、オリジナルのデザインのほうが個性的になるし、やりがいがあるといったところだ。
DT SWISS RR585のロゴを変えるのも面白いと思う
【重ねて貼りすぎないようにする】
スコッチカルを重ねて貼ると厚みが目立つので注意が必要だ。ホイールステッカーの上なら1枚、スコッチカル同士なら2枚が限界だろう。尚、中川ケミカルのカッティングシートは、素材自体に厚みがあるので、このカスタムには向いていない。
シングルスピードのフロントフォークに貼り付けたカッティングシート。厚みが気になったので、すぐにはがした
【小さなものは切り出しにくい】
あまりに小さな文字やデザインは、デザインカッターで切り出すのが難しい。小さな文字や複雑なデザインのステッカーは、スコッチカルではなく、ステッカーシートに印刷したほうがいいと思う。もしくは、イラストレーターで作製したデザインを、業者に依頼してステッカーにしてもらった方が完成度が高くなるはずだ。
DT SWISS RR585の右側の部分は、細かすぎてスコッチカルでは再現できない
■ カラーコーディネートにオススメのカスタム
私はクロスバイクやシングルスピードのフレームやヘルメットにスコッチカルを貼り付けているが、今回もこれらと同様の満足感を得ることができた。スコッチカルによるホイールのカスタムは、費用や手間がかからないのに、視覚効果が非常に高い。貼り付けた直後ならはがして元に戻すこともでき、リスクもほとんど存在しない。自転車のカラーコーディネートにオススメのカスタムだ。
価格評価→★★★★★ (スプレーのりを含めても、コストパフォーマンスが高い)
評 価→★★★★★ (視覚効果は抜群。やりなおし効き、元に戻すことも可能)