今回は失敗でした。
反省と自戒を込めてのご報告です。
今月登った二口林道が超絶楽しすぎて(完膚なきまで撥ね返されたんですがw)、以来林道のことばかり考えていました。
本当は、今シーズン中にもう一度二口林道を登ってみたかったんです。
しかし、全線舗装されている山形側と比べて、宮城側はガレガレダートの部分が多く、楽しいんだけどまあキッツい!キッツい!
なので二口林道に次いで有名な、不忘山林道に行ってきました。
終点となる山形との県境までは約10km(県境から山形側は南蔵王林道として続きます)、二口林道と比べれば全然斜度も緩く、徹夜続きであった体にも優しいだろうと思って選んだのですが、・・・・・バカバカバカ!俺のバカ!!! もう少し、考えるとか調べるとかすればイイのに・・・
林道に向けての出発は国道286号の入り口辺りからです。
足慣らしも兼ねてたらたらと走り続けると、約20キロ弱で釜房湖を通ります。
失敗した・・・
286号は道幅が狭くトラックが多いため、この橋の入り口を直進して湖の向こう側を走るのがおすすめです。
釜房湖を越えてすぐに道が分岐しますが、直進でも左折でも蔵王方面に行ける事には変わりありません。
私がいつも選ぶのは左側の蔵王方面、なぜならば、車通りが少ないから。
しばらく道なりに走っていると、また分岐点が現れます。
右側のコスモスラインというのは、27年間工事してようやく今月完全開通した広域農道、雪が降るまえに是非とも走ってみたいと考えています。
しかし今回は右側に進みます。
すずらん峠が現れました。
ヒルクライムしに行こうというのに、その前に峠道で足削ってるってどうなのよ?
この辺はまだ十分に文明の香りがする辺りなので、お約束の杉林も出てきます。
戦後の国策で、問答無用にブナやらナラやらが切り倒され、国中に杉の木が植林されました。
国の復興のために住宅産業に力を注ごうとしたのでしょうが、既に杉の木を使った木造建築の時代ではありませんでした。
結果としてテンやイタチなどは姿を消し、保水能力の低い杉の木のおかげで土砂崩れが増え、おまけに春先になる度にうちの奥さんがズビズバ言いながら機嫌が悪い・・・・・堪らんなあ・・・
すずらん峠を下りきったT字路は、蔵王方面に右折します。
ダラダラとした登りを少し行くとこの看板が現れますので、この分岐を左折、七ヶ宿方面に向かいます。
左折までの約300mまでの間に、ひっそりとこんな看板も立っています。
県内の自転車乗りでも一体何人知っているのかという位にレアなCRですが、これはあっさりスルーしときましょう。
ここ通っていいの? てトコを5分ほど通り抜けて到着するCRは、雑草伸び放題の完全に打ち捨てられた場所です。
しかも距離は2~3km、散策路にすら使われていません。
ちなみに、出発からこの国道457号への分岐までが約36キロ強になります。
国道457号を数キロ登り続けると、あらたな分岐点が現れます。
この看板はちょっとわかりづらいのですが、大丈夫。
左カーブを曲がった先のここを右折します。
で、100mほど登った突き当りが県道51号線なので、それを右折します。
あとはずーっと道なり。
こんな道や牧場の間を登り続けます。
はい、ようやく不忘山林道の入り口に着きました。
ここまでで約51km、ここを数キロ真っ直ぐ行くと、紅葉で人気の長老湖があります。
林道はここを右折。
これですね。
しかし100mも進むと道が枝分かれしています。
右に行くと元の県道に戻るそうなので、ここは真っ直ぐです。
ようやく林道入り口が現れました。
思った以上にガレガレ、おまけに結構深い部分もありそうです。
なのでタイヤの空気圧を下げながら周りを見渡すと
笹の葉の中に立ってるってのがイヤすぎます。
例によってベル連打でレッツゴー!
ちなみにベルのリズムはフィンガー5のアレw
最初の分岐は登山道方面に右折、次の現れる十字路は山形方面に直進、
前回レビューした二口林道もそうでしたが、激坂だったり激ガレだったりの場所は基本的に写真はありません。
自分が楽しむのが最優先なのでw
なので、実際の魅力はアップした画像の5~10割増しくらいで考えて頂ければと思います。
林道という事で言えば、原生林の中を通る未舗装路ですから気持ちが良いです。
路面はガレガレか、水捌けが悪くぬかるんでいるか、落ち葉が厚く積もって見えないか、大体こんな感じで続きます。
たまーに細かい砂利道が現れて、一息つけるという感じでしょうか。
オートバイの方なんかだと物足りないのかもしれませんが、自転車であればかなり楽しいです!
周りの原生林も素晴らしく、オフロード好きには堪らない道でしょう。
しかしその反面、かなり危険な場所だと思います。
画像の通りに、ガードレールは全くありません。
ぬかるみや轍、落ち葉の下に隠れたブロック並の石、そんなものにハンドルをとられれば、何かの拍子にコースアウトする危険性もあるでしょう。
何よりも危険だと感じるのは、あまりにも人の気配がなさ過ぎる事です。
一応事前に予習をしたつもりで、釣り人や登山者、オフロードバイクなんかがそれなりにいる事を予想していました。
二口林道がそんな感じだったのですが、不忘山林道には全く誰もいませんでした。
もし、自転車にトラブルが生じた場合、転倒などで怪我をした場合などを考えると、かなり危険です。
一応携帯の電波は届いていましたが、林道入口から人里までもかなり離れています。
正直言って、今回は入口でタイヤの空気圧を下げている時点から、異様なまでに胸がざわついて仕方ありませんでした。
山を歩く人などは、理屈よりもそういった感覚をとても大事にすると聞いたことがあります。
私も単なる趣味なので、もう引き返そうかと何度も思ったのですが、山道のあまりの素晴らしさと、不忘大橋が見たいという思いから、ズルズルと登り続けてしまいました。
しかし、さして急でもない坂なのに、両足が攣ってどうにもならなくなりました。
夕方になれば熊の活動時間帯になりますので、なんとしてでも早いうちに林道を抜けなければなりません。
あと30分だけ進んで大橋が現れなければ戻ろうと思い、自転車を押し始めてすぐ、道の真ん中に熊の糞を見つけました。
どう見ても狐や狸とは量が違いますし、猪のそれとも違います。
即座に向きを変え、脱兎のごとく逃げ出した・・・・・かったのですが、足は終わっていましたし、道はガレガレかドロドロ、実際には脱亀のごとく、という感じでしょうか。
熊は自分以上の捕食者がいないので、結構ぼーっとしています。
なので、熊鈴を鳴らしていても出会う時は出会います。
祈るような気持ちでベルを鳴らしながら、転ばないように林道出口へと急ぎました。
慌てて怪我でもして、動けないまま夕方にでもなったらアウトです。
途中に一度、気のせいではなく、間違いなく獣の臭いが強く漂いました。
今回の不忘山林道は、入り口から約4kmでのリタイアです。
もう金輪際、一人で行くことはありません。何があろうと絶対に。
行くとしたら熊の冬眠前、冬眠明けを外した5~9月の間で、少しでも人がいるであろう休日、もちろん複数でしか行きません。
というか、一日経った今でも恐ろしさが消えず、多分もう二度と行かないかと思います。
もしもMTBなどで予定されている方がいましたら、くれぐれもお気をつけ下さい。
評 価→★★★★☆(道そのものは面白いです)
危険度→★★★★★(ソロは絶対に危険、出来れば車かオートバイで)