購入価格 ¥880 (スペシャルとハッシュ&ポテト)
場所は埼玉県東松山市と坂戸市の境あたり。
知っている人は知っているホットドッグで有名なお店です。食べログでの評価も3.57(口コミ49件、2015/07/14現在)という堂々のスコア。
営業時間は11:00~20:30。
基本的に月曜が定休日で、祝日にあたる時は翌日火曜日がお休みとなります。
昔置いてあった店主直筆のメニューには"ハッタダッグ"と表記されていました。店主は戦後横須賀米軍基地で働いていたそうで、比較的最近(といっても15年位前)ここで開店されたそう。こんなフードスタンド、日本の片田舎にもあったんですね・・・店の外観からしてもう'80~'90sのロードムービーから飛び出してきたかのような趣深い佇まい。客層のほとんどはオートバイや車で来る方ですが、時折自転車で来る方も見かけます。
自転車は裏手の駐車場に停めるしかないですが、狭いのでミニバンなどに乗ったお客さんは何度も切り返して難儀しているのを良く見かけます。引っ掛けて倒されないよう注意しておくべきでしょう。ラックなどはありません。
アクセスについて
私は荒サイから東松山方面へ抜ける時に立ち寄ります。
荒サイを桶川市/川島町の境あたりで離脱、国道254号線方面へ向けてひたすら西へ走り、254号に入ったら北上して下野本の交差点で県道407号線へ。そのまま坂戸方面へ5km程走ったら到着します。数年前にこの近くにピオニウォークという郊外型のモールが出来まして、その時付近の幹線道路がかなり整備されました。しかし見通しが良くて道幅も広くなったせいか日中でも交通の流れが非常に速くなっています。夕暮れ以降はそれこそ首都高みたいなペースで流れる上街灯も少ないので、十分注意なさって下さい。
チリビーンズの上にチーズを乗せてオーブンであぶった"スペシャル"(¥680)とハッシュ&ポテト(¥200)。サイズ感がつかみ難いかもしれませんが、ドッグの長さは軽く30cmを超えています。
もう冒頭でお店について一番重要なことを簡潔に表現してしまいます。
"ここより旨いホットドッグを、私は知らない"。
ま、まあ私にアメリカ長期在留の経験はないので、あくまで旅行などで行った事のある都市のお店とか、国内やらヨーロッパのパブやらバーやらそんなに多くはない母集団の中でのお話ではあるのですが…それでもハンバーガーも含めた総合的なアメリカンジャンクフード部門中、ここのハッタダッグはトップ3に推したい。その位好きなお店です。絶対身体に悪いと分かっちゃいますが、止められません。
肉は香ばしくてジューシー。レザボア・ドッグスで画面狭しと拳銃振り回し絶叫しまくってた、脂ぎってコテコテなハーヴェイ・カイテルみたいな主役です。ホットドッグのメニューは12種程あり、ハーブ・ガーリック・スモークなどのフレーバーを使い分けてあります。バゲットも単体で食べると少しスカスカしてるんですが、ホットドッグに使うととたんに良い具合に肉汁とコンディメントを吸い取って化ける名脇役。こっちはなんかスティーヴ・ブシェミみたいですね。パン好きの方にはベトナムのバインミーに使う米粉が入ったパンにちょっと似ている、と言えば伝わるかもしれません。その他、チリビーンズとか瓶詰めのザワークラウトとか、ティム・ロスやマイケル・マドセンみたいなひとクセふたクセある脇役トッピングたちがオムニバスっぽくメニュー毎に入れ替わって乗ってくる、そんな感じです。
どれもハズレなしの傑作ぞろいなんですが、私はこのチリビーンズとチーズをベイクしたスペシャルと、ガーリックの効いたホワイトソーセージとザワークラウトのガウシャが好物。齧れば臆面もなく粗野で田舎臭いアメリカンダイナーの風景が胸を去来し、耳の中でLittle Green Bagのベースラインがうねります。ホットドッグはどれも¥580~680(ダイナマイトだけ¥1,000、実物をみるとあまりにも異様なサイズに爆笑必至)。
スタンド脇にテーブル(1脚、パラソル付)があり、階段を上がったところにカウンター席と3脚のテーブル席とお手洗いが設えてあります。持ち帰りもできますがバゲットがヘナヘナになりきらないうちに食べる方が絶対に美味しいですし、手指と口の周りが激しく汚れるので食べ終えたら洗面所で手を洗ってから出る方がスマートですね。この付近には座って落ち着いて食べられるような場所もありませんし。
気持ちは分かりますが、興味本位でダイナマイトをライド中に求めるのだけは止めておきましょう。あれは本当に食べる=格闘技なサイズなので・・・食べきれば満腹どころの話ではなくその後の道のりが地獄となること必至。笑顔でノリノリで踊ってたミスターブロンドに突然ナイフで切りつけられ、ガソリンぶっかけられて燃やされるような気分でしょうか。他のメニューも価格に油断してはいけません、軒並み30cmクラスのサイズで確実にお腹一杯になりますから、ここで食事した直後は強度の高い運動はできなくなると思っておいたほうが安全。できるだけ往路でなく先の見えている復路に入店するべきかと思います。午前中比企あたりで峠の3つもやっつけて帰り道にここでタンパク補給、というのが理想でしょうか。私は走ってもないのにここにノコノコ来てしまったりしますが・・・
無理なら完食はせず、素直にギブアップしてラップを貰い持ち帰るのがいいでしょう。国道254号からここまで来て再び戻るまでの約10kmを個人TTペースで走ろうとも決して贖えないカロリーをチャージしてしまう罪深い補給ポイントですが、近くまで来たなら是非とも一度は体験しておくべきかと思います。
このお店唯一の弱点は、ドリンクメニューの薄さ。カウンターで出しているのはビールやコーヒーなど後で自転車乗るからちょっとなぁ、という感じのものばかり。カウンター脇に自販機(コカコーラ)が置いてあるんですが、コダワリなのかコーラはレッドラベルしかなかったりします…いくらなんでもこのホットドッグをレッドラベルのコークで流し込むなんて所業はあまりにもノーフューチャーで退廃的過ぎるのでゼロカロリー系で探すんですが、これがマテ茶とウーロン茶位しかありません。それも悪くはないですが、やっぱりここはゼロカロリー炭酸のものがあると少しだけ救われる気がします…
-おまけ-
2年位前まで、ちょっと耳が遠いけど笑顔とストローハットがトレードマークの老店主が注文を捌き、グリルでおかみさんがテレビみながら黙々とソーセージを焼いている、というのがいつもの光景でした…それがいつの間にかカウンターの中に親父さんの姿を見かけなくなって1年以上が経ち、その後しばらく一人で切り盛りされていたおかみさんも見たり見なかったり、となって…半年程前から若いスタッフに完全に代変わりしてしまったご様子(ネット上にも何も情報ないし、ご夫婦ともかなりご高齢だったので心配はしているんですが詳しいことを聞くわけにもいかず…)。
一部メニューに変動はあったようですが、ハッタダッグの味とボリュームは全く変わらずに引き継がれています。最近ご無沙汰の方もご安心を。
価格評価→★★★★☆ (ボリュームを考えると納得)
評 価→★★★★★ (何とも罪深い・・・だが最高のホットドッグが食える店)