購入価格: ¥27,000 (税込) ※Rapha Cycle Club Tokyoで購入
標準価格: ¥27,000 (税込)
『ライドを快適にする数多くの工夫と凝ったデザインが素晴らしい。Raphaの情熱を感じる1着』
■ 初めての自転車用のボトムス
私は春先に使えそうなジャケットを求めて、ウインターセール開催中のRapha Cycle Club Tokyoを何度か訪問した。その際に気になっていたのがRapha Jeansだ。私はジーンズを履いて自転車に乗ることが多く、Jeansは私にとって憧れの存在だった。結局、セール期間が終了し、通常の販売価格に戻ったにもかかわらず購入した。一応、私にとって初めての自転車用のボトムスということになる。
Rapha Jeans (Blue)
■ Rapha定番のサイクリングデニム
Jeansは一見普通のジーンズだが、ライドを快適にするための工夫が数多く取り入れられている。生地にはRaphaが独自に開発したコットンとコーデュラナイロンの混紡素材を使用し、通常のデニムより耐摩耗性、伸縮性、速乾性を高めている。このジーンズの開発のために、9000kmの走行で耐摩耗性のテストをしたのだとか。防汚加工が施されているのも自転車乗りには嬉しいところだ。
カッティングも走行時の姿勢に最適化されており、背中が露出しないように後股上は長く、腹部に食い込まないように前股上は短くなっている。後ろポケットはU字ロックを入れるのに適した大きさで、他の部分のポケットよりも補強されている。
最大の特徴は、右足の裾をロールアップすると見えるRaphaのリフレクター・ロゴだ。被視認性を高めると同時に、Raphaを象徴するサイクリングデニムたる所以にもなっている。そして、Hi-VisピンクのパイピングがいかにもRaphaらしい。カラーバリエーションも豊富で、ブルーの他にブラック、グレー、カーキ、カベルネを選べる。
被視認性を高めるリフレクター・ロゴとピンクのパイピング (左)
ピンクのステッチやロゴ入りのボタンなど細部もこだわっている。パッチの横のベルトルーブは反射素材を使用 (右)
■ Jeansのサイズ感 ※重要
Levi’s 501やEdwin 505といったストレートジーンズの場合、私はサイズ31を選択することがほとんどだ。Jeansの場合は、サイズ32(W32インチ、Mサイズ)でジャストフィットだった。Jeansは股上が浅めにできており、他のブランドの定番ストレートジーンズとは若干サイズ感が異なるように思えた。しかも、サイズが2インチ刻みでしか用意されておらず、ワンサイズ大きくなるとブカブカになり、ワンサイズ小さくなるとキツくて履けない。
ブルーのみ股下の長さをShort、Regular、Longの3種類から選べる。私はロールアップしない状態で、Regular(L32インチ)でちょうど良い長さだった。常にロールアップして履くのであれば、それほど股下の長さに気を使う必要はないと思う。
ちなみに、RaphaにはTeam Sky Sprinter Jeansというものも存在する。こちらは文字通りスプリンター向けのジーンズになっており、定番のJeansよりも脚が太めにできている。個人的にはJeansの方がシルエットがスッキリしていて好みだ。
Jeansのサイズ感。ストレートジーンズだが、膝から裾にかけては細い ※モデルのLZは身長177cm、65kg (左)
サイズはインチで表記される (中央)
Jeans サイズ32、Regularの寸法。ウエストと股下はほぼサイトの表記通り (右) ※素人採寸につき誤差あり
■ ジーンズなのでコーディネートしやすい
JeansがCity Collectionのトップスに合うのは当然だが、トレーニング&レーシングカテゴリのClassic Softshell Jacketとの相性も抜群だ。Jeansとのコーディネートは、Rapha Jacket Guideにも紹介されているので要チェックだ。もちろん、ロールアップしなければ、普段着に合わせることも可能。シンプルなコーディネートでも、Jeansの質感の高さやシルエットの良さは十分に際立つ。
自転車に乗る際には積極的にロールアップしたいところだ
■ 硬い生地なのにペダリングしやすい
コーデュラナイロンを使用しているせいか、Jeansは生地が硬めで、歩行の際には若干突っ張るような感じがした。とても伸縮性が高い生地とは思えなかったのだが、実際に走行してみると印象が一転した。ライドに最適化されたカッティングが効いており、ペダリングの動きの邪魔になりにくい。心配だった伸縮性も全く問題なかった。スリムなシルエットなので、風によるバタつきもない。
また、ウエスト周りにはゴムバンドが取り付けられているのもポイントで、走行中の動きでジーンズが下がりにくくなっている。前股上の短さは非常に快適で、下ハンの深い前傾姿勢でも腹部が圧迫されない。バックルが薄いベルトと併用すればより効果的だ。後股上の長さは、寒い時期にはありがたい。
少々気になるのは、U字ロックを後ろポケットに深く挿入すると、U字ロックの先端がサドルに干渉することだ。走行中にU字ロックの存在が気にならないようにするには、ポケットをもう少し上に配置したり、ベルトのあたりに取り付け部を設けたりする必要があると思う。ただ、実用上は全く問題なく、Kryptonite Evolution mini-5なら確実に保持でき、紛失する心配はないと言ってもいい。
ジーンズをずり落ちにくくするためのゴムバンド (左)
Kryptonite Evolution mini-5にぴったりの大きさのバックポケット (右)
■ 速乾性の高い生地
Jeansは、一般的なジーンズよりも速乾性が高い。通気性も決して悪くはない。そのおかげで冬のライドでも汗冷えしにくく、気温によってはレッグウォーマーを着用しなくても大丈夫だ。スピードが高まってくると、発汗に対して生地の速乾性が追いつかないが、自転車を降りて行動しているうちにすぐに乾く。ただ、5月の夏日の昼間はさすがに暑かった。Jeansが最も快適に使えるのは春秋だ。冬はレッグウォーマーを併用し、夏は他のボトムスを選んだ方が良いだろう。
また、Jeansは繰り返し使用しても、全く臭いがしないのが良い。一般的なジーンズは濡れたまま長く放置すると、雑菌が湧いて臭いの原因になる。一方、Jeansは、帰宅後にジーンズを裏返しにし、風通りの良い場所で陰干しすればすぐに乾く。清潔感を保つ上でも速乾性は有利だ。そろそろ暑くなってきたので、臭わなくても洗濯するつもりだが、どのように風合いが変わるか興味深い。
■ ロールアップしても汚れがつかないように注意
Jeansはロールアップしてこそ真価を発揮する。右脚のロールアップを大きくすれば、チェーンリングとの干渉を防ぐと当時に、Raphaのリフレクター・ロゴとピンクのパイピングを際立たせる効果がある。左脚は小さく2回ほど、右脚は大きく1回折り返すとかっこいい。冬は大きくロールアップすると寒いので、ロールアップせずに裾バンドを使った方がチェーンリングと干渉しにくい。
右脚を大きくロールアップする際は、ペダルの最下点の位置で、ロールアップした裾がチェーンリングから大きく離れていることを確認する必要がある。そうすれば、ビンディングペダルからステップアウトして地面に足を置く際に、裾がチェーンに当たって汚れにくい。また、ステップアウト後もペダルの右側から離れた位置に足を置いたほうが良い。
大きくロールアップしても、汚れがつかないように注意したい
■ 生地が丈夫、かつ、色落ちしにくい
まだ4ヶ月程度の使用だが、ジーンズばかり履いていることもあって、耐久性が高いことがはっきりと分かる。右ポケットの端のみサドルと干渉して生地の擦れが目立つが、他は目立つ擦れや色落ちはない。使用期間が同じでも、一般的なジーンズの場合はサドルと干渉する部分がもっと色落ちし、擦れて毛羽立ちが生じる。しかも、3年も使い続けるとサドルと擦れた部分には穴が開いてしまう。Jeansの生地の丈夫さなら長く楽しめそうだ。ちなみに全く色落ちしないわけではないので、白いサドルを使う際には注意が必要だ。
右ポケットのみ擦れが見られる。サドルとの擦れによる色落ちはほんのわずか
■ 機能もデザインも素晴らしいジーンズ
当初、Rapha Jeansをお洒落着として考えていたが、あまりの快適さに自転車で出かける際には積極的に履くようになった。高いスピードや暑い時期には向いていないかもしれないが、ペダリングしやすく速乾性が高いので、一般的なジーンズよりもずっと気持ちよく走行できる。しかも、耐久性も重視しているのが嬉しい。
そして、Jeansの価値を大きく高めるのが、ロールアップ時に現れるリフレクター・ロゴとピンクのパイピングだ。ジーンズの着まわしやすさはそのままに、ロールアップすることで個性的な外見になるのが良い。派手さとシンプルさのバランスが絶妙だ。
セール期間で買い逃したJeansだったが、一度使うと満足感の高さに値段のことを完全に忘れてしまう。それほど良い買い物だった。ライドを快適にするための数多くの工夫や凝ったデザインは、Raphaの情熱を感じさせる1着。街乗りウェアとしても、ロード乗りの普段着としても自信を持ってオススメできる。
価格評価→★★☆☆☆ (高価なジーンズだが、耐久性の高さも期待できる)
評 価→★★★★★ (機能もデザインも素晴らしい。Raphaの情熱を感じる1着)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー