購入価格: ¥21,500 (税込)
標準価格: ¥2,1500 (税込)
『街乗り向けのパッカブルなウインドブレーカー。肌寒さを感じた時に取り出して着ると非常に快適』
■ リリースの翌日に購入
私は春の快適なライドのために様々なウェアを用意しておいた。3シーズン使えそうなジャケットとしてRapha Hooded Rain Jacketを選んだが、比較的暖かい時期の急な気温の変化や突然の雨には、携帯性の良い薄手のウインドブレーカーが他に必要だと感じていた。これがRapha City Collectionのように街乗り向けなら尚良い。
Rapha Hooded Wind Jacketが手に入れば良かったのだが、残念ながら既に廃盤になってしまった。良さそうなウィンドブレーカーを探しているときに、Raphaから春の新作の発表があった。そのひとつがPack Jacketで、これは街乗り向けにデザインされたパッカブルなジャケットであるという。この情報を得た翌日に即購入。衝動買いというよりも、理想的なウェアになりそうな予感がした。
Rapha Pack Jacket (Light Blue)
■ 街乗り向けのパッカブルなウインドブレーカー
Rapha Pack Jacketは、街乗り向けのパッカブルタイプの防風・撥水ジャケット、所謂ウインドブレーカーだ。最大の特長はRapha Essentials Caseと同じサイズの収納ポーチに折り畳んで収納できることで、突然の天候や気温の変化に備えて、バッグやポケットに入れて持ち運べるようになっている。。Hooded Wind Jacketの後継のウェアに相当すると思うが、Pack Jacketにはフードが付いていない。
生地にはチームスカイが着用したウェアを同じ超軽量ナイロン素材が使用されており、街乗り向けながら機能の高さが期待できる。重量は100g以下と軽量だが、携帯性を重視したためか生地が薄い。ショップで見た限りでは、Classic Wind Jacketよりもだいぶ生地が薄いように感じた。正直、こんなに薄くて大丈夫なのかと思ったくらいだ。
Essentials Caseと同じサイズの収納ポーチ
■ Pack Jacketのサイズ感 ※重要
私はRaphaのウェアは全てSサイズを着用している。Pack Jacketも同様にSサイズでジャストフィットだった。Classic Softshell Jacketはトレーニング&レーシング用なので身幅がタイトだが、Pack Jacketは街乗り向けらしくゆとりのある身幅だ。
それでも同じ街乗り向けのHooded Rain Jacketよりは身幅が細く、寒い時期に長袖を重ね着したりすると、着ぶくれして少しパツパツになる感じがした。やはり、2015年春モデルだけあって、春先に着るような薄手のウェアと組み合わせることを想定したサイズ感のようだ。尚、身幅はドローコードである程度調整可能で、ウエスト周りを絞って、生地が風でばたつかないようにできる。
重ね着をしたいからと言ってワンサイズ上にすると、ジャケットの肩の部分がだらりと垂れ下がり、裄丈も着丈も長くなってシルエットが崩れてしまう。Pack Jacketの適正サイズを選ぶ際は、薄手の長袖シャツと組み合わせた方が良いと思う。寒い日に少々着ぶくれするのは仕方がないとしても、このジャケットが最も活躍する春先にダボダボで着るのは避けたいところだ。
Sサイズのサイズ感。ドローコードを引っ張っていない状態。モデルのLZは177cm、65kg (左)
ドローコードを引っ張れば、ある程度はウエストを絞れる (中央)
Pack JacketのSサイズの寸法 (右) ※素人採寸につき誤差あり
■ 颯爽と街を駆け抜けるのにふさわしいデザイン
Pack Jacketはライトブルー、オレンジ、ダークグレーの3色が用意されている。私のジャケットは紺が多いが、今回は春先らしいライトブルーを選んでみた。生地に透け感があるのはこの種のジャケットでは珍しくないが、Pack Jacketの生地にはパールがかった光沢感があるのが特徴的だ。裾周りのドローコードや背部のリフレクターにはHi-Visピンクの差し色。色使いで個性を演出するのが何ともRaphaらしい。
Pack Jackeは、普段着のようなさりげなさはないが、街を颯爽と駆け抜けるのにふさわしいデザインになっている。これを着たまま自転車から降りても、うまく街の雑踏に溶け込むことができると私は思っている。なんとなくライダースジャケットにも似た雰囲気があり、シティライド用のスタイリッシュなジャケットといった感じのデザインだ。
街乗り系のウェアを中心としたコーディネート (左)
透け感のある素材を使用。Rapha Long Sleeve Merino Jerseyのリフレクターが透けて見える (右)
■ 肌寒さを感じたときに取り出して着ると便利
Pack Jacketは、薄い生地なのに防風性が非常に高く、走行中に受ける風や川の土手の向かい風から体温が奪われるのを防いでくれる。透湿性も高く、高いスピードで走っても蒸し暑さによる不快感が少ない。だが、生地が薄いので保温性は低く、真冬の走行にはほぼ不向き。吸湿性も備えてないので、暑い日に下にTシャツを着て出かけると、汗が腕に張り付いて不快になる。
冬の寒さが残る3月下旬から様々な気温や時間帯で試してみて感じたのは、やはりPack Jacketは携帯すると便利で快適だということだった。春は1日の中で気温の変化が大きく、ライドの最初から最後まで快適でいられるウェアをピンポイントに選ぶのが非常に難しい。もちろん、午前の遅い時間に出て午後の早い時間に帰宅する際には一日中着たまま過ごせるが、基本的には走行中に肌寒さを感じたときにバックやポケットから取り出して羽織るのが主な使い方になる。
例えば、Tシャツ1枚で出かけられる5月の夏日でも、夕方以降は昼間の暑さはなんだったのかというくらいに冷える。16時くらいから風で体温が奪われるのを感じるようになり、17時くらいになると肩に神経痛が出るほど寒くなる。ようやくPack Jacketを取り出して着たが、これがあるのとないのとでは天地ほどの差。パッカブルのウインドブレーカーのありがたさが身に染みた。
5月上旬は夕方から着ると快適。春には十分な保温性だ (左) ※川の土手で停車して撮影
快適性に貢献するレーザーカットのベンチレーションホール.。脇の下と上腕の内側、背面上部に配置される (右)
■ 最も素晴らしい点は携帯性の良さ
Pack Jacketの最も素晴らしい点は携帯性の良さだ。パッカブルタイプではないジャケットを持ち運ぶ場合、ジャケットを入れるだけのために、それなりに大きなバッグを担ぐ必要が出てくる。しかも、生地の厚みや重みのよっては、ジャケットがとてもかさばってしまう。街乗りでも荷物やバッグはできるだけ小さい方が楽で快適。軽量でコンパクトに収納できるPack Jacketは、春先の変わりやすい気温での使いやすさと相まって、街乗りの快適な走行に大きく貢献する。
Pack Jacketは慣れれば簡単に収納ポーチにまとめることができる。折りたたんだ状態ではそれなりに厚みを感じるが、収納ポーチには意外に無理なく入る。折りたたみ方は特に指示されていないが、私のやり方は以下の通り。胴体部分を横に2回、縦に3回ずつ折りたためば収納ポーチに入る。途中で袖や裾を内側に少し折れば、スムーズに収納しやすい。
尚、寒さを感じた時に取り出して着るのは簡単だが、逆に暑さを感じた時に収納するのは少々面倒だ。バッグを担いでいるなら適当に折りたたんで入れれば良いが、軽装の場合は平置きして畳んでから収納ポーチに入れる必要がある。このことからも分かるように、Pack Jacketは着て出かけるよりも、携帯して出かける方が使いやすい。
軽量かつコンパクトなので携帯しやすい。軽いのでそのまま収納してもOK (左)
Pack Jacketの折りたたみ方の例 (右)
■ 袖のバタつきが少し気になる
敢えて気になる点を挙げるとすれば、袖の前腕の部分が風でバタつくことだ。これは街乗り向けのウェアに合わせてあるので仕方ないかもしれない。一方、胴体部分は、ドローコードのおかげもあって、バタつきはほとんど感じられなかった。普段着で走るとこれ以上にバタつくことがあるので、私はそれほど気にならないが、やはりバタつきはできるだけ少ない方が快適だと思った。
また、Pack Jacketは街乗り用の身幅の広いシルエットなので、ロード乗りのウインドブレーカーに適しているかは疑問。タイトなロード用のジャージでは、私以上に生地のバタつきが気になるかもしれない。寒い時期のトレーニングやダウンヒルには、シルエット以外の点でもClassic Wind Jacketの方が向いていると思われる。もちろん、ツーリング程度なら十分に使えるはずだ。
袖が風でバタつきやすいが、カジュアルウェアの袖は無理なく入る
■ 生地は薄いが、取り扱いに過度に注意する必要はない
店員の説明では、Pack Jacketは雨天走行や洗濯の繰り返しで、防水性・撥水性が低下してくるとのこと。これはRaphaに限らず、多くの防風・撥水ジャケットでも同様だ。機能を維持したまま洗濯するには、Rapha Apparel WashとApparel Re-Prooferが必要になる。クリーニングはまだ先だが、これらは是非使ってみたいところだ。
使用期間が短いので耐久性の検証はこれからになるが、少なくとも生地が薄いから傷みやすいということはなさそうだ。また、折りたたんだ際の折り目やシワが心配だったが、柔らかい生地なのでこの点もほぼ問題なし。デリケートな取り扱いを要求されることもなく、気楽に街乗りに使うことができる。これなら長く活躍してくれそうだ。
何度も折りたたんだが、折り目やシワがつきにくい
■ これがあれば春先の街乗りが快適
私は街乗り用のパッカブルなウインドブレーカーを求めていたので、Rapha Pack Jacketはまさに理想的だった。生地の防風性も素晴らしいが、このジャケットの価値を大きく高めているのは携帯性の良さだ。スムーズに収納して気軽に持ち運べるので、春先のライドに大活躍してくれる。加えてRaphaのデザインの素晴らしさ。街乗り向けのウインドブレーカーとしては非常に完成度が高い。
ただし、街乗り向けに身幅にゆとりのあるシルエットである点には注意が必要。ツーリングならともかく、ロード乗りのトレーニング用には必ずしも適していないと考えられる。直営店で試着するか、返品可能なRaphaのオンラインストアなどの正規ルートで購入し、選択ミスがないようにしたいところだ。個人的には大当たりのジャケット。特に街乗りがメインの方には自信を持っておすすめできる。
Pack Jacketがあれば、街乗りがますます快適になる
価格評価→★★★★☆ (この種のウインドブレーカーとしては高価だが、満足感は非常に高い)
評 価→★★★★★ (防風性、携帯性、デザインのどれもが素晴らしい)
<オプション>
年 式→2015年
重 量→92g (収納ポーチに入れると104g)