購入価格: ¥958 (税込)
標準価格: ¥972 (税込)
『クリアーのダストを平滑化しきれいに仕上げるボカシ剤。自転車関連の塗装には必須ではないがあれば便利』
■ ボカシ剤をヘルメットのクリアー塗装を使用
私はGIRO REVERBという街乗り向けヘルメットを塗装した。ヘルメットの塗装の上から粗い耐水ペーパーをかけて足付けし、SOFT99 ボデーペン ホワイトプラサフ、アサヒペン アスペンラッカースプレー、SOFT99 ボデーペン クリアー(ラッカークリアー)の順に塗装した。
以前ブレーキレバーを塗装した時は、上塗りのSOFT99 ボデーペンのパール・マイカ色の上からクリアーを吹いただけだったが、今回のヘルメットの塗装では、よりきれいに仕上げるためにSOFT99 ボデーペン ボカシ剤を使ってみた。
SOFT99 ボデーペン ボカシ剤
■ ダストの平滑化に効果的なボカシ剤
SOFT99 ボデーペン ボカシ剤は、自動車の塗装の補修の際に、元の塗装と新しい塗装との色ズレ・光沢の差をぼかすためのスプレーだ。元の塗装との境界線は、ダスト(塗料が粒子状になって固まったもの)になってザラつきが生じやすい。ボカシ剤を使えば、ダストによるザラつきを目立たなくすることができる。また、カラーペイント塗装の直前にも使用可能だ。※SOFT99のホームページを参照
私が購入したのは300ml缶だが、小物を塗るのに便利な使い切りサイズのChibi-Can(120ml)もラインナップに存在する。また、Holtsからも同様のボカシ剤が販売されている。これらはカー用品店やホームセンターなどで入手可能だ。
ボカシ剤は新旧の塗装の境目のクリアーのダストを目立ちにくくする
■ おそらくボカシ剤は溶剤のスプレー
私はヘルメット全体にクリアー吹きをする際に使用し、ザラつきの少ない塗面を目指した。まず、上塗りした塗装の上にボカシ剤を吹き、その上からクリアーを薄く吹いてみた。確かに上塗りに直接クリアーを吹くよりもザラつきが少なく感じる。どうやらボカシ剤とは溶剤のようだ。ボカシ剤で濡れている面にクリアーを吹くと、クリアーの粒子が付着した瞬間にボカシ剤で溶かされて平滑になる仕組みだというわけだ。
その後はクリアーの重ね塗りの前にボカシ剤をスプレー。クリアーを吹いて1〜2分後、つまりクリアーが半乾きの状態のときにもボカシ剤をスプレーし、徹底的にダストの平滑化を狙った。重ね塗りのたびにボカシ剤を吹く必要はなかったかもしれないが、ボカシ剤を吹いて困るようなことは特になかった。
私が使った感じでは、ボカシ剤のスプレー缶はやや遅めに動かして吹き付けた方が、ボカシ剤でしっとりと濡れた状態を作りやすかった。遅すぎると液ダレするので注意が必要。今思えば、スプレー缶を早く動かして吹き付けることを何度も繰り返した方が良かったかもしれない。
ボカシ剤はダストを溶かして馴染ませる効果がある (左)
ボカシ剤とクリアー塗布後のGIRO REVERB (右)
■ このままでも十分きれいな仕上がり
ボカシ剤を使うと、薄くクリアーを吹いた状態でも明らかにダストが目立たず、乾燥すると細かい梨地の半光沢になる。これなら耐水ペーパーとコンパウンドをかけるのが楽になると思ったが、十分にきれいな仕上がりだったのでこのまま使うことにした。
これで塗装の作業を終えたのは、リスクを回避するためでもある。今回、ボデーペン クリアーの300ml入りを2本使ったが、十分なクリアーの厚みを出すことができなかった。この状態で耐水ペーパーやコンパウンドをかけると、塗装の下地が露出する可能性が高いと判断した。また、半光沢の方が小傷が目立ちにくく、普段使いのヘルメットでもあるREVERBには向いているのではないかとも考えた。
耐水ペーパーとコンパウンドをかけずに仕上げた。光の反射は鈍いが、ザラつきは非常に少ない
■ クリアーの厚塗りには必須ではない
もしも、ボデーペン クリアーを厚塗りし、耐水ペーパーとコンパウンドで光沢仕上げにするならば、ボカシ剤は必ずしも使う必要はなかったかもしれない。最初の数回は薄くスプレーするのでダストになりやすいが、その後クリアーを液ダレする直前まで吹き付ければ、厚みのあるクリアーの塗膜自体がボカシ剤と同等の役割を果たし、ダストが生じにくくなるからだ。
ボカシ剤は、クリアーを比較的薄く吹き付けた場合、または、新旧の塗装の境目などのクリアーが薄くかかっている箇所に大きな効果を発揮するものだと思う。クリアーを厚塗りしたつもりでも、場所によってはクリアーが薄くなってザラつきが生じる場合もある。こういったことを想定して、ボカシ剤を用意しておくのが良いのかもしれない。
これは余談だが、クリアーで確実に濡れたようなツヤと光沢感を出したいなら、SOFT99 ボデーペン クリアーのようなラッカークリアーではなく、同社のアクリルクリアーを使ったほうが良いのかもしれない。ブレーキレバーのような小さいものならともかく、ラッカースプレーでヘルメットのような比較的大きなものに濡れたようなツヤを出すには、相当な量のラッカースプレーが必要になるはずだ。これは自転車のフレームにも言えそうだ。
クリアーを厚塗りしたブレーキレバー。ボカシ剤を使わず、コンパウンドがけしなくてもここまで深いツヤが出る
■ ボカシ剤はあれば便利。使ってもマイナスにはならない
SOFT99 ボデーペン ボカシ剤は、自転車のフレームの塗装には便利そうだ。このボカシ剤は同社のアクリルクリアーにも使えるので、ダストによるザラつきが出た箇所にスプレーすれば、よりきれいな仕上がりが期待できると思う。
ラッカークリアーを厚塗りする際にボカシ剤は必須ではないが、使ってもマイナスにはならないはず。ボカシ剤によってザラつきが抑えられれば、耐水ペーパーとコンパウンドをかけるのも楽になるからだ(※)。今回の作業では十分なクリアーの厚みを出すことができなかったが、SOFT99 ボデーペン ボカシ剤を使ったおかげで、結果的にヘルメットが梨地の半光沢仕上げになったことにはとても満足している。※アクリルクリアーにコンパウンドがけは不要
全ての作業を終えたGIRO REVERB
価格評価→★★★★☆ (使う量が意外に少ない)
評 価→★★★★☆ (厚塗りには必須ではないがあれば便利。クリアーを薄く吹いた場合には細かい梨地になる)
<オプション>
年 式→ ー
容 量→300ml