購入価格 ¥4,000
Suginoのロード用インナーチェーンリング pcdは74、カタログにはシマノ9速対応の表記
歯数は28, 26, 24t の全5色展開 今回は26tのブルーをチョイス。
・使用環境
長距離ツーリング、通勤用ロード
・周辺パーツ
クランク FC-5703 (50-39-(30→26)t) / チェーン CN-7901 / Fディレイラー FD-5703 / シフトレバー ST-5703
◆要点
・外観は非常に綺麗 純正アウターリングの奥にのぞく青がいいアクセントに
・10速環境では変速に難あり
・激坂鬼斜度でのみ輝く登板特化のスーパーサブ
◆購入経緯
私のロードバイクは重装備の長期ツーリングにも対応できるよう57系105のトリプルクランクを導入している。しかし長旅をする時間もなくなった今は日々の通勤と日帰りロングライドがメイン。いくら貧脚の私と言えど、さすがに軽装時に30tのフロントインナーは出番が少ない。
本来ならそこで採るべき選択はダブルに戻すことなのかもしれないが、それではあまりに味気ない。どうせ非道い坂道でしか使わないのであればいっそ登板特化に振り切ってやる。ということで30tよりもさらに小さいものを色々探して行き着いたのがこいつ。
◆外観
カラーはフレームに合わせたブルー。カタログで見るよりも発色が良く、同系色のフレームを背景に見てもいい意味で目立つ。CNC仕上げによるエッジの質感も美しいのでこれ単体で部屋に飾っておきたくなるほど。ただシマノの純正チェーンリングにあるような変速補助のための歯先加工は施されていない点が少し残念。
必要な情報は書いてある。
センターチェーンリングの隙間から青い歯先とロゴが覗くちょうどいい塩梅に収まった。
◆変速性能
カタログ上は9速対応、10速環境での使用。
FDを一切いじらず純正30tから変えただけの状態では、やはりシフトダウンとともにチェーンがスコンとギアを飛び越え内側に落ちた。これは取り付け位置の調整とローアジャストボルトを締めることで抑え込めた(後述注意)のだが、加えてフロントインナーのままリアを6速以上に(所謂たすきがけ)すると、何やらチェーンからキュラキュラと異音が。こちらに関しては調整でなんとかなるものでもないし、用途的にも5速以下が問題なければそれでいいので早々に諦めた。
とりあえずこの状態で実走
・シフトアップ
インナーからセンターへのシフトアップは、リアの段数にもよるが、基本的に110%程度の引きが必要。つまり、一度レバーを思いっきり倒し、さらにその後もう一度軽くトリムを効かせてやっと変速が完了する。場合によっては一度のシフトで変わることもあるのだが、チェーンのテンションやクランクの位置によってバラバラで感覚的には三回に一回くらいは一発で決まる感じ。ただ、一度のシフトで決まらない際に中途半端に行ったり来たりということはなく、一定量まで引くとそこから抵抗なくすんなり上がるので、字面で書くほどストレスは感じない。
・シフトダウン
これがシフトアップ以上に曲者。メンテの空走時は綺麗に決まっていたのだが、実際に坂道で強めにトルクをかけた状態で変速すると稀にチェーンが落ちる。シッティング状態であればまず落ちないくらいのところまでは詰めることができたが、ダンシングで力を込めた状態だとやはりかなりの確率でインナー側に落ちてしまう。
原因はFDのウイングが動く際、チェーンのテンションが高いと反動で跳ね過ぎてローギアを飛び越えてしまうため。これを避けるには変速の瞬間に一瞬力を抜かねばならないのだが、そもそもこの操作は鬼斜度の激坂で高トルク時に行うことが前提なのでなかなか辛いものがある。
結局その後も何度か調整を重ねて、インナーローでギリギリチェーンがFDに接触する程度まで寄せればなんとか実用に耐えるレベルまで持って行くことが出来たが、それでもダンシング中の変速は今でも怖い。
◆総評
変速性能に不安があるため、登板時の恩恵と天秤にかけて導入を考えるべき。しかしブルベや長旅の峠でなるべく足を残したい場面では有効な選択肢となるし、そもそもそういう場面でしか出番がないので多少の不便は許容できてしまう。
所謂イロモノであることには間違いないが、個人的にこうした一点突破の尖ったパーツが大好物なのでこれからも使い続けていきたい。
価格評価→★★★★☆(他に選択肢もない中では妥当な値段では)
評 価→★★★☆☆(客観性能と自己満足の鬩ぎ合い)