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[Net Service] 走行抵抗計算ツール≪RoadLoadSurveyor≫


 
GlennGould  2015-1-9 21:14
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[Net Service] 走行抵抗計算ツール≪RoadLoadSurveyor≫
購入価格 ¥0

■■■ ≪ヒルクライム計算≫と≪RoadLoadSurveyor≫ ■■■

ヒルクライムや巡航時のパワーを計算することができる≪ヒルクライム計算≫のサイトを紹介した、baruさんの投稿(2014年2月18日)

https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=11630&forum=105&post_id=20154#forumpost20154

≪ヒルクライム計算≫のインタフェイスは簡素でわかりやすく、よく出来ています。baruさんのように

> 「大会で目標のタイムを出すために必要なパワー」

を算出するなど、いろいろな応用がくふう次第で可能です。お薦めです。

ところで、CBNでは≪RoadLoadSurveyor≫という計算ツールが2013年夏にリリースされています。

https://cbnanashi.net/cycle/modules/static1/index.php?content_id=32

絶望的なまでに長ったらしい取扱説明書と、分かりにくい使い方故、何か事情を抱えている方(?) しか使っていないと思いますが、EXCELの表計算シートに数式がそのまま実装されており、しかも数式の意味は取扱説明書に詳細に説明されているので、これをひととおり読破すれば、自転車の走行抵抗を構成する各種現象の物理的な位置づけ、インパクトについて理解することができ、またEXCELの表計算シートにそのまま実装されているため、改造し放題の仕様となっています。

本稿では、baruさんが投稿された≪ヒルクライム計算≫の内容と同じ条件を使って、CBNの≪RoadLoadSurveyor≫で計算して、結果を比較することで、≪RoadLoadSurveyor≫の一端を覗いてみます。


■■ 入力するパラメータ・・・≪ヒルクライム計算≫の場合 ■■

baruさん御投稿の≪ヒルクライム計算≫で実際に入力されている『ツールド草津』の数値を使います。以下の数値です。

≪ヒルクライム計算≫
・コース全長 : 12km
・標高差 : 760m
・目標タイム : 44.8分
・体重 : 78kg
・自転車+装備 : 9.0kg

とても簡単です。
以上の入力で得られた結果をbaruさんレビューから引用すると、

> 気温15度の時、必要な平均出力は282Wと出ました。

であり、さらにパワータップによる現地実測結果も示されており、

>パワータップによる実測平均出力は280Wでした。

だそうです。実績のあるパワータップの数値にここまで一致していれば、計算機としては十分すぎる精度と言えます。さらに、ふたつの数値の差は0.7%ですが、これは非常に小さい値です。まあ、どちらも真値から同じくらいずれているという可能性も無くはないですが、それはまた別の話になります。


■■ 入力するパラメータ・・・≪RoadLoadSurveyor≫の場合 ■■

マジメに計算ロジックを構築すれば、同じような数式を使うことになるので、入力するパラメータも似たようなもの、と言いたいところですが、≪RoadLoadSurveyor≫の場合は少々くふうが必要です。まず、
https://cbnanashi.net/cycle/modules/static1/index.php?content_id=32
から≪RoadLoadSurveyor≫をダウンロードしてEXCELファイルを起動します。
次に、次の図のように5つ並んだシート選択タブから緑色の≪ヒルクライム≫を選びます。



すると次の図のようなシートが現れます。シートのA列目で青く塗りつぶした●印の項目に、ユーザが入力します。



この時点で「メンドクサ~」ですが、そこを堪えて前に進みます。
まず、ダウンロードしたEXCELシートのデフォルト数値からユーザの数値に必ず変更しなければならないのが、

4行目:ライダー身長
5行目:ライダー質量
6行目:自転車質量
11行目:勾配
13行目:距離
15行目:目標速度

の6個です。≪ヒルクライム計算≫では
・自転車+装備 : 9.0kg
という入力項目がありましたが、これは
6行目:自転車質量
で入力すればよいでしょう。

次に
11行目:勾配
です。これは少々面倒ですが、勾配計算の定義にしたがって、標高差760mと走行距離12000mを使って、



で計算します。6.34607%となります。

次に、
15行目;目標速度
です。距離12kmを時間44分45秒で割った速度16.089385km/hを使うと、走りだしの加速時間分だけ余計に時間がかかってしまい、走行時間が5秒だけ余計にかかり、計算結果の27行目には44分50秒が示されてしまいます。走行速度を少しずつ上方修正して何度か計算トライを繰り返し、最終的に16.12km/hを使うに至ります。

さて、分かりにくいのが、

7行目:ホイール慣性モーメント
8行目:タイヤ実効半径
9行目:タイヤ転がり係数
10行目:空力抵抗係数

ですが、分からない数値はとりあえず放置、で大丈夫です。
さらに、何を言っているのかさっぱりわからないのが、

18行目:限界トルク
19行目:限界ケイデンス

ですが、これも放置!で大丈夫です。それぞれちゃんと意味があり、理由があって存在している枠ですが、興味のある方は取扱説明書をどうぞ。

それにしてもこのEXCELシート、いきなり使うのはかなり厳しいデスねぇ。。。


■■ ≪ヒルクライム計算≫と≪RoadLoadSurveyor≫ 何が違うか? ■■

まず、≪RoadLoadSurveyor≫の≪ヒルクライム≫シートには、一定速度走行を行うための速度制御器が仕込んであります。大げさに言えばライダーがサイコンを見ながら速度を一定にキープするという行為を計算上で実現しているということです。走りだしの速度は零で、そこから加速して、目標速度を少しオーバーシュートしてから一定速度走行に至ります。このため、距離12kmを時間44分45秒で割った速度16.089385km/hを目標速度として設定すると、走りだして一定速度走行に至るまでに少し余分に時間を使ってしまい、走行時間が5秒だけ余計にかかり、44分50秒になってしまいます。そこで、走りだしの加速時間を挽回するために、走行速度を僅かに上方修正して、16.12km/hを使うに至ります。まったく器用貧乏です。

≪RoadLoadSurveyor≫の≪ヒルクライム≫シートでは、標高による空気密度変化の影響を考慮していますが、実は、コレを考慮しなければ、16.089385km/hを使ってスッパリと計算することが容易になります。

一方、baruさんご紹介の≪ヒルクライム計算≫では、そういった面倒なところは省略しているようです。それは、スタート地点標高に関わらず、標高差だけを与える、という方式を採っていることからも明らかです。無論、わざと省略しているわけで、こういった使いやすいツールを作成する技量を持つ方であれば、いくらでも複雑なツールを造りこむことが可能です。


■■ 結果比較 ■■

結果の比較です。
ツールド草津を44分45秒で走るために必要な平均パワーは、

≪baruさん実車のパワータップ実測平均≫→280W
≪ヒルクライム計算≫→282W
≪RoadLoadSurveyor≫→280W

です。期せずして三者が似たような数値となりました。


■■■ まとめ ■■■

なるべく簡単に使えて、誰にでも容易に理解できるわかりやすさを狙ったのが
≪ヒルクライム計算≫
よく出来ています。

一方で、標高による空気密度変化と標高変化に伴う気温変化による空気密度変化、この両方による空力影響の変化や、駆動伝達系の効率の影響など、考えられる影響を網羅的に取り入れているものの、とにかく分かりにくいのが
≪RoadLoadSurveyor≫
ということになります。

極端な使い方をしない限り、両者は同じような結果をもたらしますが、≪RoadLoadSurveyor≫は使い倒し甲斐があるとも言えなくもありませんし、まさかの使い方を発見することができるかも知れません。



価格評価→★★★★★
評   価→★★★☆☆(少々判り難い)

年   式→2013
 
GlennGould  2015-1-16 21:36
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[Net Service] 走行抵抗計算ツール≪RoadLoadSurveyor≫ ~その2~
購入価格 ¥0


■■■ ヒルクライム時の走行抵抗の内訳 ■■■

これは上のレビューの続編です。
上のレビューにおいて、ツールド草津での走行パワーを≪RoadLoadSurveyor≫で計算してみましたが、今回は、ヒルクライム時の走行抵抗の内訳について確認してみます。

なお、≪RoadLoadSurveyor≫はCBNで2013年夏にリリースされた『走行抵抗計算ツール』です。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/static1/index.php?content_id=32


■■ 計算結果 ■■

前回のレビューで、ツールド草津を44分45秒で走るために必要な平均パワーとして、≪RoadLoadSurveyor≫を使って次のような結果を示しました。

> ≪RoadLoadSurveyor≫→280W

≪RoadLoadSurveyor≫では、走行抵抗の内訳を表示することができます。平均パワー280Wの内訳は下図のように

ギヤ損失:0.6%
登坂抵抗:86.3%
空力抵抗:5.8%
転がり抵抗;7.3%

となります。この数値はシートに表示される棒グラフの中に示されています。次図です。



当然ですがヒルクライムでは登坂抵抗が走行抵抗の大部分を占めます。がしかし、転がり抵抗と空力抵抗が無視できるほど小さい、というわけではありません。ここは注目したいところです。

なお、それぞれの抵抗の計算方法ですが、上記リンク先に置かれている取扱説明書に極めて詳細に書かれています。興味のあるかたはそちらをご確認ください。


・・・では、29分50秒、すなわち上記タイムの2/3で走り切るという超絶タイムを設定すると、どうなるか?
平均パワーは452.1Wに跳ね上がり、内訳は、

ギヤ損失:0.7%
登坂抵抗:80.3%
空力抵抗:12.1%
転がり抵抗;6.8%

となります。



世界トップレベルの登坂能力を発揮する場合には、空力抵抗への対策も重要となってくるというのが理解できます。マルコ・パンターニの下ハンをひきつけるダンシング登坂は理に適っていたのだと思います。


*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*


■■■ まとめ ■■■

ヒルクライムであっても勾配に応じた空力抵抗への相応の配慮が必要であり、世界レベルの戦いにおいては、それが顕著になる、ということが≪RoadLoadSurveyor≫によって定量的に理解されます。



価格評価→★★★★★
評   価→★★★☆☆(少々判り難い)
 
GlennGould  2015-1-30 20:43
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[Net Service] 走行抵抗計算ツール≪RoadLoadSurveyor≫ ~その3~
購入価格 ¥0

これは上のレビューの続編です。
上の2レビューにおいて、ツールド草津での走行パワーを≪RoadLoadSurveyor≫で計算してみましたが、今回は、体重とヒルクライムタイムの関係について確認してみます。


■■■ 体重低減と登坂タイムの関係 ■■■

同じパワーを出力できるのであれば、体重が軽い方がよい登坂タイムが出ます。これは当然なのですが、では、体重1kgの軽量化による登坂タイム短縮へのインパクトは如何に?
これを≪RoadLoadSurveyor≫で調べてみます。

なお、≪RoadLoadSurveyor≫はCBNで2013年夏にリリースされた『走行抵抗計算ツール』です。
https://cbnanashi.net/cycle/modules/static1/index.php?content_id=32


■■ 計算手順 ■■

これまでと同じくツールド草津の事例を使って計算します。

≪ヒルクライム計算≫
・コース全長 : 12km
・標高差 : 760m
・目標タイム : 44分45秒
・身長 : 176cm
・体重 : 78kg
・自転車+装備 : 9.0kg

以上を≪RoadLoadSurveyor≫の計算シート≪ヒルクライム計算≫に適用して計算します。やり方は一番上のレビュー
https://cbnanashi.net/cycle/modules/newbb/viewtopic.php?topic_id=12975&forum=105&post_id=22531#forumpost22531

を参照してください。


■■ 計算結果 ■■

前述の条件で計算すると、結果は、

『ツールド草津を44分45秒で走るために必要な平均パワー → 280W』

となります。
次に、EXCEL計算シート≪ヒルクライム計算≫で体重を78kgから1kgだけ減量して77kgとします。
この状態で平均パワーの計算結果280Wを与えるような目標速度を≪ヒルクライム計算≫の15行目に設定します。何度か数値を入力して、最終的に

16.27km/h

を入力すると、280Wを得ることができます。このときのタイムは計算シートの27行目に示され、44分21秒となります。オリジナルタイムから24秒が短縮されました。したがって、

『78kgの体重を1kgだけ減量して同じ280Wで走ると、ツールド草津の登坂タイムが24秒、つまり0.9%だけ短縮される』

となります。


■■ 10kgの減量でどうなる? ■■

体重を78kgから10kgだけ減量して68kgとして、前述と同様に試行すると、

17.76km/h

を入力することで280Wを得ることができます。このときのタイムは40分37秒となります。オリジナルタイムから4分8秒が短縮されました。したがって、

『78kgの体重を10kgだけ減量して同じ280Wで走ると、ツールド草津の登坂タイムが248秒、つまり10.7%だけ短縮される』

となります。



こちらオリジナルの各抵抗比率



こちらは10kg減量の場合


上に10kgの減量前後の各走行抵抗の割合を示しました。比率でみると似たようなものです。登坂抵抗もあまり変化なしです。しかし10kgも軽量化していますから、同じ登坂抵抗で走れば、タイムはその分、縮まるという算段です。何と言っても、重力に反して質量を持ち上げる仕事が登坂抵抗、ですので。

さて、投入するパワーの単位はワット(W)ですが、これは単位時間当たりの仕事の大きさである≪仕事率≫を表します。一方、この仕事率を時間で積算したものを単に≪仕事≫とか≪エネルギー≫などと呼び、単位はジュール(Joule)です。10kgの減量で、同じ仕事率280Wを投入する時間が短くなっていますから、行う仕事もその分少なくなり、減量前の88.8%の仕事で済むことになります。


*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*─・‥…─*


しかし、単に体重を軽くして同等のFTP ( functional threshold power ) を出力しようなどという考えはかなり邪です。体重78kgで自身の納得できるパフォーマンスを発揮している人が10kgも減量するのは少々やり過ぎでしょう。どこかにバランスポイントがあるのは当然で、そのバランスポイントは人それぞれ。それを自分の適性を考慮しつつ努力と知力で探し出すのがプロフェッショナルの方々の流儀なのでしょう。

宇都宮ブリッツェンのスプリンター、大久保陣選手は184センチで66kg。スプリンターとしては身長に比して軽めの体重です。一方、1990年代のツールで5連覇を成し遂げた偉大な選手、スペインのミゲール・インデュラインは188センチで75kg(ただし1992年当時の某関連書籍の情報)。個人TTで圧倒的な強さを誇りつつも、山もかなり得意でした。大久保選手の体重が今後、どんな変遷を辿るのか注目するのも面白いかもしれません。(脱線)


■■■ まとめ ■■■

走行抵抗計算ツール≪RoadLoadSurveyor≫を使って次のことが示されました。

78kgの体重を1kgだけ減量して280Wでツールド草津を走ると登坂タイムが24秒、つまり0.9%だけ短縮される。また、10kgだけ減量して同じ280Wで走ると、登坂タイムが248秒、つまり10.7%だけ短縮される。(ただしその他の条件は上述)


価格評価→★★★★★
評   価→★★★☆☆(少々使いにくいツール)

年   式→2013
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