購入価格 ¥メニューによってそれぞれ。食べログ参照
熊本市内、熊本城にほど近い上通りの細い路地の二階にその店はある。
市内の洋食店としては老舗に位置し、しかも名店としての評価が高い。昼時など複数名で訪れる場合は予約しなければ、かなりの確度で断念しなければならないだろう。
ここでまず、「洋食」の定義だが、「西欧料理のメニューをおかずにご飯を食べる」ものであり、西欧料理を総称するものとは一線を画しておきたい。
とは言え、この店の料理は正統派フランス料理の技法を忠実に伝承している。東京で言えば浅草の洋食店「レストラン大宮」を更にフランス料理寄りにしたと言えば分かり易いかもしれない。
当店は東京の洋食店同様、やや値が張り、名物の鍋焼きカレーなとは2500円する。しかし、オイラが狙うのは昼の日替わりランチ1,000円だ。ご飯orパンが選択出来、スープとサラダとメインディッシュのみであるが、食後にコーヒーが付く。
運が良ければハンバーグにありつける。ハンバーグは通常メニューにはなく、日替わりランチのみのメニューなのだが、我が生涯で一番旨いハンバーグと認識している。
本日、ど田舎から久し振りに遠征してみたところ、入り口にあるメニューに今週から年末にかけて、日替わりランチは休止との表示が。しかし、その他やや値の張るメニューもお値打ちであることには変わりないので臆せず店内に入る。
ドアを開けて入るとまずカウンターキッチンになっており、第一線に立ち、若い衆に采配をふるいながら調理に勤しむベテランのご主人と挨拶。ここの店の凄いところは、一度で顔を覚えてもらえ、二度目から常連扱いなのである。これはマジ感動である。ご主人とマダム、給仕の女の子(美人!)も皆そんな感じである。
13時過ぎに行ったので、昼のピークを過ぎているかと思ったら甘かった。カウンター席は満席。残念。本来なら、ここでギャグを飛ばしまくるご主人と対面で対話しながら食べるのが最高に楽しいのだが、今日は奥のテーブル席に通された。
今日は日替わりランチがないので、メニューを見ながらポークなんちゃらランチを頼んでみた。ポークはグリエ、ソテー、カツレツが選べるとのことでカツレツで。
先ずは最初にスープ。この店で真に素晴らしいのはブイヨンである。スープは元よりソースのベースになっている。軽やかであるのに深みが半端なく、スープに用いれば京懐石の上等の椀のように上品であり、ソースに用いると素材の味を極限まで高める強靭な旨味を有している。
カツレツに添えられたカブも主人が吟味した取れたて野菜。聞けば必ず産地や作った人まで語ってくれる。素材に対する愛情は頭が下がる。
見てよこの絶妙な火の通し加減。蒲田の丸一とタメを張るw
カツレツは豚肉を最も美味しく食べる調理法のひとつですな。
洋食屋の命「ご飯」はアイガモ農法米。産地も聞いたけど忘れた。
バゲットも実はとても旨い。
これこれ。このソースが実に美味。塩加減のピントの合わせ具合、香りと旨味の余韻。たまらんて。衣はカリッカリ、肉はしっとり噛むと肉汁ドバドバw
合いの手にさっぱりサラダ。和風ドレッシングがまたこれ美味。
当然ご飯お代わりw
食後の珈琲。ミルクは植物性油脂ではなく、ちゃんと生クリーム。
てな感じでオイラの「洋食の橋本」愛を延々と読まされた紳士淑女の皆さんはきっと思っているであろう。自転車となんの関係があるのだと。街中の細い路地の中にあり、遠乗りの始点や終点になるでなく、オサレな自転車ショップが隣接しているわけでもない。
それはここのご主人が昔かなりの自転車乗り(しかもカンピィ)だったのだ。なぜ分かったかというと、2年くらい前の夏、この店に食べに行き席に着くと、マダムに「今日は自転車で来たのですか?」と尋ねられたのだ「は?」と当然戸惑うが、その日オイラはカンパのポロシャツ着ていたのだ。「主人が昔夢中だったので(笑)」という形での判明であった。
これこれ、カンパのロゴなんて記号感覚で着てたのにさw
熊本に観光や仕事で来られる自転車乗りの方は、夜は馬刺しを食べることをお勧めするが、ランチはこの橋本で洋食はいかがであろうか。(かつての)自転車乗りの作る洋食は、銀座や浅草の名店に一歩も引けをとらない円熟の味なのである。
価格評価→★★★★★(お値打ち。見事な洋食)
評 価→★★★★★(大切な人と是非)
退役したiPhoneを活用したハイレゾプレーヤー。BOSEのノイズキャンセラーイヤホンと組み合わせれば、公共交通機関での移動中の疲労度は劇的に軽減できる。
しかし、時限爆弾にしか見えないw超重いし。消費エネルギーが異常で。トホホ。