購入価格: ¥329(ラミネーターフィルム)、 ラミネーター ¥2,654 (税込)
『CBNのロゴをデザインに用いて、高品質なスポークカードを自作する』
■ ホイールに取り付けるスポークカード
スポークカードは自転車のホイールのスポークの交差している部分に挟むカードだ。元々、ニューヨークのメッセンジャー達が、自分の出場した大会の証明や自分達のチームを示すために取り付け出したのが始まりだとか(参照: fixed style)。おしゃれなスポークカードは自転車の雰囲気を一変させ、デザイン次第で様々な自転車の変化を楽しめる。主にピストバイクのホイールに取り付けることが多いが、ロードバイクやクロスバイクのホイールで見かけることもある。
では、スポークカードはどうやって手に入れるのか。ひとつの方法はお気に入りのデザインの絵ハガキやフライヤーを使うこと。もうひとつの方法は自作することだ。既製の印刷物を使えばデザインの完成度は高いが、やはり楽しいのは自作だ。自作の方法は以下で説明していく。以前から書きたいと思っていた内容だが、納得のいく仕上がりになったのでようやく投稿することにした。
■ スポークカードのデザイン
まずはスポークカードをデザインし、画像処理ソフトなどで書き起こす。私はMacのPixcelmatorを用いたが、以前はGimpというフリーソフトを使っていた。スポークカードの大きさは、ハガキと同じ100×148mmにするのがちょうどよい。解像度は適当だが、高解像度ならきれいに印刷できると思う。
凝ったデザインだと描くのに時間がかかるが、文字だけのシンプルなデザインの場合はすぐに終わる。文字を用いたデザインは意味があるものほど良い。自分にとって重要な意味があるのはもちろんのこと、周りが見ても分かるようなデザインがかっこいい。
写真: Pixcelmatorを使って画像を完成させる。幅148mm、高さ100mm、解像度300ピクセル
■ デザインを光沢紙に印刷
次にデザインしたものを光沢紙に印刷するのだが、ここでトラブル発生。なんと、私のプリンターが壊れてしまったのだ。困り果てていた時に思いついたのが、コンビニエンスストアのマルチコピー機のサービスだ。このコピー機はUSBメモリーやSDカードの画像を、A4の光沢用紙に複数枚並べて印刷することができる。私はハガキサイズの画像を2枚並べたが、画像の向きを変えれば3枚は可能だと思う。
結果的にコンビニエンスストアでの印刷は大成功。私のプリンターよりもずっときれいに印刷することができた。あとは印刷したものをデザインカッターで切り取れば仕上がる。私が利用したのはファミリーマートのマルチコピー機だが、他のコンビニエンスストアでも同様に印刷できるはずだ。自宅のプリンターを使う際は、ハガキサイズの光沢紙を用意すれば切り取りの手間がない。
写真(左) : ファミリーマートのマルチコピー機で印刷。A4の光沢用紙にハガキサイズを2枚並べた
写真(中央): デザインカッターを使って切り取る
写真(右) : おまけ。謎のエラーが出て印刷不可能になったプリンター
■ 耐久性を上げるためにラミネートする
印刷したものをそのままホイールに取り付けてもスポークカードとして使えるが、これではスポークのテンションで紙が傷んでしまうし、突然の雨で紙が濡れてしまう。スポークカードの耐久性を上げるにはラミネートした方が良い。ラミネートにはいくつかの方法があり、方法によってかかる費用や完成度が異なる。ラミネートの方法は以下の通りだ。尚、以下の方法は既製の絵ハガキを加工する際も同じである。
①アイロンを用いたてラミネートする
ラミネーター専用フィルムを用意すれば、アイロンでもラミネートすることが可能だ。アイロンの温度が高いとフィルムが熱でふにゃふにゃになるので、アイロンの設定温度を弱にした上で当て布をしたほうが良い。さらにフィルムの閉じている方からアイロンをかけたほうが気泡が入りにくい。
この方法は費用があまりかからないが、フィルムにシワや気泡が入りやすいので難易度が高い。以前、この方法でスポークカードを作った時は何度も失敗している。失敗しながらコツをつかむのは大変な作業だった。どうしても気泡は入ってしまうので、不本意ながらも最後はどこかで妥協しなければならない。プリンターで印刷したものならともかく、枚数が限られる既存の絵ハガキにはあまり用いたくない方法だ。
写真(左) : アイロンの他に、アイロン台、当て布が必要だ。
写真(中央): やはりこの方法は難しい。気泡がたくさん入ってしまった。尚、用紙の再利用は不可能
写真(右) : 以前、2年くらい前にこの方法でラミネートしたもの。出来は良いがデザインのセンスが…
②ラミネーターを用いる
やはり、アイロンよりもラミネーターを使う方が完成度がはるかに高い。当然といえば当然なのだが、アイロンで何度も失敗を繰り返したからこそありがたみが分かる。ラミネーターをうまく使うコツは、ウォーミングアップの時間を長くとることだ。ウォーミングアップが完了してからさらに数分放置すれば、気泡が入らずきれいに仕上がる。
ラミネーターは安いものなら3,000円以下で買える。スポークカードにはA6以下の小さなサイズ向けのラミネーターが使いやすい。また、スポークカードの耐久性を考えれば、フィルムが150ミクロンの厚口のものに対応したものがいいだろう。スポークカードを複数枚作り、気分によってスポークカードを付け替えたいなら、ラミネーターは決して高い買い物ではない。
写真(左) : 私が用いたのはAsmix ラミネーター L1110E。フィルムは150ミクロンの厚口のもの
写真(中央): ウォームアップは時間がかかるが、ラミネート自体はすぐに終わる
写真(右) : きれいに仕上がったCBNのスポークカード
③業者にラミネートしてもらう
ラミネーターを買わずに完成度の高いスポークカードを作りたいなら、業者にラミネートしてもらうのも良い方法だ。業者によって費用は異なるが、大体500円前後といったところだ。都内ならkinko’sでやってもらえる。kinko’sなら印刷からラミネートまでの作業がここだけで済む。1枚だけラミネートしてもらうならお得なサービスだが、スポークカードの枚数によっては、いっそラミネーターを購入したほうが良いと思う。
■ 見た目重視のカスタムにおすすめなスポークカード
スポークカードの品質は、印刷の美しさやラミネートの方法に大きく左右される。滲んだ印刷や気泡の入ったラミネートも手作り感があるという意味では悪くないが、コンビニエンスストアのマルチコピー機の印刷をラミネート加工した方が高品質で満足感が高い。
これだけ高品質のスポークカードをホイールに取り付けると、自転車の雰囲気は一変。CBNのスポークカードを取り付けると、ロゴのクールさと相まって、GIANT FIXER Rマルチカラーに重厚で落ち着いた印象が加わる。ボトルにRapha Bidonにするときは、Raphaのポストカードをラミネートしたスポークカードを合わせて。ボトルとスポークカードを合わせるのは新鮮な試みだった。
尚、スポークカードの裏側が真っ白だと、ホイールを反対側から見たときに寂しい感じがする。だから、裏側にはワンポイントアクセントとして、ラミネートする前に私のサインを入れた。小さくイラストを描くのも面白いと思う。
高品質なスポークカードはもはや立派な自転車のアクセサリー。自分の思い入れのある文字をデザインにしたり、自転車のカラーに合わせるのも良いし、気分や時季によって付け替えるのも面白い。見た目重視のカスタムにはおすすめだ。尚、スポークカードが走行中に吹き飛んだことは一度もない。スポークの交差点に深く刺せば全く問題なく走行することが可能だ。
写真(左) : リアホイールに取り付けたCBNのスポークカード。プロフィール写真にも使ってみたい
写真(中央): フロントホイールに取り付けるのもかっこいい
写真(右) : Rapha Bidonを持って行くときは、Raphaのポストカードを使ったスポークカードを取り付ける
写真: 裏側は真っ白なので、何かワンポイントに入れると面白い
図 : 自作ポストカードの良い点
価格評価→★★★☆☆ (ラミネーターを使えばきれいに仕上がるが、アイロンを使ってもラミネートできる)
評 価→★★★★★ (手軽に自転車のコーディネートを楽しめる)
<オプション>
年 式→ ー
カタログ重量→ ー