購入価格: ¥2,942 (税込) ※EVANS CYCLESで購入
標準価格: ¥3,518 (税込)
『フロントの変速性の向上に貢献。クランプの塗装とチェーンガイドのクロームメッキの仕上げが美しく満足感が高い』
■ トレッキング用のDEORE XTのフロントディレイラー
去年、私はクロスバイクGIANT SEEK R3をシマノのトレッキングバイクコンポーネントDEORE T610シリーズで10速化した。これでも十分に楽しい走りを満喫することができたが、だんだんと上位コンポーネントへの興味が湧いてきた。
この気持ちは抑えることができず、遂に幾つかのパーツを同じくトレッキングバイクコンポーネントのDEORE XT T780シリーズに交換した。今回投稿するFD-T780は、DEORE XT T780シリーズのフロントディレイラーだ。DEORE FD-T610からの交換になる。
写真: SHIMANO FD-T780-6
■ FD-T780はトップスイングタイプ
何種類かあるフロントディレイラーの中から選んだのはFD-T780-6。トップスイングのフロントディレイラーで、チェーンステーアングルが66-69°のフレームに対応するものだ。63-66°に対応するものはFD-T780-3。ダウンスイングにはFD-T781が用意されている。尚、FD-T780はクランプの色がブラックしかないので注意。FD-T781ならシルバーもあるが、クランプの色はブラックである。
図: SHIMANO FD-T780-6のスペック
■ クランクのチェーンガイドが干渉しないように取り付け
組み合わせるクランクセットはDEOREのままFC-T611を取り付けている。このクランクセットとFD-T610の組み合わせでは、チェーンがアウターギアにあるときに、FD-T610の外プレートの下部とFC-T611のチェーンガードの内側が干渉してカサカサ音が出ることがあった。だから、FD-T780の取り付けでは、チェーンガードが干渉しないように、上の方に取り付けるようにした。
写真: FC-T611のチェーンガイドの内側に干渉しないように取り付けた
■ 紙のマニュアルが付属
FD-T610には専用マニュアルが付属せず、シマノのコンポーネントに共通のディーラーズマニュアルをダウンロードする必要があった。このディーラーズマニュアルのフロントディレイラーの調整方法はかなり簡略化されており、マニュアル通りのはずがうまくいかずに苦労した。
一方、FD-T780は2012年のモデルということもあり、今まで通り紙の専用マニュアルが付属する。これには細かい調整方法が記載されているのでありがたい。FD-T610での経験とこのマニュアルのおかげで、最後までスムーズに作業することができた。ちなみにFD-T610でもこのマニュアルの調整方法の方がスムーズに調整が可能だった。
写真: FD-T780/FD-T781専用のマニュアル。調整方法が分かりやすい
■ フロントディレイラーだけでは変速性能の向上が分かりにくい
フロント駆動系はクランクセットを除いてDEORE T780で揃えている。これらの組み合わせでは、非常に軽くて滑らかなフロントの変速動作を味わえた。だが、FD-T780単体での変速性能の向上は分かりにくい。クランクセットとチェーンが同じなので尚更だ。シフトレバーがSL-T780に変わった分レバーの操作感は良くなったが、フロントディレイラーの動き自体は基本的には同じような感じがする。
やはり変速性能に大きく影響するのはクランクセットとチェーンであるようだ。FD-T610との価格差、重量差があまり変わらないことを考えても、トレッキングバイク用の10速ではグレード感で性能差があまりないと見てもいいのかもしれない。
写真(左) : クランクセットとチェーンが同じせいかフロントの変速性能の向上が分かりにくかった
写真(中央): 表面仕上げ以外の外観上の差はほとんど見られない
図(右) : SEEKのフロント駆動系の組み合わせ ※全て互換性のある組み合わせ
■ 仕上げの美しさはさすがDEORE XT
FD-T780の最も良いところは外観の美しさだ。クランプはDEORE FD-T610と同じ塗装仕上げだが、質感の高さが全然違う。FD-T610のような塗装のムラやくすみが全くない。チェーンガイドの仕上げは美しく光り輝くクロームメッキで、上部のXTのロゴの刻印がさりげないが所有欲を満たす。クランプのロゴがSHIMANOなのも個人的にはポイント。質感の高さとさりげなさがフロントディレイラーの上品さを生み出し、最終的に自転車の美しさに繋がる。
写真(左) : クランプはSHIMANOロゴ。塗装は丁寧で質感が高い
写真(中央): チェーンガイドはクロムーメッキによる仕上げ。
写真(右) : メインコンポーネントをDEORE XT T780にしたGAINT SEEK R3
■ フロントの変速性能の高さには貢献
フロントディレイラーだけでは性能の向上を感じにくいというのは、これまでのクロスバイクのカスタムで想定済みだ。フロント駆動系全体で評価すれば、FD-T780はシャキッとした素早い変速動作に貢献してくれているはずだ。使用期間はもうすぐ半年だが、全く問題なく動作している。
また、FD-T80の丁寧な仕上げによる視覚効果は抜群。シートチューブという目立ちにくい部分だからこそ、質感の高いパーツは見た目に効いてくる。フロントディレイラーはグレード間で価格差が小さいパーツなので、トレッキングバイク用の10速ならフロントディレイラーをFD-T780にするのも悪くないと思う。
図: SHIMANO DEORE XT FD-T780の良い点
価格評価→★★★★☆ (グレード間で価格差が小さい)
評 価→★★★★★ (美しい仕上げとフロントの変速動作への貢献)
<オプション>
年 式→2012年
カタログ重量→155g (DEORE FD-T610より2g軽い)