購入価格: ¥1,490 (税込) ※エーゼット楽天市場店
標準価格: ¥1,490 (税込)
『動きの軽さが際立つチェーンオイル。潤滑性、静粛性、耐久性などもレベルが高くて大満足。メンテの様々な用途にも使用可能』
■ 値段以上の高性能を期待して…
AZ CKM-001 超極圧・水置換スプレーは、ベースオイルにエステルを使用し、極圧剤と添加剤を配合した潤滑スプレーだ。機械、自転車、バイクなどのあらゆるチェーンに使用することができ、高荷重や水がかかる箇所などの過酷な環境下でも潤滑効果が持続するというのがメーカーの説明だ。また、チェーン以外の様々な用途にも使用可能とある。
私がオイルに求めるものは3つで、①チェーンノイズが小さく、②汚れにくく、③水置換性がある、というものが好みだ。WAKO’S チェーンルブやKURE チューンルブ セミウェットなどが、ちょうどこんな感じだ。
私が今までエーゼットのチェーンオイルを使ってこなかったのは、どれも粘度が高くて汚れそうなイメージがあったからだが、粘度が低めのCKM-001 超極圧・水置換スプレーなら私の好みに合いそうな気がした。また、AZの商品の中では高価なのも高性能を期待させた。このオイルへの期待が十分に高まったタイミングで注文してみた。

写真: AZ CKM-001 超極圧・水置換スプレー 420ml
図 : 特徴と主な用途 ※メーカーサイトから一部抜粋
■ 注油の作業で既に好印象
【噴射の微調整が効き、ピンポイントに注油可能】
早速、クロスバイクとシングルスピードのチェーンをディグリーザーで洗浄、水洗い後に注油してみた。エーゼット楽天市場店のいくつかのレビューでは、スプレーの噴射の勢いが強すぎるという投稿があったが、実際に使ってみるとWAKO’Sと同様。噴射の微調整が効き、チェーンの可動部にピンポイントに注油できる。可動部に必要なわずかな量を出すコツは、ボタンを軽く半押しすることだ。

写真(左): 折りたたみ式のステンレス製ノズル
写真(右): ピンポイントに注油しやすい。噴射量の微調整も効く
【洗車後や雨天走行に便利な水置換性】
このオイルの水置換性はチェーン洗浄後にとても便利。金属表面についた水分を浮き上がらせ、チェーンを錆から守ってくれる。このオイルでは雨天走行後は試していないが、急な雨天での走行やその後のメンテナンスでも他の水置換性オイル同様に活躍してくれるはずだ。
【粘度が低く高い浸透性。汚れ落としにも】
ノズルの使い勝手や水置換性はWAKO’SやKUREと同じだが、これらと決定的に違うのが浸透性の高さだ。このオイルは粘度が低くサラサラで、チェーンの可動部に素早く浸透していく。私が経験したどのオイルよりも浸透性は高い。
ちょっと驚いたのが、浸透したオイルがチェーン内部の汚れと共に流れ出てくることだ。チェーン洗浄は徹底的に行ったのだが、これだけ黒い汁が出てくるとは思わなかった。チェーン内部の汚れとオイルが入れ替わるなら、注油と汚れ落としを同時に行える。これは走行後にチェーンを足して使うのに便利そうだ。

写真(左): 余分なオイルを拭き取る前の状態。黒い汚れが滲み出ている
写真(右: )チェーン洗浄後でもこれだけ黒い汁が付く
【室内で注油可能な低臭性】
WAKO’Sは少し臭いが気になるし、KURE チェーンルブ セミウェットは注油後だけでなく走行後も鼻を突く臭いがする。一方、このオイルは不快な臭いがほとんどしない。だから、室内で注油したり、注油した自転車を室内で保管するのに向いている。自転車の保管とメンテナンスを自分の部屋で行う場合、このオイルの低臭性も作業しやすさに繋がる。
■ 軽さ、滑らかさ、静かさ、汚れにくさ、耐久性など、どの性能も高いレベル
【今までにない軽い動き】
注油後、クロスバイクで試走してみたところ、漕ぎ出した瞬間から違いを感じた。チェーンの動きがとても軽いのだ。KURE チェーンルブ セミウェットも軽い動きが気持ちよかったが、このオイルの軽さはそれ以上。今までで一番軽い。ギア一枚分軽くなるとまでは言えないが、それくらいの驚きはある。粘度の高いウェット系のオイルから変えれば、ギア一枚分と言えるかもしれない。

写真: クロスバイクを重点的に使い、CKM-001 超極圧・水置換スプレーの性能を試した
【強い踏み込みでもしっかり潤滑】
チェーンの動きは非常に滑らか。チェーンがスルスルというかヌルヌルと滑るように滑らかに動く感じが気持ちいい。ポタリングのような低速走行はもちろん、高速時の高回転や踏み込みにおいても、チェーンやギアに軋みを感じない。極圧剤が効いているのだろう。さすが、機械の高過重でも潤滑するだけのことはある。
【チェーンノイズが非常に小さい。シングルスピードなら無音に近い】
チェーンの音も非常に小さくて大満足。アウターギアに入れたときにプーリーの音がわずかに聞こえるくらいで、終止チェーンノイズに気を取られることなくサイクリングを楽しめる。チェーンが斜めにならず、プーリーもないシングルスピードなら無音といっても良いレベル。動きの軽さや滑らかな動きと相まって、ラグジュアリーなペダリングを満喫できる。今までは走行時の風切り音にかき消されて静かなら許容範囲だったが、これは低速でも音がせず満足感が高い。

写真: 変速機のないシングルスピードならほぼ無音。軽快車なら贅沢極まりない乗り味になる
【砂埃がほとんど付着しないが、黒い汁は滲み出る】
このオイルは粘度が低くてサラサラなので、川の土手を走行してもほとんど砂埃が付着しない。今まで使っていたWAKO’SやKUREのセミウェット(ハーフウェット)よりもずっと砂埃が付きにくい。WAKO’SやKUREの場合は、ある程度砂埃が付着した段階でチェーンを洗っていたのだが、CKM-001 超極圧・水置換スプレーならチェーンの継ぎ足しと拭き取りを繰り返しながら長く使える。
ただ、低粘度のオイルのため、走行後にオイルとともに黒い汁が滲み出る。この点では汚れやすいとも言えるが、内部の汚れを外に排出していると言い換えても良さそうだ。尚、この黒い汁はペーパータオルなどで拭き取れば、チェーンはピカピカになる。まめに拭き取るなら、チェーンをきれいに保ちやすいオイルだと思う。

写真(左): オイルとともに中の汚れが滲み出てくる
写真(右): 走行後にペーパータオルで拭き取ればきれいになる。特に注油直後の走行では必要な作業
【しっかり拭き取れば飛散しない】
サラサラで低粘度だが、オイルの飛散はほとんどなく、ホイールやチェーンステーなどもきれいな状態だ。もちろん、余分なオイルはしっかりとペーパータオルなどで拭き取るということが大前提になる。このオイルは油膜が薄くてもしっかり吸着していて、しっかり拭き取っても、高い潤滑性と静粛性を発揮する。軽い拭き取りでも意外に飛散しにくいが、黒い汁が出るばかりで性能が向上することはなく、特にメリットを感じない。

写真: チェーンステーやホイールへのオイルの飛散はほとんどない
【300km以上の耐久性】
低粘度で油膜が薄いと耐久性が心配になるが、クロスバイクで300km以上走行しても動きは軽く滑らか。キュルキュルした油膜が切れたような音も聞こえてこないし、砂埃の吸着も非常に少ない。ここでようやくオイルを継ぎ足したが、継ぎ足す前の性能の低下はほんのわずか。オイルを継ぎ足さないでも相当長く潤滑してくれそうだった。限界まで使い切っていないとはいえ、CKM-001 超極圧・水置換スプレーは、今まで使ったオイルで最も長く潤滑してくれた。

写真: CBNのイベント「ベラチのスマホアプリと走ってみよう」での100kmの走行でもこのオイルを存分に満喫できた
【雨天走行での耐水性は未検証】
基本的に晴れの日しか自転車に乗らないので、雨天走行での耐水性については検証していない。ただ、洗車でチェーンに水をかけたら、低粘度にも関わらず、意外にも表面に油分が残っていた。突然の雨天でも水置換性が防錆効果を発揮し、最低限の潤滑もしてくれると思うが、このオイルはドライ系に近い印象。終始雨天走行する場合は、もっと粘度の高い耐水性のあるオイルの方がいいかもしれない。
■ チェーンオイル以外の用途でも高い満足感
【チェーン以外の可動部の潤滑】
ステンレス製の折りたたみ式ノズルと噴射料の微調整によって、ブレーキやディレイラーの可動部にピンポイントに注油しやすい。チェーンと同様に素早く浸透し、動きがとても軽くなる。べたつきが少ないので、自転車の下部にあるSPDペダルのスプリングやフロントディレイラーに砂埃が付きにくいのも嬉しい点だ。

写真: パーツの可動部にも使える。砂埃の吸着が少ないのが良い
【パーツの防錆】
このオイルはボルトの頭やハブナットなどの防錆にも使いやすい。油膜が薄いのにしっかり油分は存在していて、パーツをしっかり錆から守る。水置換性のオイルなので、洗車直後の使用に最適。走行中に砂埃が付かないのもポイントが高い。

写真: オイルを含んだ綿棒でボルトを防錆。ここにも砂埃が付きにくい
【パーツの錆び落とし】
何度も洗車したためか、ベルのノッカーのスプリングが錆びてしまった。この錆を落とすのにも、CKM-001 超極圧・水置換スプレーは役に立った。スプリングの錆びている部分にスプレーし、綿棒で磨いたら錆が落ちてピカピカになった。

写真: 錆び落とし後。元々スプリングの根元は錆びて茶色く変色していた
【ねじ緩めはKURE 5-56の方が上か】
トラックホイールからシングルフリーギアを外すのに用いた。シングルフリーギアは、かなりきつく締まっているので簡単には外れない。そこでこのオイルをスプレーしたわけだが、するっと簡単に外れたわけではなかった。ねじを緩めるならKURE 5-56の方が確実なような気もするが、KURE 5-56を使わなかったのはハブのアルマイトへの攻撃性を考慮してのことだ。

写真: フリーギアを外すのにも使用
■ ベースオイルのエステルは合成油
それにしても、CKM-001 超極圧・水置換スプレーは不思議なオイルだ。これだけ軽くて滑らかで静かなオイルは、今まで経験したことがない。しかも、低粘度でサラサラしているのにしっかり吸着し、長期間の潤滑性を保つ。どうやら、秘密の一端はベースオイルのエステルにあるようだ。メーカーに問い合わせたところ、このエステルは化学合成したものであるとのこと。化学合成したエステルは潤滑性に優れているらしい。
また、試しにステンレストレーにこのオイルをスプレーしてみたらところ、粘度が低いためベシャッとなって薄く広がってしまった。だが、すぐにトレーを傾けても、オイルのほとんどは垂れずにくっついている。時間とともにゆっくりと垂れてくるが、完全に流れ落ちることなく、薄い油膜になってトレーの表面に残っている。こういったこともエステルの性能に関係があるのかもしれない。

写真: スプレーすると薄く広がるが、すぐにトレーを傾けてもあまり垂れない
■ 動きの軽さが際立つ高性能ドライ系チェーンオイル
AZ CKM-001 超極圧・水置換スプレーは、想像以上に素晴らしいものだった。チェーンオイルとしても、メンテナンス用の汎用オイルとしても高性能。使い勝手も良くて満足感が高い。AZの中では高い方だが、420mlも入っているので量を気にせず使える。AZらしいコストパフォーマンスはさすがだ。私が今まで使ったオイルの中では、間違いなくこのオイルが一番。特に軽い動きを求める人にはおすすめだ。

AZ CKM-001 超極圧・水置換スプレー 420mlの良い点と悪い点
価格評価→★★★★★ (WAKO’SやKUREとほぼ同様の値段だが容量は倍以上。AZらしいコスパの高さ)
評 価→★★★★★ (想像以上の高性能に大満足)
<オプション>
年 式→2014年
容 量→420ml