購入価格: ¥12,975 (税込) ※BRAの副賞を使ってAmazonで入手。出品者はワールドサイクル
標準価格: ¥16,200 (税込)
『革製のカスクにインスパイアされた折りたたみ式ヘルメット。デザインと機能を両立した街乗りヘルメットの傑作』
■ BRA受賞の記念品に選んだヘルメット
CARRERA FOLDABLE HELMETは、昔、自転車レースでヘルメットとして用いられた革製のカスク(Casque)にインスパイアされたヘルメットだ。このヘルメットの洗練されたデザインには、以前から憧れを抱いていた。このヘルメットならBRAの受賞記念にふさわしいと思い、副賞を使わせていただいた。
写真: CARRERA FOLDABLE HELMET パープル M/L
■ 洗練されたデザインが最大の魅力
CARRERA FOLDABLE HELMETの最大の魅力は、折りたたみの機能よりもデザインにある。革製のカスクをそのままヘルメットにしたような特異な形状は、自転車用ヘルメットの中では個性的で目を引く。一般的なロード用ヘルメットよりも側頭部の張り出しが少なく、キノコ頭に見えない。これなら自転車用ヘルメットを敬遠していた人にも受け入れられると思う。
シンプルなデザインは様々な服装に合わせやすい。私は普段着に。私は普段着に合わせているが、カタログのように街乗り系のサイクルウェアやサイクルジャージでも全く違和感がないはずだ。また、カラバリが豊富なので、自分の自転車や服に合うものが見つかりやすいのもポイントが高い。
写真(左): 革製のカスクを踏襲したデザイン
写真(右): 側頭部の張り出しが少ないのが特徴
■ 頭囲だけでサイズを選ぶのは難しい ※重要
CARRERA FOLDABLE HELMETは、S/Mサイズ(55-58cm)、M/Lサイズ(58-61cmサイズ)の2つのサイズがある。頭囲だけ選ぶならS/Mサイズになるはずだったが、私が選んだのはM/Lサイズだ。ちなみに私の頭囲は約56cmだ(GIANT ORIONに投稿した頭囲は計り間違い)。
実は、手に入れるかなり前にショップで試着させてもらったことがある。S/Mでもかぶれないことはなかったが、側頭部が圧迫される感じがした。頭部の形状が前後に縦長な欧米人に合わせてあるだけでなく、このヘルメットが横方向の伸縮性でフィットさせる構造を取っているからだと思う。
このヘルメットは左右にフレキシブルに広がるので、調整次第ではS/Mサイズでも圧迫感を感じずにかぶることができそうだが、ヘルメットを浅くかぶったようになってかっこ悪い。ある程度深いかぶり心地になっているかどうかは、ヘルメット下端から耳、額までの距離が目安になる。圧迫感のなさと深いかぶりごこちを考慮した結果、私はM/Lサイズを選んだ。
相当頭が小さな人でないと、S/Mサイズで最適なフィット感を得るのは難しいと思う。私がかぶった感じだと、このヘルメットのM/Lサイズは、KASKやGIROのMサイズに相当する。Lサイズ以上のロード用ヘルメットを使っている場合は、側頭部が圧迫されるか、浅いかぶり方になる可能性が高い。サイズ選びが不安なら、試着してショップで購入した方が良いだろう。
写真: 側頭部の張り出しが少ないので、M/Lサイズでもそれほど大きく見えない
図 : 小さいサイズでは深くかぶれず、浮いたような感じになる ※説明書の図を加工
■ 見た目からは想像できないほど高いフィット感
フィット性の高さはハイエンドなロード用ヘルメットには及ばないものの、時速30km/hを超えるスピードでも安定感は十分。見た目からは想像できないほどフィット感が高い。多少の走行の振動でも安定感があり、走行中のヘルメットのズレやブレによる煩わしさを感じさせない。このフィット感の秘密は、Flexible frameとElastic fitting systemという独自の構造にある。
ヘルメットを構成する5つのパーツは、Flexible frameというベルトで接続される。Flexible frameには伸縮性があり、内側に縮むことで側頭部にフィットさせる。ある程度は調整の幅があるが、サイズを間違えると圧迫感が強まるので注意が必要だ。
Elastic fitting systemと名付けられたフィットシステムは、ベルトの基部がベルクロになっており、取り付けの位置や角度を幅広く調整することができる。ベルトの左右の長さも調整可能だ。このシステムのおかげで、後頭部は包み込むように支えられ、走行中の高い安定感を実現する。
写真(左): 伸縮性のある”Flexible frame”
写真(右): 意外にも高いフィット感を実現する”Elastic fitting system”
■ 軽くはないが、EN1078を満たす高い安全性
重量はM/Lサイズで363gと決して軽くはないが、重心がヘルメットの後部にあるおかげで、前傾姿勢でも重さを感じさせず疲れにくい。尚、あなパーでは何かを参考にして230gと書いてしまったが、これは間違いなので訂正したい。実際の使用感が軽いので、実測するまでなかなか気づかなかった。
この重量は大きなベンチレーションと強度を両立させた結果なのだろう。このヘルメットはEN1078というヨーロッパの自転車用ヘルメットの安全規格を満たしており、万が一の転倒にしっかり備えることができる。
写真: EN1078を示すステッカーはヘルメット内にも貼り付けられている
■ デザインを生かした通気性の高さ
折りたたみ可能なデザインは、そのまま通気性の良さに繋がっている。前後に長い4本のベンチレーションから空気が通り抜け、真夏でも蒸し暑さをあまり感じさせず快適だ。ロード用ヘルメットのKASK VERTIGOのように、強制的にヘルメットに風を送り込むような感じはしないが、ベンチレーション自体が大きく、ヘルメット内に流れる空気の量は多い。また、空気に触れる面積が大きいので、低速でも暑さを感じにくい。
写真: 折りたたみのデザインが通雨期性の良さに繋がる”Full Surface Ventilation”
■ 速乾性の高いインナーパッド
このヘルメットには速乾性の高いインナーパッドが使われており、上記のベンチレーションと相まって、真夏の走行でもヘルメット内を快適に保ってくれる。休憩後にもう一度ヘルメットをかぶる場合でも、湿り気がなくサラリとして全然不快感がない。一般的に、ヘルメットと密着する額や側頭部は濡れやすい部分だが、CARRERA FOLDABLE HELMETならとても快適。構造上、額とヘルメットの接触面積が小さく、汗による額のパッドの湿り気を感じにくい。また、側頭部には大きめのパッドが使われ、吸った汗を拡散させやすい。
写真: 通気性が高く、取り外して洗濯も可能な”Dry Wave”
■ 折りたたみ時はバッグに入れやすい大きさ
このヘルメットの折りたたみ方は簡単で、ヘルメットの側面を持って内側に縮め、付属のLockable Beltというストラップで固定するだけだ。カタログによると、折りたたんだ状態で、バッグの中で従来のヘルメットよりも約20%省スペースになるという。たかが20%と思うかもしれないが効果的で、折りたたむとバッグの口に入りやすい大きさになる。メッセンジャーバッグやトートバッグなどのマチのあるバッグなら入れやすい。尚、Lockable Beltがなくてもバッグに収納は可能だ。
写真(左): 折りたたみ時の形状も革製のカスクを連想させる
写真(右): サコッシュにも入りやすい
■ 裾バンドにもなるLockable Belt
Lockable Beltにはカラビナが付いており、ズボンのベルトループやサドルレールなどに引っかけることができる。バッグを持ってないときは、ベルトループに引っかけて行動するのが便利だ。また、Lockable Beltは走行時に裾バンドにもなる。駐輪時と走行時の両方に使える合理的なデザインだ。
ただ、着脱のスムーズさはベルクロ式の裾バンドに及ばない。ベルクロ式に慣れていると、取り付けに少々煩わしさを感じることもある。だから、裾バンドは別のものを使い、Lockable Beltはヘルメットを留めるのにちょうど良い長さにしたままの方が楽だ。Lockable Beltの裾バンドとしての使い勝手が、このヘルメットの唯一の弱点だ。
写真(左): カラビナでいろいろなところに取り付けられる
写真(右): 裾バンドとして使うと、取り付けに時間がかかる
■ 高いデザイン性と性能を両立したヘルメット
街乗り用のヘルメットは、デザインを優先するあまり、快適性やフィット性が高くないものが多い。その点、CARRERA FOLDABLE HELMETは、デザイン、快適性、フィット性、安全性など、高いレベルでバランス良く仕上がっている。フィット性はロード用ヘルメットに及ばないが、激しいライドでない限り、特に不満を感じるはないはずだ。ファッションアイテムとしても、快適なヘルメットとしてもおすすめしたい。
図: CARRERA FOLDABLE HELMETの良い点と悪い点
価格評価→★★★★☆ (実売価格は革製のカスクとほぼ同じ)
評 価→★★★★★ (デザインが素晴らしい。街乗り用ヘルメットとしては快適。フィット性も悪くない)
<オプション>
年 式→2013年
重 量→363g